企業の経営者の方はもちろんのこと、経理や人事を担当する方にとっても、育児休業給付金の計算方法や支給期間、延長の条件は、従業員を支える上で欠かせない知識の一つです。
従業員が安心して育児休業を取得できる環境を整えることは、企業の社会的責任であり、また、従業員のモチベーション維持や定着率向上にもつながる重要な要素です。
そのため、これらの制度は複雑ですが、正確な理解と適切な運用が求められます。
そこで今回は、育児休業給付金育児休業給付金の計算方法や支給期間、延長の条件を徹底解説します。企業の人事や経理に携わる方は、ぜひ参考にしてください。
育児休業給付金とは、雇用保険に加入している労働者が1歳未満の子を養育する目的で育児休業を取得した際に受け取れる手当のことです。この給付金は、育児休業中の生活を支えるために、雇用保険から支払われるものです。
雇用保険に一定期間加入している加入者が対象です。
子の出生後8週間以内に合計4週間分を限度として育児休業を取得した場合、または原則1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した場合。
原則として、子が1歳になる日の前日まで。ただし、保育所における保育の実施が行われないなどの理由で、子が1歳6ヶ月または2歳になる日まで延長される場合があります。
育児休業給付金の申請は、企業が管轄のハローワークで行います。必要書類には、雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書や育児休業給付受給資格確認票などが含まれます。
育児休業給付金の支給額は、休業開始時賃金月額に支給日数(通常30日)を乗じた額の67%(育児休業開始から6ヶ月以降は50%)です。
労働者が保育園の申し込み手続きを忘れないように、企業から適切なタイミングでアナウンスすることが重要です。
このように、育児休業給付金は、労働者が育児に専念できるようにするための制度であり、企業にとっても従業員のワークライフバランスを支援する重要なツールの1つです。
育児休業給付金育児休業給付金の支給額は、育児休業を取得する直前の収入に基づいて計算されます。以下では、その具体的な計算手順を解説します。
まず、育児休業を取得する直前6ヶ月間の総支給額を180日で割り、休業開始時賃金の日額を求めます。
休業開始時賃金の日額=育児休業開始前6ヶ月間の総支給額÷180(日)
育休開始から最初の6ヶ月間は、休業開始時賃金の日額に支給日数(通常は30日)を乗じた額の67%が支給されます。なお、6ヶ月を超えた場合は50%となります。
支給額=休業開始時賃金の日額×支給日数×67%
支給額=休業開始時賃金の日額×支給日数×50%
育児休業給付金の支給額には上限と下限が設定されています。これは、休業開始時賃金月額に基づいて決定されます。
例えば、2022年8月1日時点での上限と下限は以下の通りです。
給付率67%の場合の支給上限額:310,143円 支給下限額:55,194円
給付率50%の場合の支給上限額:231,450円 支給下限額:41,190円
なお、支給下限額は育児休業期間を対象として事業主から賃金が支払われなかった場合の額となります。育児休業期間を対象として事業主から賃金が支払われた場合は、厚生労働省の資料などを参考に計算してください。
出典:厚生労働省 育児休業給付の内容と支給申請手続の資料より
育休開始前6ヶ月間に賞与(ボーナス)が支給されていた場合でも、休業開始時賃金の日額の計算には含まれません。
育児休業給付金は非課税であり、社会保険料(健康保険料+厚生年金保険料)は免除されます。
育児休業給付金は、子どもの養育のために取得する育児休業中に支給される給付金で、以下のような条件と期間に基づいています。
育児休業給付金は、子が1歳になる日の前日まで支給されます。
保育所における保育が行われないなどの理由で、子が1歳6ヶ月になる日の前日まで、または特別な事情がある場合は2歳になる日の前日まで延長されることがあります。
子の出生後8週間の期間内に合計4週間分を限度として取得した場合、出生時育児休業給付金が支給されます。
夫婦ともに育休を取得する場合、子が1歳2ヶ月になるまで支給されることがあります。
子の出生日から起算して8週間を経過する日の翌日から申請可能となり、その日から起算して2ヶ月を経過する日の属する月の末日までに申請する必要があります。
同一の子について2回に分割して育児休業を取得できますが、申請は1回にまとめて行います。
支給対象期間中、最大10日まで就業することが可能です。ただし、休業期間が28日間より短い場合は、その日数に比例して短くなります。
これらの基本的なガイドラインに従って、育児休業給付金の支給期間が決定されます。
次に、企業側で把握しておくべき育児休業の延長条件と企業の対応策について解説します。
子が1歳6ヶ月になる日まで、または特別な事情がある場合は2歳になる日まで延長可能です。
配偶者の死亡、疾病、離婚などの特別な事情がある場合に延長が認められます。
従業員からの申し出を受けた後、企業は育児休業給付金の申請手続きを行います。
企業は、育児休業給付金の申請と同時に、社会保険料免除の延長申請も行います。
育児休業取得前に業務の見直しを行い、効率化や軽量化を図ることが重要です。
助成金を活用して代替要員を確保することも一つの方法です。
無料の両立支援プランナーへの相談を活用し、適切な対応策を検討することができます。
これらの対応策は、従業員が育児休業を取得した際に、企業が円滑に業務を続けるために有効です。ただし、具体的な対応は企業の規模や業務内容、従業員の状況によって異なるため、個々のケースに応じた対策を講じることが重要です。
育児休業給付金育児休業給付金は、育児休業を取得している間、雇用保険の被保険者に支給されます。なお、支給を受けるためには、休業開始前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あること、または就業した時間数が80時間以上の月が12ヶ月以上あることが必要です。
育児休業給付金育児休業給付金は性別に関係なく受給できます。男性も女性も育児休業を取得すれば申請することが可能です。
育児休業給付金育児休業給付金は、育児休業を開始した日から、子が1歳になるまでの期間支給されます。ただし、一定の条件を満たす場合は、1歳6ヶ月まで、または2歳まで延長されるケースがあります。
育児休業給付金育児休業給付金の申請は、育児休業を取得している被保険者が行います。申請には、育児休業開始通知書や給付金支給申請書などの必要書類があります。詳細な手続きは、最寄りのハローワークで確認してください。
育児休業給付金の受給額は、休業開始前の賃金に基づいて計算されます。通常、休業開始前6ヶ月間の平均賃金の約50%~67%が支給されますが、具体的な金額は個々の状況によって異なります。
このように、育児休業給付金の計算には細かな支給率が設定されています。また、法改正によって支給率や支給条件が変更されることも多く、企業の人事や経理を担当する方が全てを管理するには負担が大きいといえるでしょう。
そこでおすすめなのが、クラウドシステムを導入して育児休業給付金を管理する方法です。育児休業給付金の計算にクラウドシステムをおすすめする理由は、以下のメリットがあるためです。
クラウドシステムは従業員の勤務実績を自動で集計し、育児休業給付金を計算します。これにより、手作業で行うよりも業務スピードが上がり、全体の業務効率が向上します。
特定の人材に依存せずに業務を行えるため、担当者が急に不在になった場合でも、他の人が容易に業務を引き継ぐことが可能です。
手作業で給与計算を行うと人的ミスが発生する可能性がありますが、クラウドシステムでは打刻データをもとに自動計算されるため、正確な給与を算出できます。
人的コストの削減につながります。また、オンライン環境下であればどこでもシステムにアクセスできるため、場所を問わずに作業が可能です。
クラウドシステムは、高いセキュリティでデータを保管し、ソフトのアップデートも自動で行われるため、法制度改正や保険料率の変更にも迅速に対応できます。
クラウドシステムは、給与計算だけでなく、賞与計算や年末調整、給与明細の作成など、育児休業給付金に関する業務を一元管理できます。また、企業の特徴に合わせてカスタマイズも可能です。
クラウドシステムは、勤怠管理システムなど、他のシステムとの連携が可能で、データの一貫性を保ちながら業務を効率化できます。
これらの理由から、育児休業給付金の計算にクラウドシステムを導入することは、業務の効率化、コスト削減、正確性の向上に大いに役立つと言えるでしょう。また、導入時や利用時のサポートが充実している信頼性の高いシステムを導入することで、自社に合わせたシステムの導入が可能です。
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