日本の会計・人事を変える。”もっとやさしく””もっと便利に”企業のバックオフィスを最適化。

日清紡ホールディングス株式会社様

直観的に使いやすいシステムに合わせて、業務を見直しアドオン開発を最小限化。若手社員の力で経理業務のDX を推進します。

日清紡ホールディングス株式会社様

■事業内容 : その他

■ 無線・通信/マイクロデバイス
■ ブレーキ
■ 精密機器
■ 化学品
■ 繊維
■ 不動産他

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導入の背景

DX を加速する環境・エネルギーカンパニーグループ

1907 年に綿紡績のメーカーとして創業、現在は“ 挑戦と変革。地球と人びとの未来を創る。” を企業理念に掲げ、環境・エネルギーカンパニーグループとして、超スマート社会の実現を推進している日清紡ホールディングス株式会社。繊維を中心としたテキスタイル分野はもちろん、無線・通信やマイクロデバイス、自動車用ブレーキ、精密機器、化学品、不動産といった
事業を手掛けており、時代のニーズに先駆けた“イノベーティブなものづくり” に注力することで、快適な暮らしや経済・産業の発展に貢献している。

導入の課題

財務会計基盤の老朽化、事業の多角化に対応しやすい基盤を模索

異なる事業領域ごとに個別最適化されたシステムを展開している同社では、十数年前から活用してきた財務会計の基盤が老朽化し、コロナ禍への対応も踏まえて新たな基盤への刷新を計画。

合わせて、ペーパーレスや電子承認の仕組みなど、環境変化の激しい時代に即応できる環境整備に向けたプロジェクトを、財務経理や情報システムなどグループ全体の業務基盤を支えている財経・情報室が中心となってスタートさせた。

nisshinbo_shimamoto「従来は、テキスタイル分野を中心に財務会計の仕組みを業務にあわせてカスタマイズして構築していましたが、事業が多角化するなかで商習慣の異なる他事業は使いづらいケースも増えてきていたのです」と説明するのは、経営戦略センター 財経・情報室 財経グループ 専門部長 島本 義裕氏だ。

以前は業務を変えずにシステムを合わせていくという思想だったが、環境変化の激しいビジネスに対応しやすいよう、標準的なシステムに業務をあわせていくという方針に180 度転換。
「商習慣が異なる会社ごとにカスタマイズを行ってきた結果、担当者ごとに仕組みが属人化し、業務が煩雑になっていたのです」と同グループ 木村 充暁氏は振り返る。

そこで新たな仕組みでは、財務会計の基盤は標準パッケージの機能を活用し、事業側が持つ基幹システムをそれぞれ手直ししてもらい、各事業との連携性を重視した基盤づくりを目指したのだ。

財務経理の業務においては、いくつか課題が顕在化していた。その1 つが、固定化された帳票フォーマットを加工することでの業務負担だ。「システム上で加工できないものは、CSV でデータを出力した上でExcel に落とし込んで手作業で加工せざるを得ませんでした」と同グループ 李 悦氏は説明する。

また、債務に関する業務フローについても課題の1 つだった。
「取引先を軸に管理できていないばかりか、元帳から詳細が確認できない状況でした。
取引先ごとの残高確認に時間がかかっていたのです」と同グループ山本 みなみ氏は語る。

山本氏と同じく債務業務を担当している同グループ 黒川 遥夏氏も「伝票を印刷して回覧する業務フローが多く、どうしても出社せざるを得ない状況が続いていたのです」と課題を吐露する。

システム選定と導入

使いやすさが展開のしやすさにつながる

新たな環境においては、SAP のような大規模なシステムを導入するよりも、新たな事業領域への展開も想定され、小回りの良い、使い勝手に優れた仕組みを検討することに。

そこで注目したのが、複数のグループ会社で活用実績のあるSuperStream-NX だった。「課題となっていたペーパーレスや電子承認などの実現とともに、国際会計基準であるIFRS 対応できることも要件の1つ。複数ソリューションを検討するなか、借方貸方が直感的に分かりやすいなど、使い勝手のよさそうなSuperStream-NX に注目したのです」と島本氏。

導入当時は同グループに在籍し、現在は海外赴任中の城倉 遼太郎氏は「システム変更によって初めて触る人が多いため、操作しやすいというファーストインプレッションが理想的だったのです」と振り返る。導入前のハンズオンに参加した木村氏も、使い勝手の面で分かりやすさを実感したという。nisshinbo_shirokura
機能面で島本氏が注目したのが、承認前でも残高集計できる部分だ。「承認作業は当然必要ですが、上長が承認しない限り残高集計ができないものばかり。承認申請中でも残高を把握できる点は魅力的でした」と語る。

また、システム連携ツールであるConnect があることで、財務会計システムをカスタマイズせずとも、周辺システムから情報が取り込みやすい点も評価したポイントの1 つだったという。
結果として、グループにおける財務会計の基盤としてSuperStream-NX を選択することになった。
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導入効果

過去の慣習を見直し、新たな働き方への変革を実現

現在は、AWS 上にSuperStream-NX を設置し、ブレーキ・精密機器・化学品・繊維・不動産・新規事業の6 事業における財務会計基盤として活用しており、財務会計・管理会計のGLと支払管理・経費精算管理のAP、債権管理のARとともに、手形管理のPN を運用している。
またConnect によって、各事業が持つ基幹システムなど各種周辺システムとの連携を実現。本社にある財経・情報室の財経グループとグループ会社含めた事業所に在籍する担当者合わせて70 名ほどが日々の仕訳処理や各種決算処理のために活用している。

今回のプロジェクト成功要因は、若手メンバーの活躍でした。
これからシステムを使っていく若手メンバーが中心となり、オンライン上で現場とミーティングを重ね、早い段階でテストに参加してもらいながら、現場にいるベテランと二人三脚でプロジェクトを進めていったという。
「現場によってはシンプル過ぎてかえって分かりづらいといった意見をいただくことも。
そこで早い段階でマニュアルを作成し、部署ごとで個別に説明会を実施するなど、苦労もありながらうまく展開することができました」と木村氏。

SuperStream-NX を導入したことで、これまで紙と判子による承認作業から電子承認が実現し、自宅にいても承認できるなど仕事の進め方を大きく変革することに成功している。
「さまざまなDX 施策に取り組んでいるものの思うように進まない現実があるなか、スムーズにデジタル化の第一歩が踏み出せたという意味で大きなインパクトとなっています」と島本氏は評価する。

nisshinbo_everyまた、新たな環境を整備したことで、踏襲してきた古い習わしを見直すきっかけになったことは何よりの効果だと城倉氏は言及する。「重複していた承認プロセスが必要かどうかなど、プロジェクトを契機に業務を見直すことに大きく役立ちました。業務のやり方を変えるという意識を芽生えさせるきっかけになったことが何より」。

実務については、請求書の発行などの申請書類が電子化されたことで多くの紙が削減できたという。
「会計伝票に紐づいた書類が非常に多かったため、ファイリングされた各種書類の束を用意して月次や四半期などの監査対応が必要でした。今ではかなりの部分がデータ化されたことで、大きな省力化につながっています」と木村氏。

帳票関連については、以前は必要な帳票作成のためにCSV にて出力するような運用が多かったが、SuperStream-NX であれば情報が照会しやすく、PDF化やCSV 出力も右クリックするだけ。
「加工の作業が軽減されたことで、節約された時間を使ってもっとデータの中身をチェックとか調べられるようになったのは大きい」と李氏は評価する。
また、帳票画面から元帳や仕訳明細までドリルダウンして内容確認できるため、担当者に確認せずとも内容把握できるようになったことも評価の1つに挙げている。

外部データ取込を活用することで紙による支払申請や請求書発行申請などの処理が電子上でやり取りできるようになったと各種申請の受け付け対応を行っている山本氏は評価する。

黒川氏も「新たな仕入先を登録する際の申請書が紙だったため、郵送するなど登録までに時間がかかっていました。
今では自宅でも申請受け付けから登録まで可能になるなど、出社する負担も軽減できています」。
時間ではおそらく月10時間ほどの削減につながっていると黒川氏。

システム面では、属人化した管理からの脱却が可能になったと情報システムグループ 舟橋 沙友里氏は評価する。「以前は一人の担当者が全て管理しており、ある意味で属人化した状態でしたが、今回は基盤そのものやConnect により周辺システムとの連携部分を見直すことができ、システム全般を整理することができました」。

今回はSuperStream-NX の標準機能で実装を進めたが、長年使い続けてきたシステムを刷新して新たな仕組みを浸透させていくための苦労は少なくなかった。
「事業所にいる経験豊富な皆さんに業務を教えてもらいながら、現場の意見を色々聞かせてもらいました。多くの方に協力いただくことができ、本当に助かりました」と山本氏。会社ごとに異なるカスタマイズを行っていた以前に比べると、汎用的な仕組みになったことで現場からの反発も当然あった。
それでも根気よく使い勝手について説明し、理解を得てもらうように務めたことで、うまくプロジェクトが推進できたという。

なお、今回導入支援を行ったキヤノンIT ソリューションズ株式会社については、手厚い支援で導入から稼働後のサポートまでの対応について評価の声が寄せられている。

特にシステム周りに関しては、相談先としても頼りにしているという。
「今回AWS 上で環境を整備していますが、使い始めの当初はあまり知識が十分でないなか、基盤の構築からしっかり支援いただけてとてもありがたい」と舟橋氏。

今後の展望

国内グループ会社への展開とともにさらなるペーパーレス化へ意欲

現在は国内7社およびグローバル1社でSuperStream-NX を利用しているが、今後は国内のグループ会社に可能な限り展開していき、SuperStream-NX を中心に財務会計の仕組みは揃えていきたいという。

また電子帳簿保存法への対応やさらなるペーパーレス化への取り組みも加速していきたいと島本氏は意欲的だ。
具体的な機能については、配賦の機能をさらに充実させていくことで業績管理などをはじめとした管理会計の精度を高めていき、マスタ設定の効率化にもつなげていきたいという。

「海外子会社に赴任している私にとっては、Super Stream-NX のグローバル展開により、発展的な海外子会社管理が実現されることに期待したい」と城倉氏は期待を寄せている。

パートナー情報とコメント

キヤノンITソリューションズ株式会社

お客様情報

会社名 日清紡ホールディングス株式会社
本社 東京都中央区日本橋人形町二丁目31番11号
URL https://www.nisshinbo.co.jp/index.html
従業員数 連結21,112 名(2021年12月31日現在)
事業内容 ■ 無線・通信/マイクロデバイス
■ ブレーキ
■ 精密機器
■ 化学品
■ 繊維
■ 不動産他

本導入事例に記載された情報は初掲載時のものであり、閲覧される時点では変更されている可能性があることをご了承ください。