コラム | キヤノンITソリューションズ

給与明細の作成方法と手順|必須の記載項目やよくある質問を徹底解説

作成者: スーパーストリーム|2023.07.06

給与明細は給料明細とも呼ばれ、従業員の給与を支払う際に、支払額や税金、社会保険控除の金額などを通知する重要な書類です。

給与明細に記載する項目や金額の計算方法について明確な規定があるため、正しい手順で正確に作成する必要があります。また、給与明細に関しては労働基準法と所得税法を遵守する必要があるため、企業はルールに則り給与明細を交付する義務が生じます。

もし、給与明細を発行しなかったり、虚偽の記載を行った場合には、厳しい罰則があるため注意が必要です。

そこで今回は、給与明細の作成方法と手順や、作成業務を効率化する必要性とメリットを解説します。給与明細の作成業務にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

給与明細が必要な理由と作成義務について

給与明細は、従業員に支払う報酬の内容を詳細に記したもので、会社が従業員に給与を支払う際に交付する重要な書類です。

そこで、まずは給与明細が必要な理由と、給与明細の作成義務について解説します。

給与明細が必要な理由

給与明細が必要な理由は2つあります。1つは、企業が従業員に支払う報酬を明確にして、間違いがないか確認するためです。そしてもう1つは、従業員が銀行ローンや医療控除などを利用する際に、受け取った給与明細によって自身の収入を証明できるからです。

このように、給与明細は報酬の詳しい内訳を説明するだけでなく、従業員の収入を証明する書類でもあるため、法律で決められた記載項目を網羅して明記する必要があります。

給与明細の作成義務

給与明細は、所得税法によって給与を支払う者が給与を受け取る者へ支払証明書として作成し、交付しなければならないと規定されています。つまり、企業にとっては、給与明細の作成と交付が「義務」であることを理解しておきましょう。

なお、給与明細の作成方法に関しては一般的な紙媒体の作成だけではなく、従業員同意のもとで給与システムなどを活用したデジタルデータでのWeb交付も可能です。

給与明細の作成方法は?手順と必要な項目

それでは次に、給与明細の作成方法についての作成手順と必要項目を網羅的に解説します。

給与明細の作成手順

給与明細の作成手順は、以下を参考にすると良いでしょう。

  1. 勤務時間の集計
  2. 残業代の集計と計算
  3. 各種手当や通勤費の計算
  4. 社会保険料の計算
  5. 課税対象額の計算
  6. 所得税の計算
  7. 住民税の計算
  8. 控除額の計算
  9. 支給額の計算
  10. 給与明細の作成と記載

それぞれを詳しく解説します。

勤務時間の集計

まずは個々の従業員の勤務時間を集計します。勤務時間の管理と集計は手作業による入力や計算ミスが多い項目であるため、できるだけ勤怠システムと給与システムを連携し、短時間で正確に集計できるように体制を整えましょう。

残業代の集計と計算

給与を計算する際は、残業代の計算も別途必要です。特に深夜の時間帯や休日出勤などで、残業代の基準額が変わるケースがあるため、法律に則り、正確に計算しましょう。

残業代は労働基準法によって規定されており、度々改正されています。そこで、クラウド管理システムにより、法改正に自動的に対処できるように準備するのがおすすめです。

各種手当や通勤費の計算

各種手当とは残業手当のほかにインセンティブ報酬や住宅手当、役職手当などがあります。このような手当や通勤費などは、従業員ごとにそれぞれ異なるため、手作業で管理すると時間やコストがかかるだけでなく、ミスも多くなりがちです。

そこでクラウド管理システムによって勤怠や人事、給与に関する各種情報を連携して管理するのがおすすめです。

また、上記の情報により、給与の総支給額が算出できます。

社会保険料の計算

給与額が算出できたら、次は社会保険料を計算します。社会保険料は、給与額や家族構成などで異なるため、個々に管理する必要があります。

こちらも、クラウド管理システムを導入することで、最新の算出基準で自動的に計算可能です。

課税対象額の計算

社会保険料が算出されると、次に課税支給額を求めることができます。課税支給額とは所得税の対象となる報酬金額のことで、基本給や各種手当の総額から社会保険料(非課税支給額)を差し引いたものです。

所得税の計算

上記の課税対象額が算出できたら、その年の「源泉徴収税額表」に合わせて源泉所得税を確認します。なお、源泉徴収額も扶養家族の有無などで変化するため、注意が必要です。

住民税の計算

住民税の税額は、各自治体から送付されてきた「住民税課税決定通知書」に記載されている金額に基づいて確認します。

控除額の計算

控除額とは、企業ごとに決めている退職積立金や福利厚生費、労働組合費などが該当します。社会保険料や税金以外の控除がないか確認しましょう。

支給額の計算

全ての報酬額や税金、控除額が算出できたら、実際に従業員に支払う「差引支給額」を計算します。従業員が多い会社では、非常に煩雑な作業であるため、ミスが多くなりがちです。

そこでクラウド給与システムを活用して早く正確な作業を実現し、業務を効率化するのがおすすめです。

給与明細の作成と記載

上記のデータが揃ったら、間違いのないように給与明細に金額を明記して、従業員に交付します。なお、システム管理を行うことで給与明細の作成を自動化できます。

給与明細に記載すべき項目

次に、給与明細に記載すべき項目を紹介します。記載項目は大きく分けて、以下の「勤怠」「支給」「控除」の3項目があります。

下記の項目から該当する数値や金額を全て記載しましょう。

項目分類

項目ごとの詳細

勤怠項目

就業日数・出勤日数・労働時間・欠勤日数・休日出勤日数・有休消化日数・平日普通残業時間・平日深夜残業時間・休日労働時間・遅刻早退時間・有給残日数

支給項目

基本給・役職手当・資格手当・住宅手当・家族手当・
通勤手当・残業手当・深夜勤務手当・法定休日手当

控除項目

健康保険・厚生年金保険・厚生年金基金・介護保険・
雇用保険・所得税・住民税・共済日

給与明細の作成業務を効率化する方法

上記のように、給与明細の作成業務には、まず従業員それぞれの勤怠情報から基本給や各種手当の金額を算出したり、税額を計算する必要があります。これらの金額を従業員それぞれに算出・計算するのは非常に手間のかかる作業であるため、ほとんどの企業でPCソフトなどを活用しているのが現状です。

しかし、近年は税法や労働基準法などの改正が多く、既存のPCソフトでも対応しきれないケースがあります。そこでおすすめなのが、クラウドシステムの導入です。

以下では、クラウドシステムで給与明細の作成業務を効率化する方法を解説します。

クラウドシステムで給与明細の作成業務を効率化できるのはなぜ?

クラウドシステムとは、会社のPCにソフトをダウンロードしてデータ管理する方法とは異なり、インターネット環境を活用してネットワーク上に存在するクラウドにアクセスしてデータ管理する方法です。

クラウドシステムを活用することで、ユーザーがスマホやPCからいつでもどこからでもアクセスできるため、給与管理のテレワークを可能にします。

クラウドシステムには、職種ごとにさまざまな種類があります。例えば給与管理できるクラウドシステムを利用すれば、連携した人事管理システムのデータから自動で給与額を計算したり、給与明細を自動作成したりすることも可能です。

また、給与明細をデジタル交付する場合は、各従業員へメールなどで自動的に個別配信することもできます。

クラウドシステムを導入することで、入力ミスや計算ミスを防ぐことができるだけでなく、変更されることの多い税法や労働基準法などへの対応も自動化できます。

これにより、経理などを担当する人材の負担を軽減できるため、コア業務への人材集中や人件費などのコスト削減も可能です。

このように、クラウドシステムを活用することで、企業にも従業員にもメリットがあります。そして、このようなバックオフィス業務の効率化は企業のコア業務の強化にも繋がるため、市場における競争力や企業価値の向上にも役立つでしょう。

そこで、もし給与計算や明細作成、人事労務管理や経理などの効率化をお考えの方は、お気軽にスーパーストリームにお問い合わせください。貴社に最適なソリューションを提供いたします。

給与明細の作成でよくある質問【Q&A】

それでは最後に、給与明細の作成でよくある質問をQ&A方式で紹介します。

給与明細はスマホでも作成可能?

クラウドシステムを活用することで、給与明細をスマホで作成することも可能です。

ただし、給与明細は企業や従業員にとっても重要な内容であり、機密事項の1つでもあります。そのため、フリーWi-Fiなどが使える公共の場所などからクラウドシステムにアクセスすることはおすすめできません。

また、従業員数やデータ量によってはスマホで上手く作業できない可能性もあるため、できるだけ安全な通信環境下でPCを使って作業するのがおすすめです。

給与明細の作成代行の依頼はおすすめ?

給与明細の作成は、専門の代行業者に依頼することも可能です。

ただし、1人あたりのコストが高くなりやすいことや、他の経理や人事管理業務の効率化に繋がりにくいことなどから、積極的にはおすすめできません。

給与明細の作成業務は、クラウド型の給与管理システムを導入することで自動化でき、その他の必要となる書類やデータの整理や保管も自動的に処理できます。結果として、作成代行に依頼するよりクラウドシステムを導入した方が、中長期的には安く工数も削減できるでしょう。

このような理由から、もし給与明細の代行依頼をお考えの場合は、まずスーパストリームにご相談ください。作成代行も含め、貴社に最適な給与明細の作成方法を提案いたします。

給与明細の作成はエクセルで簡単にできる?

給与明細の作成は、エクセルなどでフォーマットを作成すれば、比較的簡単に作成可能です。

ただし、税法や労働基準法などの法律改正があった場合には、その都度計算式を項目ごとに修正する必要があります。また、セキュリティ上の問題や人的ミスが起きやすいといったデメリットもあります。

そのため、人事や給与データを一元管理できるクラウドシステムの導入がおすすめです。

給与明細の作り方のまとめ

上記のように、給与明細は非常に重要な書類です。しかし、その作成や管理には大きな手間とコストがかかります。

そこでおすすめしたいのが、キヤノンITソリューションズの「SuperStream-NX」です。

SuperStream-NX人事給与ソリューションは、スキル情報をもとに従業員の今の姿(As Is)とあるべき姿(To Be)を明らかにするだけでなく、セルフサービス化によって従業員を人事業務へ参加させ、自立型社員の育成が可能な仕組みを提供します。

これらの理由から、「SuperStream-NX」は非常に優れた選択肢となります。

まずはオンラインでお気軽に資料請求してみてください。

また、自社に必要なシステムの種類や選び方がわからない場合は、いつでもキヤノンITソリューションズにご相談ください。貴社に適したソリューションを提供いたします。

国内1万社以上が導入する「SuperStream-NX」。下記の動画では、タレントマネジメントの強化、人事データの一元管理、法改正対応の3つのポイントを解説しています。ぜひご視聴ください。