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キヤノン電子株式会社様

SuperStream-NXにより時間外労働40%カットを実現
Fit to Standardで業務効率化し、削減時間を法制度改正対応に充当

キヤノン電子株式会社様

■事業内容 : 製造業

精密機械器具、電子・電気機械器具、
光学機械器具、情報機器、コンピューター・通信機器ソフトウェアなどの開発・生産・販売
 
 

 導入前の課題

  • 手作業による法制度対応のため業務過多
  • アドオンを重ねたレガシーシステムの処理速度の低下
  • 旧システムの管理項目不足や機能不足

 導入効果

  • 作業の効率化、処理速度の改善により時間外労働を40%削減
  • Fit to Standard を実現し、基本的な業務の効率化・個別Excel作業削減
  • 管理項目の増加、検索性・速度が向上

 

導入の背景

法制度改正への対応と経理業務全体の効率化

 1954年に設立されたキヤノン電子株式会社。キヤノングループのメーカー機能となる中核企業として、人工衛星からビジネス機器まで、幅広いものづくりを行っている。精密加工や小型化、画像処理、光学・量産化技術などさまざまな技術的な強みを武器に、医療関連製品やカメラ搭載の内部精密機構、ドキュメントスキャナー、キャッシュレス決済や物流革新に貢献するハンディターミナル、セキュリティ・業務改善ソフトウェアまで、幅広い製品を開発・生産・販売している。

img_01 同社の経理業務を担っている経理部 会計課では、法制度改正への対応に合わせて、経理業務全体の効率化を目指している。「改正電子帳簿保存法の対応を進めるため、ペーパーレス化・処理フローのデジタル化を進めています。またさらなる作業効率化を目指し、目の前の業務を整理整頓しながら、経理業務の標準化を図っています。将来的には経営分析まで踏み込めるような、体制を整えていきたいです」と同課 課長 伊藤 悠︎氏は説明する。

 

 

導入の課題

レガシーシステムによる機能不足や、処理速度の遅さによる非効率な運用

 2000年代初頭に導入した会計システムを長年利用してきたが、メーカー保守の限界を迎えていた。また会計基準の変更や新しい税制対応などは、システムで対応しきれず、Excelなどを駆使した個別対応を余儀なくされていた。「20年前の仕組みのため、充実した機能が備わっておらず、管理できる項目数も限られていました。システム自体の処理スピードも遅く、バッチを動かすだけで1日かかってしまうなど、非効率な運用が続いていたのです」と伊藤︎氏は課題について吐露する。

img_02 また環境変化に合わせてアドオンを繰り返していたことで、障害発生によるシステム停止を経験していたという。「障害原因の調査やメンテナンスに多くの時間が取られるなど、システム的な観点からも課題が顕在化していたのです」と語るのは、情報システム研究部 情報システム研究室 室長 米川 智氏だ。

 そこで、旧システムを提供してきたベンダーに新たなシステムの提案を依頼してみたものの、価格面で想定していたものよりも大きな乖離が見られたという。また提案されたパッケージに、現在の業務を合わせていくには、あまりにも負荷が大きすぎるなど、同社がイメージした要件と合わず、全く新たなプロセスで会計システムの選定を行うことになったのだ。

 

SuperStream-NX導入事例|キヤノン電子株式会社

システム選定と導入

必要機能が標準で備わっていたSuperStream-NX
周辺システムとの連携を整理できる、システム連携ソリューションConnect

 保守切れの期限が迫るなか、財務会計ソリューションとして注目したのが、キヤノンITソリューションズが提供するSuperStream-NXだった。「短期間での導入を前提に考えると、標準機能が十分に備わっているSuperStream-NXは魅力的でした。また我々の業務を、機能に合わせていけそうな感触がありました」と伊藤氏。元々スクラッチで社内システムを開発するケースが多い同社だが、アドオンを抑えたパッケージ導入で保守やメンテナンスの工数削減メリットがあると判断したという。

 また、システム連携ソリューションConnectの存在も大きかった。生産管理システムや人事管理システムなどの、周辺システムと財務会計システムを連携させるインターフェースは、数十本ほど存在しており管理を煩雑化させていたのだ。この環境を整理するための仕組みとして、Connectが魅力的だったという。

 体制面では、少数精鋭で経理部門が運用されている。またメンバーの入れ替えもあって、業務要件を詳細に整理できる経験が不足しており、パッケージ選びだけでなくインテグレータ選びも重要になっていた。そこでキヤノンITソリューションズから紹介されたのが、SCSK株式会社だった。「具体的に帳票管理の運用部分で、インテグレータの協力が求められました。日次の損益管理において、複雑に作り込まれた帳票で管理していましたが、データの取り扱いに課題があり、周辺システムとの連携とともに、新たな仕組みを整備する必要がありました。そこで紹介されたSCSKに構築をお願いする決断をしました」と伊藤氏。

 結果として、新たな財務会計システムとしてSuperStream-NX、インテグレータにはSCSKが選択されたのだ。

導入効果

時間外労働時間の40%削減
管理可能データの増大、検索性の向上による業務効率化 
Fit to Standardにより、業務の標準化推進&システムメンテナンス工数の削減

 現在は、経理部門及び各事業部に在籍する経理担当者含めて70名ほどがSuperStream-NXを利用している。
活用モジュールとしては、財務会計・管理会計のGLを中心に、固定資産のFAや債権管理のAR、支払管理のAP、建設仮勘定のCPなどを活用。外部システムとの連携にはConnectを利用し、生産販売統合システムや人事関連システム、旅費精算のワークフローシステムなど、周辺システムとの連携を管理している。
 また、日次の損益管理情報を照会するためのツールとして、SCSK製品のノーコード開発サービスCELFを採用。売上や仕入、製品受払情報などを、各部門が閲覧できるようになっている。「基本的にSuperStream-NXの標準機能と、CELFでほとんどの運用が完結しています。入金消込のみ、外部の売掛金管理システムと連携していますが、それ以外はSuperStream-NXの基本機能で、業務の標準化を実現しています」と伊藤氏は説明する。

 さらにSuperStream-NXの導入により、時間外労働の40%削減に成功。
「システムが古かったせいで非効率な業務が多く発生していましたが、導入後は4割ほど時間外労働時間を削減できています。特にSuperStream-NXの標準的な帳票を活用したことで、個別にExcelを作るような業務がなくなったことが大きい」と評価する伊藤氏。Excelで行う業務も残されているが、SuperStream-NXの画面から簡単にExcel出力できるだけでなく、画面上でソートやフィルターをかけて集計したものを、スプレッドシートとしてWeb画面で表示できるなど、SuperStream-NXの機能が業務の効率化に大きく貢献しているという。

 効率化という面では、管理できる項目数が増えたことで、多くの情報が蓄積でき、検索性能の向上によって情報への到達が迅速になったことも見逃せない。また複数画面で同時に作業できる点など操作性も大きく向上。
「基本的な業務を効率化することで、業務改善活動や法制度改正など、付加価値の高い業務にメンバーの工数を割くことができるようになりました」と伊藤氏。業務がシンプルになったことで人材の流動性も高まり、担当業務を切り替えるといったことも可能になっている。使い方がわからないという声は現場から上がっておらず、直感的に操作できる部分も、効率化に貢献している部分だと評価する。

 システム面では、以前発生していた、バッチ処理でシステムが使えなくなるような事態は回避できるようになった。「SuperStream-NXを使い始めてから、システム停止は一度もありません。以前はシステム停止の都度、時間をかけて対応せざるを得なかったのですが、その時間を本来の業務に充てることができています。また、インボイス対応などはシステムのバージョンアップで対応でき、大掛かりな対応が不要になっている点も、システム面ではありがたい」と米川氏は評価する。

 今回導入を支援したSCSKについては、SuperStream-NXを活用した業務面やシステム面での課題に、一緒になって取り組んでくれたと高く評価する。「プロジェクト経験の乏しいメンバーが多いなか、我々をうまく導いていただきました。SuperStream-NXはもちろん、SCSK独自のCELFを使った提案など、我々に最適な環境づくりに尽力いただけたことに感謝しています」と伊藤︎氏。システム面でも、外部連携のインターフェースを数多く持っていた部分を、Connectを使ってうまく連携させるなど、高い技術力に対して米川氏の評価も高い。

今後の展望

データ活用による管理会計の充実など、標準機能のさらなる活用を目指す

 現在は稼働開始後数ヶ月の段階のため、まだ活用できていない標準機能がいくつかあるので、それらもうまく使っていきながら、さらなる効率化を進めていきたいという。「業務のさらなる効率化はもちろん、集約された情報をもとに分析して管理会計の充実を図っていくことも進めていきたいところです。他にも、現在紙で運用している業務の電子化を進めながら、書類と会計システムの紐付けをうまく実施したり、財務申告に適した入力を行うことで申告書の作成をうまく進めたりなど、できる限り標準機能でできることを増やしていきたい」と伊藤︎氏は意欲的だ。

 システム面では、周辺システム含めた効率化についても進めていく必要があり、そのために今回のプロジェクトで得た知見をうまく活かしていきたいという。 「SuperStream-NXのプロジェクトは、社内でかなり成功した例だと考えています。今回のやり方をうまく活かしながら、他のシステムも変えていく必要があると考えています」と米川︎氏。他にも他部門との連携も強化していきたいと話す。現在CELFにて日次の損益情報が照会できるようになっており、経理部門以外のメンバーもアクセス可能となった。今後も現場の要望も踏まえながら、活用の幅をさらに広げていきたいと今後について︎伊藤氏に語っていただいた。

 

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お客様情報

会社名 キヤノン電子株式会社
本社 〒105-0011
東京都港区芝公園3-5-10
URL https://www.canon-elec.co.jp/
従業員数 1,842名(単独)
事業内容 精密機械器具、電子・電気機械器具、光学機械器具、情報機器、
コンピューター・通信機器ソフトウェアなどの開発・生産・販売

本導入事例に記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。