導入事例 | キヤノンITソリューションズ

株式会社イノメディックス様

作成者: スーパーストリーム|2025.04.03

導入の背景

経営統合を経て誕生したイノメディックス  

  株式会社イノメディックスは創業以来「メディカルをシステムで考える」という理念を掲げ、医療機関と医療機器メーカーとの橋渡しを行いながら、製品の提供からサポートまでをトータルで提供する医療機器商社です。最新医学やテクノロジー情報をいち早くキャッチし、医療機器から消耗品に至る、30万点を超える商材をもとに、最適な商材の組み合わせを情報と共に、国公立病院や大学病院など多くの医療機関に提供しています。さらに納品時の機器の設置や、メンテナンス等にも注力しており、医療機関とメーカーとのインターフェイスとしてさまざまな役割を果たしています。

 同社は、田中三誠堂と浜医科工業が2008年に経営統合して新たに誕生しましたが、経営統合した二つの企業ともに会計システムを利用していませんでした。当時は紙の伝票に記載して元帳を作成し、経理処理は会計事務所に委託する運用でした。

導入前の課題

事業拡大に伴う経理処理の増加、統制環境の整備

 経営統合によって、経理処理に関連する業務量が急増することが見込まれました。「以前から1件ずつ手作業で処理することへの負担を感じていましたが、同規模の二社が経営統合することになり、経理処理件数が一気に増えることが想定されました。そこで、これまでの会計事務所に外注する環境から脱却し、自計化することを念頭に、会計ソリューションの導入検討が進められました。」と管理本部 財務経理部 財務グループ長 寒川 直美氏は当時を振り返ります。また、一部会計処理に関しては、販売管理を中心とした基幹システムに付随した簡易的な経理システムを利用していたものの、単にデータ登録するのみで、入力したデータをアウトプットできる仕様ではありませんでした。「支払処理においては、ネットバンキングに1件ずつ金額を手入力する必要があり、誤入力のリスクが懸念されていました。統制環境という意味でも不十分な状況でした。」と寒川氏は言います。

システム選定と導入

外部システムとの連携や必要な機能を網羅
データの多角的な集計を実現し分析資料の作成に貢献

 「新たな仕組みづくりにおいては、自計化できることを前提に、入力情報を活用して外部システムと連携できる仕組みが望まれました。また現場や経営層が求めるデータ分析資料を作成するためにも、効率よくデータを集計できることも重要でした。そのために営業所単位や支社単位でコードを柔軟に振り分け、それぞれの売上や費用を管理できる必要がありました。」と同部 財務経理部長 土田 雅弘氏は説明します。

 そこで2009年に出会ったのが、豊富な導入実績を誇る会計ソリューションのSuperStreamでした。「コードなどを使って、部門や担当者ごとに詳細な予実管理が実施できるだけでなく、一度登録したデータを支払処理までつなげていけるなど、必要な機能が全て網羅されていることから、我々に適した仕組みだと判断しました。その結果、当時のSuperStream-COREを採用しました。」と寒川氏は言います。そして数年間  安定運用を続けたのち、最新のSuperStream-NXに切り替えを行いました。「現場にとって使い慣れた環境を維持しつつ、従来同様に外部システムとの柔軟な連携を維持できることから、異論なくSuperStream-NXに移行しました。」と土田氏は説明します。

導入効果

自計化と効率的なデータ活用への基盤づくりに貢献
帳票からのドリルダウンやデータ加工しやすいアウトプット等、
日々の業務を助ける利便性を評価

 現在は、財務経理部のメンバーを中心に10名弱がSuperStream-NXにて仕訳作業を行っています。また、同社以外にもグループ会社2社の会計処理も財務経理部で請け負っています。利用している機能としては、財務会計・管理会計のGLとともに、証憑管理のEVやAI-OCRなどから、SuperStream-NX人事給与ソリューションまで幅広く利用しています。

 実際の運用では、基幹システム側で登録した入金に関する伝票や支払関連の伝票などを外部連携してSuperStream-NXに取り込み、SuperStream-NXが持つワークフロー機能を利用して債権債務伝票の承認を実施しています。「仕入れ先様だけでも850件前後あります。顧客である医療機関様も多くあるため、私が行っている承認作業だけでもかなりの数になっています。」  と寒川氏は説明します。また、多くの顧客や取引先とのやり取りが発生するため、入出金伝票をはじめ日々の仕訳伝票入力も多く発生します。紙での領収書や請求書は証憑管理オプションにて管理しており、直近では証憑登録件数がひと月に約560件まで達しています。

 SuperStream-NXを採用したことで、以前は会計事務所に委託していた作業を内製化することに成功し、決算早期化の一助になっていると言います。また、ドリルダウン機能をはじめ、必要な情報をExcel出力して外部連携やデータ活用に生かせる機能など、その利便性の高さについても評価の声が寄せられています。「帳票から個別の伝票にまでドリルダウンしていけるだけでなく、伝票に紐づく証憑にもアクセスしやすいです。誰もが便利になったと口を揃えて評価しています。またデータを利活用することを考えても、汎用性の高いExcelが利用できる点は大きいです。」と土田氏は評価します。

 また法令対応などの環境変化にも、柔軟に対応できる点は大きな魅力の一つと言います。「バージョンアップによって法令対応してもらえるのが、とてもありがたいです。また外部取り込みやExcelデータのインポートなど、便利な機能が多くあることで、業務量が増えても以前と変わらないリソースで対応できています。さらに監査対応の面では証憑管理機能のおかげで、以前は棚にあるファイルから領収書などの紙を探す手間がありましたが、今は一切なくなっています。必要な情報にアクセスしやすくなったことを実感しています。」と寒川氏は高く評価します。土田氏はさらに、業務の標準化に大きく貢献していると言います。「派遣の方であっても、すぐに覚えてサクサク使えています。経理担当になって間もないメンバーでも使いこなせるなど、属人化せずに業務の標準化に大きく役立っています。」

 同社におけるSuperStream-COREからのSuperStream-NXへの移行、日々のサポートなどは鈴与シンワート株式会社が手掛けており、安定運用に大きく貢献しています。「最後までしっかりプロジェクトを牽引いただき、無事に移行することができました。とても相談しやすく、慣れないプロジェクトでも不安を払拭していただけて助かっています。また連携先となる基幹システムの入れ替えを現在進めていますが、鈴与シンワート株式会社には会計知識の豊富な方が多く、我々にとって気づきを得る機会が多いです。パートナーとして頼れる存在です。」と土田氏は評価します。

今後の展望

デジタルインボイス対応など環境変化への柔軟な対応に期待

 今後については、さらに手形管理のPNや電債オプションのERを稼働させる計画です。また、現在でも業務の標準化に向けてAI-OCRを使って紙帳票の取り込みを実施していますが、継続的に精度を向上させていきながら、さらなる伸び代に期待したいと語ります。

 そしてデジタルインボイスへの対応をはじめ、環境変化に対するSuperStream-NXの対応についてもさらに期待を寄せています。「IT化が十分に進んでいない医療機関様はもちろん、取引の多い企業間同士をつなぐサプライチェーン全体でデジタルインボイスなどへの取り組みを進めていければと考えています。」と土田氏は言います。同時に、医療機関のシステム化も含めて顧客を支援する医療コンサルティングの領域でも、SuperStream-NXを含めた既存システムが役立つ場面があれば活用していきたいと意欲的に語ります。他グループ会社との連携も視野に、さらなる業務効率化にSuperStream-NXの機能を最大限活用していきたいと今後について土田氏に語っていただきました。

パートナー情報

鈴与シンワート株式会社

お客さま情報

会社名 株式会社イノメディックス
(英文表記 : INNOMEDICS Medical Instruments Inc.)
本社 〒113-0034
東京都文京区湯島2-16-11
URL https://www.innomedics.co.jp
従業員数 542名(内、パート104名) (2024年10月末日現在)
事業内容
  • 医療機器、医療材料、病院設備の仕入・販売・企画・賃貸及び修理・保守
  • 病院・医療設備の増改築・移転の総合コンサルテーション
  • 院内物流管理業務の受託・運用、及び院内物流管理システムの開発・保守
  • 医療情報管理システムの仕様設計、導入・開発サポート

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