コラム | キヤノンITソリューションズ

ERPを導入するメリットとは?目的や選び方、デメリットまで徹底解説 

作成者: スーパーストリーム|2025.01.16

ERPは、最新のシステムで業務プロセスを効率化し、競争力を高めるための有用なツールです。

本記事ではERP導入のメリット、導入目的、選び方からデメリットまでを徹底解説いたしますので、ぜひ参考にしてください。

ERPとは?主な機能と特徴も解説

ERP(Enterprise Resource Planning)は、企業資源計画の略で、企業の全体的な経営資源(人材、資金、設備、情報など)を統合的に管理し、効率的に運用するためのシステムです。

ERPの主な機能と特徴

以下にERPの主な機能と特徴を解説します。

機能

特徴

会計管理

財務会計、管理会計、資金管理など、企業の財務データを統合管理します。

販売管理

受注管理、販売計画、売上分析など、販売プロセスを効率化します。

購買管理

発注管理、仕入管理、購買計画など、購買プロセスを統合管理します。

在庫管理

在庫の最適化、在庫回転率の向上、リアルタイム在庫情報の提供などを実現します。

生産管理

生産計画、製造実績、品質管理など、生産プロセス全体を管理します。

人事管理

人材採用、給与計算、勤怠管理、能力開発など、従業員の情報を一元管理します。

プロジェクト管理

プロジェクトの計画、進捗管理、コスト管理、リソース配分を効率化します。

顧客関係管理

顧客データの統合、マーケティング活動の管理、顧客満足度向上を目指します。

サプライチェーン管理

供給網全体の最適化、需要予測、供給調整を行い、効率的な流通を実現します。

報告・分析

統合されたデータを基に、経営陣向けの報告書作成やデータ分析を行い、意思決定をサポートします。

※国産ERPパッケージシステム「SuperStream-NX」の特徴はこちらからご参照いただけます。ぜひご一読ください。

関連記事:ERPの基本を確認!導入メリットや基幹システムとの違いを徹底解説

ERPの導入がおすすめな業種

ERPは、多くの業種で広く活用されています。以下に、代表的な業種とその特徴について詳しく説明します。

製造業

ERPは、生産計画、在庫管理、品質管理などの製造プロセス全体を統合管理できるツールです。

原材料の調達から製品の出荷まで、リアルタイムでデータを共有し、効率的な生産管理を実現します。

また、製品のトレーサビリティやコスト管理にも役立ちます。

小売業

小売業では、在庫管理、販売管理、顧客管理を一元化します。

ERPによるリアルタイムな在庫情報により、適正在庫を保ちながら、顧客の需要に迅速に対応することが可能です。

さらに、販売データの分析を通じて、マーケティング戦略や商品構成の最適化を図ります。

サービス業

サービス業では、プロジェクト管理、リソース管理、人事管理を効率化できます。

プロジェクトの進捗状況やコストをリアルタイムで把握し、リソースを適切に配分することが可能です。

また、従業員の勤務状況や能力開発の管理も統合して行います。

医療業界

医療業界では、患者情報の管理、診療報酬の請求、在庫管理を統合管理できます。

患者の診療履歴や治療計画を一元管理し、医療サービスの質を向上させます。

また、医療機器や薬品の在庫管理を通じて、無駄を削減したコスト管理が可能です。

建設業

建設業では、プロジェクトの予算管理、進捗管理、資材調達を一元管理できます。

建設プロジェクトの進行状況やコストをリアルタイムで追跡し、適切な資材調達とリソースの配分が可能です。

また、工事の進捗に合わせた支払い管理を効率化します。

IT業界

IT業界では、ソフトウェア開発のプロジェクト管理、リソース配分、顧客サポートを統合管理できます。

開発プロジェクトの進行状況やリソースの使用状況をリアルタイムで把握することで、効率的なプロジェクト運営を実現可能です。

また、顧客サポートチームの対応状況やフィードバック管理も行います。

上記のように、各業種にERPシステムを導入することで、業務プロセスの効率化、コスト削減、情報の一元管理など、多くのメリットを享受することができるでしょう。

※SuperStream-NXのさまざまな企業の導入事例についてはこちらをご参照ください。

ERPを導入するメリット7つ

ERPを導入する主なメリットとして、次の7つが挙げられます。

  1. DX推進による業務効率の向上
  2. 競争力の強化
  3. 迅速な意思決定の実現
  4. 部門間の連携強化
  5. コストの削減
  6. 顧客満足度の向上
  7. 企業の成長に合わせた機能の拡張

それぞれ解説します。

1.DX推進による業務効率の向上

ERPシステムは、複数の業務プロセスを統合し、データの一元管理を実現します。このようなDXの推進により、情報の重複や入力ミスが減少し、業務効率が大幅に向上するでしょう。

また、自動化されたプロセスによって時間とコストの両方が節約されることで、社内全体的な業務効率も向上するのが大きなメリットです。

2.競争力の強化

ERPは企業全体のデータを統合し、リアルタイムでの情報提供を可能にします。これにより、市場の変化に迅速に対応でき、企業の競争力が強化されるでしょう。

また、業務の可視化と分析が容易になるため、戦略的な意思決定が可能になり、ビジネスの成長を支援します。

3.迅速な意思決定の実現

リアルタイムでのデータ更新と情報共有により、経営陣が最新の情報を基に迅速かつ正確な意思決定を行うことができます。

また、データの透明性が向上し、部門間の連携が強化されるため、企業全体で一貫性のある意思決定が可能です。

4.部門間の連携強化

ERPシステムは、企業全体のデータを一元化することで、部門間のコミュニケーションと連携が強化されます。これにより、情報の共有がスムーズになり、業務プロセスの効率化が図られるでしょう。

また、部門間のデータの整合性が向上するため、全体的な業務の質も向上します。

5.コストの削減

ERPシステムの導入により、在庫管理や購買プロセスの効率化が進み、無駄なコストが削減されます。また、業務プロセスの自動化により、労働コストの削減にも期待できます。

このように、社内リソースの配分を最適化することで、全体的なコストの削減が可能です。

6.顧客満足度の向上

ERPで顧客情報を一元管理することで、顧客ニーズに迅速かつ的確に対応できるようになります。これにより、顧客満足度が向上し、顧客との関係が強化されます。

ERPは、マーケティング活動の効率化にも寄与するため、より良い顧客体験の提供が可能です。

7.企業の成長に合わせた機能の拡張

ERPシステムは、企業の成長や変化に柔軟に対応できるよう設計されています。新しい機能を簡単に追加できるため、企業の変化に対して、柔軟な対応が可能です。

また、クラウドベースのERPは、特にスケーラビリティ(拡張性)に優れています。

ERPを導入する目的とは?導入すべき企業の特徴も解説

ERPを導入する目的は、主に次のようなものが挙げられます。

導入目的

詳細

業務プロセスの統合と効率化

複数の業務プロセスを一元管理し、データの一貫性と業務の効率化を図ります。これにより、重複作業や入力ミスが減少し、全体的な業務効率が向上します。

リアルタイム情報の提供

ERPシステムは、リアルタイムでのデータ更新と情報共有を可能にします。これにより、経営陣が最新の情報を基に迅速かつ正確な意思決定を行うことができます。

コスト管理の強化

在庫管理や購買プロセスの効率化を通じて、無駄なコストを削減します。適切な在庫レベルの維持や最適な購買計画の立案により、資源の有効活用が可能となります。

顧客満足度の向上

ERPは、顧客情報の一元管理を実現し、顧客のニーズに迅速かつ的確に対応できるようにします。これにより、顧客満足度が向上し、顧客との関係が強化されます。

リソース管理の最適化

人材や設備、資金などのリソースを最適に配分し、効率的に運用します。これにより、リソースの過不足を防ぎ、企業全体のパフォーマンスを向上させます。

法令遵守の強化

最新の法令や規制に対応し、企業のコンプライアンスを支援します。財務報告や税務申告、労務管理など、法令遵守に必要な機能を備えています。

競争力の強化

内部プロセスの効率化と迅速な意思決定により、市場の変化に柔軟に対応できるため、競争力が強化されます。新たなビジネスチャンスの発掘や持続可能な成長を支援します。

ERPを導入すべき企業の特徴

ERPの導入は、以下のような特徴のある企業に推奨されます。

1.複数の業務プロセスを持つ企業

製造業、販売業、サービス業など、複数の業務プロセスを持つ企業は、ERPの統合管理機能を活用することで効率化を図れます。

2.データの一貫性とリアルタイム性が求められる企業

経営判断の迅速化やデータの透明性が重要な企業には、リアルタイムで情報が更新されるERPが適しています。

3.コスト管理を強化したい企業

在庫や購買のコスト管理を強化したい企業にとって、ERPの導入は無駄なコストを削減し、効率的な資源管理が可能です。

4.顧客サービスを向上させたい企業

顧客情報を一元管理し、迅速に対応したい企業には、ERPが顧客満足度を向上させるための有力なツールとなります。

5.成長中または変革期にある企業

成長中の企業や、業務プロセスの変革を図る企業にとって、柔軟に拡張可能なERPは、今後のビジネスニーズに対応するために重要です。

ERPを選ぶ際のポイント7つ

ERPを選ぶ際は、以下の7つのポイントに留意することが重要です。

  1. 業務要件の適合性
  2. コスト
  3. スケーラビリティ
  4. ユーザビリティ
  5. セキュリティ
  6. サポート体制
  7. ベンダーの信頼性

それぞれ解説します。

1.業務要件の適合性

まずは、選定するERPシステムが、自社の業務プロセスや運用フローに適合するかを確認しましょう。具体的な業務要件をリストアップし、それらがシステムでどの程度カバーされるかを評価します。

このステップで、実際の業務にどれだけ適応できるかが重要です。

2.コスト

コストの確認は、初期導入費用だけでなく、運用コストやメンテナンス費用も考慮することが重要です。総合的に費用対効果を評価し、予算に見合ったシステムを選ぶ必要があります。

また、コスト削減のために、クラウド型とオンプレミス型の違いも検討しましょう。

関連記事:クラウドERPとは?種類と特徴、オンプレミス型との違いや選び方を解説

3.スケーラビリティ

ERPを導入する際は、今後の企業の成長や業務の拡大に対応できるかを確認しましょう。

スケーラビリティの高いシステムを選ぶことで、将来的な拡張や機能追加が容易になり、長期的な投資価値を高めることが可能です。

4.ユーザビリティ

ERPの導入では、システムの使いやすさも重要な要素です。直感的な操作が可能で、利用者が簡単にシステムを習得できるかを確認しましょう。

ユーザーインターフェースがシンプルであることや、顧客サポートが充実していることも評価ポイントです。

5.セキュリティ

データの保護とプライバシーの確保は非常に重要です。強固なセキュリティ対策が施されているか、データ暗号化やアクセス制御が適切に行われているかを確認します。

また、セキュリティ監査の実施状況も評価する必要があるため、導入する前にベンダーに確認しましょう。

6.サポート体制

ERPを導入した後のサポート体制が充実しているかを確認しましょう。トレーニングプログラムの充実度、カスタマーサポートの対応時間や対応品質、アップデートやメンテナンスの提供状況などを評価することが大切です。

充実したサポート体制を整えているベンダーを選ぶことは、長期間使用するERPを導入する際の大きなポイントです。

7.ベンダーの信頼性

ERPを導入する際は、システム提供者の実績や信頼性を確認することが重要です。導入実績、ユーザーレビュー、業界での評価などを通じて、信頼できるベンダーを選びましょう。

ベンダーを選ぶ際は、長期的なパートナーシップを視野に入れた評価を行うことが大切です。

関連記事:ERPの導入事例と失敗しない選び方|種類やタイプ別のメリットとデメリットを解説

ERPを導入するデメリットとは?

ERPを導入する際には、以下のようなデメリットが考えられるため、しっかりとした対策が重要です。そこで、以下を参考にして、貴社のERP選びにお役立てください。

デメリット

具体例

対策

高額な導入費用

ERPシステムの初期投資が中小企業にとって大きな負担になる。

詳細な費用見積もりとコストベネフィット分析を実施。クラウドベースERPで初期投資を抑制。

データ移行が困難

既存システムからのデータ移行が時間と手間を要し、不整合データが業務に支障をきたす可能性。

データ移行計画を詳細に立て、移行前にデータクレンジングを実施。段階的移行とテストを通じて整合性を確保。

従業員の抵抗

従業員が新しいシステムの操作に不安を感じ、業務プロセスの変更に抵抗を示す。

導入前に従業員へのトレーニングを徹底してシステムの利点を理解させ、継続的なサポートを提供します。SuperStreamでは、デモ画面を共有したトレーニングも実施しています。

カスタマイズの限界

パッケージ型ERPでは特定のカスタマイズが難しく、一部業務プロセスに適応しない場合がある。

カスタマイズ要件を明確にし、必要なカスタマイズが可能かを事前に確認。標準機能で対応可能な範囲を広げる。また、SuperStreamの強みである、他のシステムと連携することで、ERPを構築することも可能です

長期間の導入プロセス

ERP導入には数ヶ月から1年以上かかり、業務の中断や変更が頻発することがある。

導入プロジェクトの詳細な計画と段階的な導入・テストを実施。プロジェクトマネジメントを強化しスケジュールを厳守。

業種別のERPの導入ポイント

以下では、業種別のERPの導入ポイントを紹介します。

製造業

製造業でのERP導入ポイントは、生産計画と在庫管理の統合です。リアルタイムでの在庫情報の更新と生産スケジュールの調整が可能となり、生産効率の向上とコスト削減が実現します。

また、品質管理やトレーサビリティも強化されるため、製品の信頼性が向上します。従業員のトレーニングとシステムの段階的導入が重要です。

関連記事:製造業にERPを導入するメリットとは?主な機能や活用事例を解説 

小売業

小売業では、在庫管理と顧客関係管理(CRM)の統合がポイントです。リアルタイムで在庫情報を管理し、販売データを分析することで、適正在庫の維持と売上の最大化が図れます。

さらに、顧客データを一元管理することで、パーソナライズされたマーケティングが可能となり、顧客満足度が向上します。

関連記事:小売業にERPを導入するメリットとは?必要な機能と活用法を徹底解説

医療

医療業界のERP導入では、患者情報の一元管理と診療プロセスの効率化がポイントです。電子カルテや診療報酬請求システムを統合することで、情報の共有と業務の効率化が実現します。

また、在庫管理を通じて医薬品や医療機器の最適な供給が可能となり、医療サービスの質が向上します。患者データのセキュリティ対策も重要です。

関連記事:医療機器メーカーでERPが重要な理由と導入メリット、必要な機能を解説

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