コロナ禍でテレワークが普及したことで、経理業務をフルリモートにする企業が増えています。しかし、経理は紙ベースの書類や領収書が多く、リモート環境での作業には不便さやリスクが伴います。
そこで、経理業務を効率化し、セキュリティやコンプライアンスも確保するためには、クラウドシステムの導入が欠かせません。クラウドシステムとは、インターネット上にあるサーバーにデータやソフトウェアを保存し、どこからでもアクセスできるシステムのことです。クラウドシステムを使えば、経理のデジタル化や自動化が進み、コストや時間の削減、エラーの防止、業務の品質向上などのメリットが得られます。しかし、クラウドシステムには、選び方や導入方法、運用方法によっては、デメリットや注意点もあります。
そこで今回は、経理をフルリモートにするメリットと注意点、クラウドシステムの導入方法を徹底解説します。これから経理業務のリモート化をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
経理業務のフルリモート化とは、経理の仕事をオフィスに出社せずに自宅や好きな場所で完結できるようにすることです。
リモートワークが進む背景には、以下のような要因があります。
フルリモート化することで、経理業務の効率化や生産性の向上、働き方の多様化や柔軟性の確保などのメリットが期待できます。
しかし、フルリモート化には課題もあります。 例えば、セキュリティの確保やコミュニケーションの取り方、経理業務のフローの見直しやルールの徹底などです。そこで、フルリモート化を実現するには、これらの課題を解決するための工夫や準備が必要です。
経理をフルリモートにするメリットには、主に以下の4つが挙げられます。
それぞれ解説します。
経理業務をフルリモート化することで、経理業務に関する紙の書類やハンコの手間が省け、データの入力や管理がスムーズになります。
また、クラウド会計システムや電子署名などのシステムを利用することで、経理業務の自動化や標準化が可能になり、ミスや遅延の減少や品質の向上が期待できます。
経理業務をフルリモート化することで、オフィスの家賃や設備のコストが削減できます。
また、経理部門のアウトソーシングを行うことで、人件費や教育費などのコストも削減可能です。
経理業務をフルリモート化することで、紙の書類やハンコの紛失や盗難のリスクが減ります。
また、クラウド会計ソフトや電子署名などのシステムを利用することで、データの暗号化やバックアップ、アクセス権限の管理などのセキュリティ対策が強化できます。
経理業務をフルリモート化することで、通勤時間や交通費が節約できるだけでなく、自宅や好きな場所で仕事ができるため、経理担当者のペースやライフスタイルに合わせた働き方を実現可能です。
これにより、仕事とプライベートのバランスや満足度が向上するでしょう。
経理をフルリモートにする際のデメリットと注意点には、主に以下の4つが挙げられます。
それぞれ解説します。
経理業務をデジタル化することは、リモートワークの前提条件ですが、それにはコストや時間がかかります。また、デジタル化したデータのセキュリティ対策やバックアップも必要です。
そのため、経理業務のデジタル化には、クラウド会計ソフトや電子署名などのシステムの導入や、紙の書類やハンコの廃止や電子化などの業務の見直しが必要です。
経理業務がフルリモートになると、経理スタッフ同士や他部署とのコミュニケーションが減ります。
これにより、業務の進捗や課題の共有が困難になったり、チームワークやモチベーションが低下したりする恐れがあります。
そこで、コミュニケーションを円滑にするためには、Web会議やチャットなどのツールを活用したり、定期的なミーティングやフィードバックを行ったりすることが大切です。
経理業務がフルリモートになると、経理監査の対応も難しくなります。
監査人がオフィスに来て書類や帳簿を確認することができないため、データの提供や説明が必要となります。また、監査人とのコミュニケーションもリモートで行わなければなりません。
そこで、監査の対応をスムーズにするためには、データの整理や管理、監査人との連絡や調整などを事前に行うことが重要です。
経理業務がフルリモートになると、経理業務のフローやルールがバラバラになる可能性があります。
例えば、経費の申請や精算の方法や期限、請求書や領収書の扱い方などが統一されていないと、業務の効率や品質が低下したり、ミスやトラブルが発生したりする恐れがあります。 そこで、経理ルールを統一するためには、リモートワークを実施する前にルールを明確にし、従業員や取引先に周知や徹底を行うことが必要です。
次に、経理業務のリモートワークに最適なクラウド会計システムの選び方や導入方法について解説します。
クラウドシステムとは、インターネット上で提供されるソフトウェアやサービスのことです。そして、クラウド会計システムとは、クラウド上で会計業務を行えるシステムのことを指します。
クラウド会計システムには、さまざまな特徴や機能を持った製品があります。その中から自社に合ったものを選ぶためには、以下の5つのポイントを考慮すると良いでしょう。
それぞれ解説します。
自社の規模や業種にあっているかは、利用できる機能やユーザー数、会計基準などに影響します。
例えば、個人事業主や小規模事業者向けのクラウド会計システムは、簡単な操作で確定申告や日々の経理業務ができるものが多いですが、機能やユーザー数に制限がある場合もあります。
一方、中規模以上の法人向けのクラウド会計システムは、給与計算や勤怠管理などのシステムと連携できたり、税務申告や決算報告書の作成ができたりするものが多いですが、操作や設定に経理の知識やスキルが必要な場合もあるでしょう。
また、業種によっては、特殊な会計基準や税制に対応できるクラウド会計システムを選ぶ必要があります。例えば、建設業や不動産業などは、進捗会計や固定資産管理などの機能が必要です。
このように、自社の規模や業種に応じて、必要な機能や性能を持ったクラウド会計システムを選ぶことが大切です。
既存のシステムやツールと連携できるかは、業務効率化やデータの一元管理に影響します。
クラウド会計システムは、経費精算や給与計算などのシステムと連携できることが多いのが特徴です。これにより、データの入力や管理の手間が省けたり、ミスや遅延の減少や品質の向上が期待できたりするでしょう。
また、クラウド会計システムは、銀行口座やクレジットカードなどの取引明細を自動取得したり、電子署名や電子申告などのサービスと連携できることもあります。これにより、紙の書類やハンコの手間が省けたり、セキュリティや法改正への対応が強化できたりします。 このように、既存のシステムやツールと連携できるクラウド会計システムを選ぶことで、業務効率化やデータの一元管理が可能です。
経理の知識やスキルがどの程度必要かは、操作性や品質に影響します。
クラウド会計システムは、自動仕訳や勘定科目の提案などの機能を持つものが多いです。これにより、経理の知識やスキルがなくても簡単に会計業務を進められるものがほとんどです。
しかし、クラウド会計システムによっては、操作や設定に経理の知識やスキルが必要なものもあります。例えば、中規模以上の法人向けのクラウド会計システムは、機能が多くカスタマイズ性にも秀でたものが多いですが、その分操作が複雑になる場合もあります。
また、自動仕訳や勘定科目の提案などの機能は、あくまで参考であり、最終的には人間の判断が必要です。このように、経理の知識やスキルがどの程度必要かによって、操作性や品質が変わることがあります。
そのため、自社の経理担当者のレベルやリソースに合わせて、使いやすいクラウド会計システムを選ぶことが重要です。
サポートやアップデートの体制が充実しているかは、安心感や信頼性に影響します。
クラウド会計システムは、インターネット環境に依存するため、動作やセキュリティにおけるリスクがあります。そのため、操作方法が不明な場合やシステム障害やトラブル発生時に、どのようなサポートが受けられるか事前に確認するのが大切です。
また、会計業務は期末や年度末など、時期によって業務量が異なります。そのため、繁忙期にすぐに対応してもらえるかが重要といえるでしょう。サポート窓口の対応時間や遠隔操作サポートの可否、電話やメールだけでなく来社して対応してもらえるかなども確認しておくことが大切です。
さらに、クラウド会計システムは、提供企業がシステムをアップデートしてくれるため、法改正や機能追加にもスムーズに対応できます。しかし、アップデートの頻度や内容によっては、操作や設定の変更が必要になる場合もあります。そのため、アップデートの通知や説明、研修などのサポートが充実しているかも確認すると良いでしょう。
このように、サポートやアップデートの体制が充実しているクラウド会計システムを選ぶことで、安心感や信頼性が高まります。
クラウド会計システムの費用は、サービスの種類や規模によって異なりますが、一般的には利用した分だけ支払う従量課金制が多く採用されています。これにより、初期費用や固定費用を抑えることができます。
しかし、利用量が増えると費用も増えるため、予算管理には注意が必要です。また、契約期間によっては解約や変更に制約がある場合もあります。そのため、自社のニーズに合わせたプランを選ぶことが重要です。
クラウド会計システムの導入プロセスは、一般的に以下のような流れとなります。
以下で、それぞれの工程を解説します。
まずは、自社の経理業務の現状や課題、目標や要望を明確にします。また、予算や期限、担当者や関係者などのリソースも把握しましょう。
これにより、クラウド会計システムの選定基準や導入計画を立てるための土台ができます。
前述のポイントをもとに、自社に合ったクラウド会計システムを選ぶために、市場に出回っている製品を比較します。
例えば、機能や性能、費用や契約期間、サポートやアップデートの体制などをチェックします。また、実際に製品のデモやトライアルを行ったり、提供企業や導入事例などの信頼性や評判を調べたりすることも有効です。
比較した製品の中から、最終的に自社に最適なクラウド会計システムを選択します。
その際には、提供企業との契約内容や条件を確認したり、導入に関する相談やサポートを受けたりすることが重要です。
選択したクラウド会計システムを自社の環境に合わせて設定します。
例えば、会社情報や勘定科目、税率などの基本設定や、既存のシステムやツールとの連携設定などを行います。また、データの移行やバックアップなどの準備も行いましょう。
クラウド会計システムの操作方法やルールをスタッフに教育します。
例えば、マニュアルや動画などの教材を用意したり、研修やワークショップなどの教育方法を採用したりします。また、質問や不明点に対するサポート体制も整えましょう。
クラウド会計システムを正式に稼働させます。
その際には、システムの動作やデータの正確性を確認したり、問題や改善点を洗い出したりすることが重要です。また、提供企業やサポート窓口との連絡や調整も行いましょう。
クラウドシステムの運用と管理については、以下の3つのポイントに注意すると良いでしょう。
それぞれ解説します。
クラウド会計システムは、提供企業がシステムをアップデートしてくれるため、法改正や機能追加にもスムーズに対応できます。しかし、アップデートの頻度や内容によっては、操作や設定の変更が必要になる場合もあります。
そのため、アップデートの通知や説明を確認したり、必要に応じてスタッフに教育やサポートを行ったりすることが大切です。
クラウド会計システムは、インターネット環境に依存するため、動作やセキュリティにおけるリスクがあります。そのため、システムの保守やトラブル対応には、提供企業やサポート窓口との連携が必要です。
例えば、システム障害や不具合が発生した場合は、速やかに報告や対処を行ったり、代替手段や回復策を検討したりします。また、セキュリティ対策として、パスワードの管理やアクセス権限の設定などを行ったり、データのバックアップや暗号化などを行ったりします。
クラウド会計システムの運用と管理を行う中で、システムの効果や効率、品質などを定期的に評価しましょう。
例えば、業務の進捗や成果、コストや時間、ミスやトラブルなどの指標を測定したり、スタッフや関係者のフィードバックや満足度を調査したりします。また、評価した結果をもとに、システムの改善や改良、カスタマイズなどを行ったり、提供企業やサポート窓口との交渉や相談などを行うことも重要です。
このように、経理業務のフルリモート化には、さまざまなメリットと注意点があります。そこで重要となるのが、自社に最適なクラウド会計システムを選んで導入することです。
クラウド会計システムには、中小企業向けのシステムから、大手企業向けのシステムまで、多種多様な製品が出回っています。
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