2024年1月から施行される改正電子帳簿保存法は、企業が経理帳簿や決算書などの会計資料を電子的に保存することを義務付けるもので、紙媒体での保存が原則として認められなくなります。もしこの法律に違反した場合には、最高で300万円の罰金が科せられる可能性があるため、企業の経理担当の方は十分に注意する必要があります。
しかし、電子帳簿保存法の内容や対象範囲は、多くの企業にとってまだ十分に理解されていないのが現状です。また、電子帳簿保存法の改正に適切に対応するためには、クラウド会計システムが欠かせません。
そこで今回は、電子帳簿保存法で義務化される対象や、企業における適切な対応策を解説
します。電子帳簿保存法に関する基本的な内容を理解して、法律を遵守するために、ぜひ参考にしてください。
電子帳簿保存法は、国税関係帳簿書類(経理帳簿や決算書などの会計資料)を電子的に保存することを義務付ける法律で、1998年に制定されました。
その後、電子帳簿保存法の改正が繰り返され、電子帳簿等保存制度の利用が容易になりました。そして、2024年1月からは電子取引(書面ではなくデータで取引情報をやり取りした場合)に関する保存義務が強化され、紙媒体での保存が原則として認められなくなります。
もしこの法律に違反した場合には、最高で300万円の罰金が科せられる可能性があるため、企業の経理担当者の方は、十分な注意が必要です。
また、この法律により、経理のデジタル化や効率化が進み、コスト削減やセキュリティ強化などのメリットが期待されます。
電子帳簿保存法の目的は、主に以下の3つが挙げられます。
電子的に帳簿書類を保存することで、紙媒体よりも検索や閲覧が容易となり、税務調査や申告の際に迅速に提出できます。また、電子的に保存された帳簿書類はデータの分析や活用が可能となるため、税務管理の効率化や正確化にも寄与します。
電子的に帳簿書類を保存することで、紙媒体で保存するよりも保管スペースや保管費用を大幅に削減できます。また、電子的に保存された帳簿書類は、災害や老朽化などによる損傷や紛失のリスクも低減できるのもメリットです。
電子的に帳簿書類を保存することで、紙媒体では困難なデータの統合や共有が可能となり、経理業務のスピード化や正確性の向上が可能です。また、電子的に保存された帳簿書類は、クラウドサービスやAIなどの最新技術との連携が容易となるため、経理業務のイノベーションや競争力強化にも寄与します。
電子帳簿保存法とは、税務関係の帳簿書類や取引関係書類について、電子データで保存することを定めた法律です。
2022年1月施行の税制改正により、電子データで取引したものに関しては、紙での保存が基本的に禁止されました。ただし、2023年12月31日までの間は、電子データで取引したものを出力書面で保存することが認められています。
2024年1月1日からは、電子データで取引したものを、電子帳簿等保存やスキャナ保存などの方法で一元的に管理することが義務付けられます。
主な電子取引に該当する取引とは、主に次のようなものです。
上記のような電子取引に関する帳簿データについて、2023年12月31日までの税務調査では、プリントアウトした紙媒体で提示することが可能です。
しかし、2024年1月以降は、電子データでの保存と提示が義務化されるため、注意が必要です。
また、電子帳簿保存法の具体的な要件としては、データの保全性や保存期間、保存形式などが定められており、帳簿保存のデジタル化の推進だけでなく、規則や罰則が強化されている点にも注意が必要です。
電子帳簿保存法は、国税関係帳簿、国税関係書類、電子取引の3種類の文書を対象としています。
具体的には、次のような文書があります。
なお、これらの文書は「最初から一貫してコンピュータを使用して作成するもの」と定められており「手書きで作成したもの」は電子データ保存が認められません。
また「手書きで作成した国税関係書類」や「取引先から紙で受領した国税関係書類」も電子データ保存が認められません。その場合は「スキャン後に画像データで保存する」か「書面で保存する」かのいずれかを選択しなければならないため、注意が必要です。
電子帳簿保存法では、帳簿の保存方法によって、次の3つの区分があります。
以下で、それぞれの区分ごとの帳簿の種類や特徴を解説します。
電子帳簿保存で保存できる書類には、次のようなものが挙げられます。
(決算関係書類)
(自己作成書類)
スキャナ保存とは、紙媒体の国税関係書類の書面をスキャナで読み取り、デジタルデータ化して保存することで、スキャナ以外にもスマートフォンやデジタルカメラなどで撮影した画像での保存も可能です。
スキャナ保存できる書類には、次のようなものがあります。
(取引先から受領した書類)
電子取引で保存できる書類には、次のようなものがあります。
電子帳簿保存法の対象となる事業者は、基本的に全ての事業者です。
全ての事業者とは、法人税を納める普通法人や公益法人等、所得税の納税義務がある個人事業主などを指します。これは、企業の規模や法人・個人事業主にかかわらず、すべての事業主が対象であることを示しています。
このように、改正電子帳簿保存法は事業を営むすべての法人や個人に関係するため、内容を十分把握して準備することが重要です。
電子帳簿保存法を遵守するためには、クラウド会計システムの導入が欠かせません。なぜなら、電子帳簿保存法に対応したクラウド会計システムを選んで導入することで、取引情報の保存要件を満たすことができるからです。
また、クラウド会計システムを導入することで、データのバックアップやセキュリティ対策をシステム提供者に任せられたり、複数のユーザーがさまざまな端末を使い、同時にデータへアクセスしたりすることも可能です。さらに、他のシステムとの連携が容易にできるため、企業内の業務効率の向上にも役立ちます。
クラウド会計システムを導入する際は、自社に必要な要件と、クラウド会計システムの機能を照らし合わせることが重要です。
必要な機能がサポートされていることが確認できたら、企業のビジョンや成長性に合致する機能の拡張にも対応できる柔軟性があるかも確認しておきましょう。
クラウド会計システムを導入する際は、自社事業の将来性を考え、今後どのような機能を追加する可能性があるかを検討してから採用することが重要です。
システム内の機能追加や拡張が必要となる場合は、柔軟性と拡張性が高いクラウド会計システムを導入するようにしましょう。
また、機能の種類がわからない場合には、信頼できるベンダーやシステム開発会社に相談するのがおすすめです。
クラウド会計システムを導入する際は、既存のシステムやアプリケーションとスムーズに連携できるかを確認することが重要です。
他のシステムやビジネスツールとの連携がスムーズにできれば、データの一元管理や業務の効率化を実現しやすくなり、業務の効率化が加速します。
クラウド会計システムを導入する際は、システムのセキュリティ対策やデータの保護についての詳しい調査が必要です。なぜなら、電子帳簿は企業の重要な機密情報でもあるため、強力なセキュリティ機能によるデータ保護が不可欠だからです。
そこで、クラウド会計システムを選ぶ際は、実績と信頼性の高い会計システムの導入が必須となります。
クラウド会計システムを導入する際は、導入前の説明やサポートだけでなく、導入後のサポート体制が重要です。
改正電子帳簿保存法では罰則規定が強化されているため、何らかの問題が生じた時でも迅速な対応ができるサポート体制が整っているかどうかを確認しましょう。
企業で新しいシステムやビジネスツールを導入する際は、信頼できる会社のシステムを選ぶことが大切です。そこで、すでに導入している企業のレビューや口コミを確認するのがおすすめです。レビューを確認する際は、同業他社や自社の企業規模に近い会社の事例を参考にすると良いでしょう。また、直接システム会社に連絡して、その場の対応で判断することも重要です。
このように、企業では、2024年1月に新たに施行される電子帳簿保存法に合わせた準備が必要です。上記のように、電子帳簿保存法には、厳しい罰則規定が設けられているため、信頼できる適切なクラウド会計システムを導入することが重要です。
また、クラウド会計システムの導入により、電子帳簿保存の遵守だけでなく、業務の効率化とコスト削減も可能です。
そこで、適切なクラウド会計システムを選択し、改正電子帳簿保存法の要件を満たすためにおすすめしたいのが、キヤノンITソリューションズの「SuperStream-NX」です。
「SuperStream-NX」は、クラウド会計システムとして多くの企業に選ばれています。
高度な機能と操作性を備え、コスト削減や保守・管理業務の負担軽減が可能です。さらに、高いセキュリティと可用性を提供し、ビジネスの成長に応じた柔軟な拡張性も魅力です。
AI-OCRを活用した業務の自動化と効率化も実現しており、手作業によるミスを減少させ、業務効率を大幅に向上させることが可能です。
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