SuperStream-CORE からSuperStream-NXへの移行を実現
財務会計・人事給与基盤を刷新することで業務効率化に貢献

■事業内容 : 情報通信業
- システムインテグレーションサービス
- システムリソースサービス
- メディカルシステムサービス
導入の背景
保守切れを迎えることで新たな環境への移行を決断
1985年にキッセイ薬品工業株式会社の電算部門が分離、独立する形で創業したキッセイコムテック株式会社。経営理念である「人間尊重の経営、挑戦・創造の経営」を旗印に、豊富な知識と高度な技術を融合した独自の情報サービスを提供し続けている。具体的には、システム開発や業務パッケージ導入支援などを行うシステムインテグレーションサービスをはじめ、情報関連機器レンタルやデータセンター事業を手掛けるシステムリソースサービス、そして情報関連機器販売などが事業の大きな柱となっている。また、親会社が医薬業界であることを生かし、動作解析システムや生体信号解析ソフトウェア、ヘルスケアシステムなどの開発・販売を行うメディカルシステムサービスといった、医薬業界に特化したソリューション提供も行っているのが特徴だ。
そんな同社では以前から財務会計パッケージによって財務会計基盤を構築してきたが、保守切れを迎えるにあたり、新たな財務会計基盤の構築に乗り出すことになった。
導入前の課題
統制環境がしっかり整備できるものが必要に
もともと同社では、1998年に汎用機からオープン系の財務会計・人事給与システムを導入、長年運用してきた経緯がある。「汎用機から大きくオープン系にかじを切ったのは、業務の効率化はもちろん、自社での取扱商品を利用するということも理由の1つだったと聞いています」と経営企画室 経営企画部長 長岩 利幸氏は語る。実は同社では、取り扱う製品を自社で導入し、外販する際にその運用ノウハウを生かすという考え方がある。これは財務会計の基盤づくりにおいても同様で、自社で扱うことを前提に製品選定が行われたという。
この時に出会ったのが、SuperStreamが提供する財務会計・人事給与パッケージであり、それ以来長年にわたってSuperStreamを利用してきた。「グループ会社の中で他社の製品を利用した経験もありましたが、入力するといきなり更新されてしまうなど、内部統制に関する考え方が弱いという印象を受けました。我々にはきちんと統制環境が整備できるものが必要だったのです」と統括管理部 業務経理部 経理部グループ マネジャー 鈴木 智博氏は語る。SuperStreamであれば、同社が求める統制環境が整備でき、目指すべき財務会計の姿に合致した運用が可能だったのだ。
システム選定と導入
既存運用が維持できることが大きな条件
そんな同社が今回新たな基盤を整備する際に重視したのが、既存の運用を踏襲した形で財務会計基盤が構築できることであり、いわゆるJ-SOXに準拠した内部統制環境の維持がその中心だ。実はCOREシリーズの導入時から統制環境がしっかり整備されており、書類に対する承認プロセスの可視化など証跡管理も行われてきた。「チェックリストを用いて確認するプロセスもあれば、ログの証跡で統制環境を担保しているプロセスも。なかでも会計はインパクトの大きな部分であり、従来のプロセスを大きく変更せずに移行できるものが必要でした」と鈴木氏。これまで使ってきたものとプロセスを大きく変更することなく導入できるものとして注目したのが、これまで長年にわたって活用してきたCOREシリーズの後継製品、SuperStream-NXだったのだ。
プロセス変更を最小限に抑えるという方針は、統制環境の維持とは異なる別の理由もある。SuperStreamはさまざまな形で外部とのシステム連携を行っており、販売管理や予算管理などの仕組みとの連携を手組みで行ってきた経緯がある。その部分の改修費用も考えると、既存の連携を踏襲しやすいSuperStream-NXは同社にとってメリットの大きい選択肢だった。また、これまで長年使ってきたブランドに対する安心感や信頼性もSuperStream-NXを選んだ背景にあると語るのは同グループ 竹島 大悟氏だ。「決算が遅れたり業務が止まったりといったトラブルがこれまで一切なかった。とても信頼できるパッケージだと考えています」と評価する。
そこで、旧パッケージとのフィット&ギャップを検証しながら、運用の見直しも含めた財務会計パッケージの移行プロジェクトをスタートさせることになる。
導入効果
運用管理の効率化と支払業務における工数を大幅削減
現状は、最新バージョンのSuperStream-NXへの移行を果たし、新たな環境での運用をスタートさせたところだ。今回の移行では、以前のクライアントサーバー環境からWebシステムに仕組みが大きく変わっており、アクセス先を利用者に通知し、アカウントを設定するだけでSuperStream-NXが利用できるようになった点は大きなメリットだと鈴木氏は指摘する。「以前はインストールから環境設定まで行う必要があり、人が入れ替わったりする都度設定が必要になるため、管理面での手間が発生していました。新たな環境ではタイムラグもなくすぐに使えるようになっています」レスポンスについては以前の環境と比べても遜色のない状況で、画面切り替えなどのストレスは特に感じていないという。また経理担当者としてありがたいのは、複数の画面を立ち上げることができることだと竹島氏。例えば仕訳入力中に、過年度の情報を参照することができるのだ。「仕訳作業中でも別画面で検索画面を開き、過去の情報が閲覧できます。ちょっとしたことではありますが、現場からすると飛躍的な改善です」と評価する。過去と照らし合わせることで仕訳の継続性も担保でき、整合性のとれた会計処理が可能になる点は大きなポイントだ。デザインの面でも洗練された印象だと竹島氏は評価する。
細かなところでは、摘要欄の文字数制限が緩和されたことで、以前に比べて必要な情報がきちんと入力できるようになった点が使いやすいという声が現場から寄せられているという。他にも、毎月発生する仕訳をパターン登録しているが、担当者が意図したところに挿入する順番がきちんと表示されるなど、小さな変化が実務レベルではうれしいものとして評価されているという。
新たな環境では、これまで行ってきた運用プロセスをやむなく変更している部分があるが、それがかえって業務効率化に貢献していると鈴木氏は評価する。「プロセスを確認するためのチェックリストの有無がフィット&ギャップとして存在している部分もあります。こういう場合は、無理に過去の運用フローを踏襲させることに力を割くのではなく、新たにプロセスを省略しても、きちんと担保できるようにするにはどうするのか考えることに切り替えていきました」。確認プロセスそのものの考え方を大きく変えたことで、業務の転換点を見つけることができたという。「ある意味割り切ってプロセスをシンプルにしたことで、例えば支払業務全体で見れば2~3割の工数削減にはつながっているはず。外部とのデータ連携は従来と変わらないため、日数レベルの短縮までにはなっていませんが、各プロセスで1~ 2工程程度は減らすことができています」と鈴木氏は力説する。工数を減らしながら統制レベルは維持できている状況だ。
なお、今回は人事給与についても新たなバージョンに移行しているが、基本的な使い勝手や活用方法は変わっていないと統括管理部 総務人事部 人事グループ 兼子 佑里恵氏は語る。それでも、会計システムとの仕訳連携も進み、情報の並べ替えも簡単にできるようになっている。「給与計算した情報を、以前は給与支給控除一覧表のデータを抽出し、それを手作業で経理用に並べ替えるといった作業が発生していました。今ではデータの並べ替えも必要に応じて可能になっており、ボタン1つで出力することも。業務の効率化に大きく貢献しています」と兼子氏は評価する。
今後の展望
グループ経営管理でデータ分析できる環境整備を希望
今後について長岩氏は、SuperStream-NXが持つグループ経営管理の機能を利用して情報活用を活性化していきたいと語る。「数字を見て確認したいときは、現状は経理に依頼して明細を取り寄せる必要があります。グループ経営管理があれば、ドリルダウンやドリルスルーなどさまざまな形で情報が確認できます。思考を止めずに分析できる環境はぜひ整えたい」。経営層でもさほど難しくなく情報確認ができるため、経営サイドでの意思決定も早くなるはずだと長岩氏は期待を寄せている。
また鈴木氏は、仕訳が経理部門に来る前から業務部門へ経理部門としてアプローチし、データの信頼性を高めていくことで月次決算の早期化などを実現したいという。竹島氏には、まだ使いきれていないSuperStream-NXの機能をフル活用し、メンバーと情報共有していきながら仕事のスピードを向上させていきたいと意欲を語っていただいた。
お客様情報
会社名 | キッセイコムテック株式会社 |
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本社 | 長野県松本市和田4010 番10号 |
URL | http://www.kicnet.co.jp/ |
従業員数 | 309名(2016年4月1日現在) |
事業内容 |
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