SuperStream-NXで経営データを可視化しDX推進に貢献
データドリブン経営の基盤を整備し、法制度改正への柔軟な対応も実現

■事業内容 : 運輸業
- 港湾運送業、内航海運業、貨物利用運送事業、航空運送代理店業、通関業、倉庫業、梱包事業、海上運送業、他
導入前の課題
導入効果
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■事業内容 : 運輸業
導入前の課題
導入効果
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株式会社フジトランス コーポレーションは1952年に藤木海運株式会社の設立を経て、現在は港湾運送事業や内航海運業、国際物流、保管・梱包事業などを手掛けています。
「『和』の精神 & KEEP ON TRYING」をスローガンに掲げた中期経営計画「フジトランス2030」を推進しています。「ドライバー不足や船員・港湾労働者不足など物流業界における社会課題に対処すべく、安定的に働き手を確保するための様々な施策に取り組んでいます。また、CO2排出量の削減含めたサスティナブルな環境づくりにも注力しています。」と語るのは管理本部 本部長 常務取締役 永井 宏和氏です。また、独自のFDX(FUJITRANS DX)として業務プロセスの刷新と新しい価値の創造を実現するためのDX推進を加速させています。
同社では、汎用機で動かしていた会計システムから、オープン系システムへの移行を行っていましたが、スクラッチ開発された環境でした。「システムの老朽化や法制度改正対応への負担、仮想サーバーの刷新に伴う、バージョンアップにかかる多大なコストも課題となっていました。」と情報システム部 システム開発課 課長 大畑 政浩氏は当時を振り返ります。「その一方で、長年自社業務に適した形でカスタマイズを加えていたことで、業務を行う上では、使いやすく成熟した環境でした。しかし老朽化した環境で動かし続けるのは難しいため、新たな環境への移行を決断しました。」と経理部 次長 岡村 徹氏は語ります。
また、経営判断の迅速化のためにグループ全体のKPIの可視化も必要不可欠だったことから、手作業で経営層へレポーティングする運用を軽減し、リアルタイムにグループ全体を可視化できる環境づくりも求められました。
その結果、会計業務に合わせてシステムを構築していくという従来の考え方を見直し、パッケージの業務に合わせて、会計業務を変革していく考え方にシフトしていく方針を掲げたのです。
パッケージ活用を前提に、従来の業務運用を保ちながら営業部門に展開でき、法制度改正への柔軟な対応を実現できるシステムを模索しました。そこで、複数の企業から提案を受けるなかで注目したのが、SuperStream-NXとNECソリューションイノベータが提供する周辺ソリューションでした。「SuperStream-NX以外にも機能要件を満たしているものもありましたが、今後の機能拡張が難しく、コスト面での課題がありました。将来的な機能拡張、費用も含めて総合的に判断するなかでSuperStream-NXとアライアンス製品の組合せ、さらにNECソリューションイノベータの提案力を高く評価したのです。」と大畑氏は言います。
また、希望する納期に稼働させるためには、社内の人的リソースを多く確保する必要がありました。「NECソリューションイノベータであれば、希望納期に柔軟に対応できるという提案を受け、安心して任せられました。またできる限り当社の負担を減らしながら、稼働まで導いてくださると、当社に寄り添った提案をいただけたことが大きかったです。」と岡村氏は言います。
そこで、最終的には財務会計の基盤としてSuperStream-NXを選択し、業務フローをパッケージに適合させるところから仕組みの実装、運用支援も含めてNECソリューションイノベータに委託することを決断したのです。
グループ会社含む10社が利用する財務会計の基盤としてSuperStream-NXをAWS上に展開し、経理担当者90名ほどが活用しています。財務会計・管理会計(GL)や債務管理(AP)、債権管理(AR)をはじめ、固定資産管理(FA)や手形管理(PN)を利用し、ペーパーレス化の推進などを実現。尚、導入目的の1つとして掲げた経営判断に必要なKPIの可視化については、グループ経営管理(GM)を利用して実現する環境は整いつつありますが、業務単位の機能コードなどグループとしての分析軸について、まだ検討の余地があり、今後精査したうえで展開していく予定としています。
営業部門では、日々利用する各業務システムにて請求書や支払経費などの入力を行い、ワークフローシステム「EXPLANNER/FLⅡ」で承認後、SuperStream-NXへ自動的に仕訳が計上されるようにしています。SuperStream-NXの人事給与システムや業務系システムなどとの連携はシステム連携ツールのConnectを活用しています。
SuperStream-NXを中心に財務会計の基盤を刷新したことで、ペーパーレス化が進み環境負荷軽減に貢献しています。「以前は小口現金での経費精算などが行われていましたが、システム刷新後はキャッシュレス化、ペーパーレス化ともに大きく推進できました。」と永井氏は言います。また使い勝手の面でも、評価の声が寄せられています。「SuperStream-NXから情報にアクセスでき、Excel出力でデータ加工が容易になりました。数字を把握するにも、ドリルダウンしていくだけで伝票単位の情報まで確認できます。」と岡村氏は評価します。システム面では法制度改正への対応がバージョンアップで対応できるなど、運用負担も大きく軽減できていると言います。
今回のプロジェクトは、SuperStream+周辺ソリューションを活用することにより1年をかけて稼働にこぎつけました。財務会計の基盤はもちろん、新たに伝票起票の仕組みやワークフロー、電子帳簿保存法に関連した証憑管理、BIも含めたデータ可視化の環境も全て同時に刷新しています。「短い納期で、既存業務の洗い出しや、パッケージと我々独自の会計処理のギャップ調整、運用見直しも含めた移行手法、営業部門への啓発など苦労したことも少なくありません。構築途中でインボイス制度など新たな要件にも対応する必要があり、想定運用を検討しながら開発を進めてもらう場面もありました。そんな状況下でも、社内のメンバーとともにシステム構築を成功に導いたNECソリューションイノベータ様のおかげで、うまく軌道に乗せることができました」と岡村氏は評価します。
今後も業務改善も含めて、さらなる業務効率化を進めていく計画です。特にグループ経営管理を利用したKPIの可視化を、加速させていきたいと言います。「フジトランスグループとして共通する業務単位に機能コードを設定し、データ収集できているので、将来的には、経営層はもちろん営業責任者にセグメント別でGM上にて可視化することで、データドリブンな経営判断に活用したいです。」と岡村氏は力説します。
グループ会社が手掛ける事業が多岐にわたる同社では、顧客別の収支管理を的確に把握できる環境が望まれています。
「業務がグループ会社に分散しているため、お客さまごとの収支を把握することが難しい状況でしたが、新経理システムを活用してグループ全体での詳細な収支が可視化できれば、営業活動に役立てられるはず。」と永井氏は今後について期待を寄せています。
会社名 | 株式会社フジトランス コーポレーション |
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本社 | 〒455-0032 愛知県名古屋市港区入船1-7-41 |
URL | https://www.fujitrans.co.jp/ |
従業員数 | 1,405名(2025年4月末現在) |
事業内容 | 港湾運送業、内航海運業、貨物利用運送事業、航空運送代理店業、通関業、倉庫業、 梱包事業、海上運送業、他 |
※本導入事例に記載された情報は初掲載時のものであり、
閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。