コラム | キヤノンITソリューションズ

オンボーディング支援制度の目的とメリット、導入方法や注意点を解説

作成者: スーパーストリーム|2024.07.04

オンボーディング(On-Boarding)とは、新入社員や中途採用社員などの新しく組織に加わった社員の早期離職を防ぎながら、企業にとって有用な人材に育成する施策のことを指します。新入社員が会社に迅速かつ効果的に適応するためには、適切なオンボーディングが不可欠と言えるでしょう。

適切なオンボーディングプログラムの実施は、従業員の早期離職を防ぎ、生産性を高めます。また、新しい環境における社員の不安を和らげ、チーム内のコミュニケーションと協力の促進にも寄与する重要な施策です。

そこで今回は、オンボーディング支援制度の目的とメリット、導入方法や注意点を解説します。効果的な人材育成の施策を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

オンボーディング支援制度とは?従来の研修との違いや目的も解説

オンボーディング支援制度は、新入社員や中途採用者を組織へ円滑に定着させ、生産性を向上させる重要なプロセスです。このプログラムは、入社後も含めた継続的な人材育成であり、新人研修とは異なります。

オンボーディング支援と従来の新人研修との違い

以下では、オンボーディング支援と従来の新人研修の主な違いを比較して解説します。

項目

オンボーディング支援

従来の新人研修

目的

組織への適応、早期戦力化、長期的な活躍支援

基本スキルや知識の短期的な習得

対象者

新卒社員、中途社員、エグゼクティブ人材

主に新卒社員

期間

数ヶ月から1年以上の中長期的な取り組み

数日から数週間の短期集中型

内容

企業文化理解、チームビルディング、個別サポート

ビジネスマナー、業務知識、会社紹介など

実施方法

全社的なサポート体制、1on1、メンター制度

集団指導形式、講義やワークショップ

焦点

「会社での居場所をどう確立するか」

「何を知るべきか」という知識習得

範囲

広範で総合的なプロセス

初期教育に焦点

上記のように、オンボーディング支援は新入社員の組織への適応と長期的な成功を重視する包括的なアプローチであり、従来の新人研修よりも広範囲かつ継続的なサポートを提供するのが特徴です。

オンボーディング支援制度の主な目的3つ

オンボーディング支援制度の主な目的には、以下の3つが挙げられます。

1.スムーズな組織適応を促すこと

新入社員や中途採用者が組織文化や業務プロセスを理解し、スムーズに業務に取り組めるようにすることが目的です。

そこで、適切な情報提供やトレーニングを通じて、早期に組織に適応できる環境を整えることが重要です。

2.定着を促進する(早期離職を防ぐ)こと

オンボーディングは、早期離職を防ぐために重要です。新入社員が仕事に満足し、組織に長期間留まることを目指します。

そこで、適切なサポートやコミュニケーションを通じて、定着率を向上させましょう。

3.生産性を向上させること

オンボーディングは、新入社員のスキルや知識を向上させ、生産性を高めることを目指します。

そこで、適切なトレーニングや指導を提供し、新人社員が早期に業務に貢献できる環境を整えましょう。

 

これらの目的を達成するためには、情報提供やトレーニング、コミュニケーションの強化といった多角的なアプローチが必要です。

関連記事:人材マネジメントとは?効果的な人材育成プロセスや人材システムを解説

 

「労働力不足の深刻化」「若年層社員が突然退職する傾向の増加」などから、新入社員に向けた効果的なオンボーディングが重要視されています。下記の資料では、効果的なオンボーディングの実践方法について、事例を交えながら解説しています。無料でダウンロードできますので、ぜひ参考にしてください。

オンボーディング支援制度を実施するメリット5つ

次に、オンボーディング支援制度を実施する主なメリット5つについて解説します。

  1. 新入社員の成長スピードが上がる
  2. 離職の防止につながる
  3. 部署による教育格差を防ぐ
  4. 従業員満足度が向上する
  5. 企業の評価やブランド価値が向上する

それぞれ解説します。

1.新入社員の成長スピードが上がる

新入社員は、オンボーディングプログラムを通じて、会社の文化、業務プロセス、チームメンバーとの関係構築などを迅速に学ぶことが可能です。

これにより、彼らはより早く自信を持って業務を遂行できるようになり、生産性の向上につながります。

2.離職の防止につながる

オンボーディングは、新入社員が期待する職場環境と、実際の職場環境とのギャップを埋めるのに役立ちます。

適切な期待値の設定とサポートを行うことで、新入社員が満足し、長期間にわたって会社に留まる可能性が高まるでしょう。

3.部署による教育格差を防ぐ

組織全体で統一されたオンボーディングプログラムを実施することで、部署間の教育格差を防ぐことが可能です。

これにより、全ての新入社員が同じ基準で知識とスキルを身につけることができ、公平なスタートを切ることができます。

4.従業員満足度が向上する

オンボーディングプロセス中に建設的なフィードバックとサポートを提供することで、新入社員は自分が価値ある一員であると感じ、職場に対する満足度が高まります。

これは、従業員のモチベーションと忠誠心を高める効果のある重要な要素です。

5.企業の評価やブランド価値が向上する

効果的なオンボーディングは、社外に対してもポジティブな影響を与えます。

新入社員が良い経験を共有することで、企業の外的な評価が向上し、優秀な人材の獲得にもつながるでしょう。また、社内での成功体験は、企業のブランド価値を高めることにも寄与します。

このように、オンボーディングは単なる初期研修ではなく、組織の持続可能な成長と発展に不可欠な要素です。また、適切なオンボーディングプログラムの導入は、企業の将来にとって重要な投資と言えるでしょう。

 

下記の資料では、現代の人事業務に求められる「戦略人事」を詳しく解説。戦略人事を実現するための2ステップと、ステップ毎に障壁となる人事部門の「7つ」の課題と対応策を分かりやすく解説しています。無料でダウンロードできますので、ぜひ参考にしてください。

オンボーディング支援制度の具体的な内容

オンボーディング支援には、以下の4つの内容が含まれます。

1.教育プログラムの設計

新入社員に必要な知識やスキルを網羅した教育プログラムを作成します。これには、業務プロセス、企業文化、コミュニケーションスキル、ツールの使い方などが含まれます。

2.社内ツアーと紹介

新入社員にオフィス内を案内し、同僚や上司との自己紹介を行います。これは、組織の構造や人間関係を理解するために重要です。

3.メンタリングやトレーニング

メンターを割り当てて、新入社員の質問に答えたり、仕事の進め方を指導したりします。また、OJT(On-the-Job Training)を通じて実務スキルを磨きます。

4.目標設定とフィードバック

新入社員と上司が目標を共有し、定期的に進捗を確認します。フィードバックを通じて成長を促進します。

オンボーディング支援制度の導入方法5ステップ

オンボーディング支援制度の導入は、次の5つのステップを踏むのが効果的です。

1.関係者と対象者を整理する

オンボーディングプロセスには多くの関係者が関わります。そこで、まずは人事部門や直属の上司、メンター、チームメンバーなど、新入社員のサポートに関わる全員を特定しましょう。また、オンボーディングの対象者が誰であるかを明確にし、それぞれのニーズに合わせたプログラムを計画することが重要です。

2.オンボーディングのゴールを設定する

次に、新入社員が達成すべき具体的な目標を設定しましょう。これには、必要なスキルや知識の習得、組織文化への適応、業務上の成果の達成などが含まれます。

なお、目標はSMART(具体的、測定可能、達成可能、関連性があり、時間的に限定されている)であることが望ましいです。

3.具体的な計画を立案する

オンボーディングの目標を達成するための詳細な計画を立案します。これには、トレーニングスケジュール、必要なリソースの準備、メンタリングの体制構築などが含まれます。

計画には柔軟性を持たせ、個々の新入社員の進捗に合わせて調整可能であることが重要です。

4.オンボーディングを実施する

計画に基づいてオンボーディングプログラムを実施します。新入社員が業務に必要なスキルを習得し、組織の一員としての自信を持てるように、サポートを提供しましょう。

この段階では、新入社員が積極的に参加し、質問やフィードバックを行える環境を整えることが大切です。

5.フィードバックと見直しを行う

オンボーディングプロセスの終了後、新入社員と関係者からフィードバックを収集します。プログラムの効果を評価し、必要に応じて改善点を見つけて修正しましょう。

継続的な改善により、オンボーディングプログラムの質を高めることが可能です。

関連記事:人事データの活用に人事管理システムを導入するメリットと目的を解説

オンボーディング支援を実施する際の注意点5つ

オンボーディング支援の取り組みを成功させるためには、以下のポイントに注意して実施することが重要です。

  1. 明確な目標を設定すること
  2. 上長や先輩の関与が不可欠であること
  3. 個々の新入社員のニーズに合わせた対応を行うこと
  4. フォローアップの期間を十分に確保すること
  5. 組織全体で取り組むこと

それぞれ解説します。

1.明確な目標を設定すること

まずは、オンボーディングプロセスの目的を明確にすることが重要です。

そこで、新入社員がどのようなスキルや知識を身につけ、どのような業務に取り組むことを目指すのかを定義しましょう。

目標を明確にすることで、効果的なオンボーディングが可能となります。

2.上長や先輩の関与が不可欠であること

新入社員は、上司や先輩とのコミュニケーションを通じて組織文化や業務のルールを理解します。そのため、上司や先輩のサポートは、円滑なオンボーディングの実現に不可欠です。

3.個々の新入社員のニーズに合わせた対応を行うこと

一人ひとりの新入社員に合わせてオンボーディングプランをカスタマイズすることが大切です。個々のスキルレベルや経験に応じて、必要なトレーニングや教育を提供しましょう。

4.フォローアップの期間を十分に確保すること

オンボーディングは短期的なプロセスではありません。

新入社員が組織に適応し、業務に慣れるまでの期間を考慮し、フォローアップを行いましょう。

そこで、定期的な面談やフィードバックを通じたサポートの継続が求められます。

5.組織全体で取り組むこと

オンボーディングは組織全体で取り組むべき課題です。

人事部門、上司、同僚、先輩などが連携して新入社員をサポートしましょう。

これらを組織文化の一環として位置づけることで、企業の持続的な成功の確率が高まります。

 

下記の資料では、累計10,345社以上が導入している「経理部・人事部ファースト」の思想に基づいて開発された、圧倒的な使いやすさを実現している「SuperStream-NX Cloud」について解説しています。無料でダウンロードできますので、ぜひ参考にしてください。

オンボーディング支援制度の運用に必要な人的資源と物的資源

オンボーディング支援制度を運用する際には、人的資源と物的資源の両方が欠かせません。以下にそれぞれの資源について解説します。

オンボーディング支援制度の運用に必要な人的資源2つ

オンボーディング支援制度の運用に必要な人的資源とは、次のような人物を指します。

1.メンターやトレーナー

メンターとは、新入社員に対して個別指導やアドバイスを提供する重要な役割を担う人物です。メンターには、豊富な経験と、組織文化や業務プロセスに精通していることが求められます。

メンターは、新入社員の不安や疑問に対応し、スムーズな組織適応をサポートします。

一方、トレーナーとは、新入社員に必要なスキルや知識を教育する役割を果たす人物です。トレーナーは、研修プログラムを設計し、新入社員に対して業務に必要となるスキルを効果的に伝えるのが仕事です。

2.上司や同僚

上司は新入社員の指導者であり、業務遂行のサポート役です。

上司は目標設定やフィードバックを提供することで、新入社員の成長を促進します。

一方、同僚は、日常的なコミュニケーションを通じて新入社員との良好な関係を構築します。そして、組織文化や社内のネットワークを紹介し、新入社員が仕事に適応しやすくなるようにサポートする重要な人物です。

オンボーディング支援制度の運用に必要な物的資源3つ

以下に、オンボーディングプロセスを効果的に実施するために必要な3つの物的資源について解説します。

1.教材やマニュアル

新入社員に業務に関する知識やスキルを提供するために、教材やマニュアルが必要です。これには印刷物やデジタルファイル、オンライン学習プラットフォームなどが含まれます。

2.スペースと設備

オンボーディングプログラムを実施するためには、適切なスペースと設備が必要です。これには会議室、トレーニングルーム、PC作業スペース、休憩室などが含まれます。

3.ITリソース

オンボーディングプロセスには、ITツールやデジタル人材などのITリソースが欠かせません。これには新入社員のアカウント設定、アクセス権限の付与、社内ツールの導入などが含まれます。

具体的な物的資源としては、コンピューター、ネットワーク、ソフトウェア、セキュリティ対策などが必要です。

関連記事:人事の課題を解決できる人事管理システムとは?選び方とメリットを解説

 

下記の資料では、累計10,345社以上が導入し、高度な技術力で快適な操作性を提供している経営基盤ソリューション(財務会計|人事給与)SuperStream-NXの製品資料を無料でダウンロードできます。ぜひご参照ください。

オンボーディング支援制度の運用にはキヤノンITソリューションズの人事給与システムがおすすめ

キヤノンITソリューションズの人事給与システム 「SuperStream-NX」 は、オンボーディング支援において以下の理由でおすすめです。

スキル情報の可視化とギャップ分析が可能

SuperStream-NXは、従業員のスキル情報をもとに、現在のスキルレベル (As Is) と必要なスキルレベル (To Be) のギャップを明確に把握できます。

これにより、将来のキャリアパスを明確にし、効率的なスキルアップを促進できます。

組織全体の人事情報を一元管理できる

グループ全体の人事情報を一元管理することで、リソースの再配置を柔軟に行えます。そして、経営戦略に基づくダイナミックな人事刷新を支援します。

柔軟な給与管理機能を提供

複雑な給与体系にも適応可能な給与管理機能を提供します。退職金や一時金計算にも対応できる退職金管理機能も備わっています。

セルフサービス化による自立型社員の育成

従業員が専用画面から申請や照会を行うことで、自立型社員の育成を促進し、人的負荷の軽減を実現します。さらに、申請書類のペーパーレス化も促進します。

このように、SuperStream-NXは、組織文化の向上と成果の最大化に向けて、オンボーディングをサポートしています。

関連記事:クラウド型人事管理システムの機能とメリット、選び方のポイントを解説

SuperStream-NX人事給与ソリューションは、スキル情報をもとに従業員の今の姿(As Is)とあるべき姿(To Be)を明らかにするだけでなく、セルフサービス化によって従業員を人事業務へ参加させ、自立型社員の育成が可能な仕組みを提供します。

これらの理由から、「SuperStream-NX」は非常に優れた選択肢となります。

下記のページでは、「経営基盤ソリューション SuperStream-NX」の詳しい内容を解説しています。登録なしでご覧いただけますので、この機会にぜひご参照ください。

まずはオンラインでお気軽に資料請求してみてください。

また、自社に必要なシステムの種類や選び方がわからない場合は、いつでもキヤノンITソリューションズにご相談ください。貴社に適したソリューションを提供いたします。

国内1万社以上が導入する「SuperStream-NX」。下記の動画では、タレントマネジメントの強化、人事データの一元管理、法改正対応の3つのポイントを解説しています。ぜひご視聴ください。