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電子(デジタル)インボイスの目的や導入メリット、注意点などを徹底解説

電子(デジタル)インボイスの目的や導入メリット、注意点などを徹底解説

 スーパーストリーム

経理業務において、請求書や領収書は欠かせない書類です。しかし、これらの書類を紙で発行・管理すると、コストや時間がかかりますし、紛失や誤送のリスクもあります。

そこで、紙の書類を電子化してインターネット上でやりとりする「電子(デジタル)インボイス」が注目されています。

電子インボイスとは、請求書や領収書を電子的な形式で作成・送付・保存・検索できるシステムのことです。電子インボイスを導入すれば、経理業務の効率化やコスト削減、環境負荷の低減などのメリットが得られます。

しかし、電子インボイスには、法的な要件やセキュリティ対策、システムの選び方などに注意が必要です。

そこで今回は、電子インボイスの目的や導入メリット、注意点などを徹底解説します。これから電子インボイスの導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

電子(デジタル)インボイスとは?

電子インボイスとは、適格請求書(インボイス)を電子データ化する仕組みのことです。インボイス制度では、適格請求書(インボイス)を電子インボイスとしてやり取りすることで、紙よりも業務を効率的に進められるようになります。電子インボイスの利用はペーパーレスでの業務進行が可能になり、保管・管理コストや郵送コストの削減が期待されています。

この電子(デジタル)インボイスに対し、厳密に「デジタルインボイス」を定義した場合には、異なった意味を示すケースがあります。厳密なデジタルインボイスとは、多くのバックオフィスソフトで処理できる形にデータを整形(標準化)された、請求から支払い、入金消込といった経理会計業務の多くを自動化できる形式の適格請求書(インボイス)のことです。デジタルインボイスの標準化は、Peppol(ペポル)と呼ばれるシステムで行われます。

Peppol(ペポル)とは、電子化した請求書などの電子文書をネットワーク上でやり取りするための世界標準規格です。Peppolに対応したバックオフィスソフトを利用すると、標準化によって異なるソフト間でもデータのやり取りが可能になる仕組みです。日本ではデジタル庁によって、デジタルインボイスの日本版の標準仕様「JP PINT」が導入されます。

ただし、本記事では、上記の電子インボイスを電子(デジタル)インボイスとして表記しています。

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電子(デジタル)インボイスを導入するメリット4つ

電子(デジタル)インボイスを導入するメリットには、以下の4つが挙げられます。

  1. ペーパーレスで業務効率化・コスト削減ができる
  2. 人為的ミスを防止できる
  3. 海外との取引がスムーズになる
  4. 経理業務の自動化ができる

それぞれ解説します。

1.ペーパーレスで業務効率化・コスト削減ができる

電子インボイスは紙の請求書を発行・保管・管理する必要がなくなるため、業務の手間やコストが削減可能です。

また、電子インボイスは電子的にやり取りできるため、郵送やファックスなどの時間や費用がかかる方法を使わなくても済むメリットがあります。

さらに、電子インボイスは検索や分析が容易になるため、業務の効率化や改善に役立ちます。

2.人為的ミスを防止できる

電子インボイスは、データの入力や転記のミスを防ぐことができます。

紙の請求書では、手書きや印刷の誤り、紛失や破損などのリスクがありますが、電子インボイスではこれらの問題を回避できます。

また、電子インボイスはデータの整合性や正確性を確保できるため、税務や監査などの法的な要件にも対応可能です。

3.海外との取引がスムーズになる

電子インボイスは国際的な標準規格に基づいて作成されるため、海外との取引にも適用できます。

その中でも、デジタルインボイスのPeppol(ペポル)は、欧州を中心に世界各国で普及している電子インボイスのネットワークで、日本でも2024年から導入されます 。

Peppolに対応した電子インボイスを利用することで、異なる言語や通貨、法律などの障壁を乗り越えて、海外との取引をスムーズに行うことが可能です。

4.経理業務の自動化ができる

電子インボイスはデジタルインボイスとして、経理会計ソフトと連携できます。

デジタルインボイスは、請求から支払い、入金消込といった経理業務の多くを自動化できる形式の電子インボイスです。

デジタルインボイスを利用することで、経理業務の効率化や精度向上、人件費の削減などのメリットが得られます。

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電子(デジタル)インボイスを導入する際の注意点

電子(デジタル)インボイスを導入する際の注意点には、次の3つが挙げられます。

  1. システムの準備や運用にコストがかかる
  2. セキュリティや法的な要件に注意が必要
  3. 取引相手との調整が必要

それぞれ解説します。

1.システムの準備や運用にコストがかかる

電子インボイスを発行するためには、適格請求書発行事業者として税務署長の登録を受ける必要があります。

また、電子インボイスを発行・受領するためのシステムやソフトウェアの導入が必要です。

これらの手続きやシステムの導入・運用には、一定のコストがかかるため、電子インボイスの利用で得られるメリットとコストを比較検討し、導入の可否を判断する必要があります。

2.セキュリティや法的な要件に注意が必要

電子インボイスは、電子帳簿保存法に則って保存する必要があります。

電子帳簿保存法では、電子インボイスの真実性や可視性を確保するための措置を講じる必要があります。

例えば、タイムスタンプの付与や訂正・削除の記録、システム概要書や操作説明書の備付け、検索機能の確保などが必要です。

また、電子インボイスには個人情報や機密情報が含まれる可能性があります。そのため、データの漏洩や改ざんを防ぐためのセキュリティ対策も重要です。

例えば、暗号化やパスワードの設定、アクセス権の管理、バックアップの実施などが必要です。

3.取引相手との調整が必要

電子インボイスを利用するには、取引相手との事前の調整が必要です。

例えば、電子インボイスの形式や送受信方法、保存方法などについて、取引相手と合意する必要があります。

また、取引相手が電子インボイスに対応していない場合や、対応できるシステムやソフトウェアが異なる場合もあります。その場合は、取引相手との調整や相互のシステムの連携が必要です。

 

電子(デジタル)インボイスの導入方法

以下では、電子(デジタル)インボイスの導入方法について解説します。

電子(デジタル)インボイスを導入する際は、次の3つの点に留意する必要があります。

  1. 電子帳簿保存法の要件を満たすこと
  2. Peppolに対応したシステムを選ぶこと
  3. 取引相手との連携を確認すること

それぞれ解説します。

1.電子帳簿保存法の要件を満たすこと

電子インボイスは、電子帳簿保存法に準じて保存しなければなりません。

電子帳簿保存法とは、電子データで作成された帳簿や書類を電子的に保存する際のルールを定めた法律です。2024年からは、電子保存が完全義務化されます。

電子帳簿保存法の要件を満たすためには、以下のことに注意する必要があります。

電子署名を施すこと 

電子インボイスには、改ざんされていないことを証明するために、電子署名を施すことが必要です。

電子署名とは、電子データに添付されるデジタルな証明書のことで、発行者の身元やデータの完全性を保証します。電子署名は、電子署名法に基づいて認定された電子証明書を利用することで有効になります。

電子保存のルールを策定すること

電子インボイスを電子的に保存する場合は、電子保存のルールを策定し、社内で教育する必要があります。

電子保存のルールとは、電子データの作成・保存・管理・廃棄に関する方針や手順のことで、以下の内容を含める必要があります。

  • 電子データの作成方法や形式
  • 電子データの保存場所や期間
  • 電子データの閲覧や検索方法
  • 電子データのバックアップや復元方法
  • 電子データの廃棄方法や時期

2.Peppolに対応したシステムを選ぶこと

Peppolとは、請求書などの電子文書をネットワーク上でやり取りするための世界標準規格です。日本では、デジタルインボイス推進協会(EIPA)が、電子インボイスの標準仕様としてPeppolを採用すると発表しました。

Peppolに対応したシステムを選ぶことによって、以下のメリットがあります。

低コストで電子インボイスを導入・利用できる 

Peppolは、オープンな規格であり、誰でも参加できます。また、Peppolに対応したシステムは、多くのベンダーから提供されています。これにより、低コストで電子インボイスを導入・利用可能です。

国内外の取引先とスムーズにやり取りできる 

Peppolは、ヨーロッパやオーストラリア、ニュージーランドなどの40カ国以上で利用されています。そのため、Peppolに対応したシステムを選ぶことで、国内外の取引先とスムーズにやり取りができるでしょう。

3.取引相手との連携を確認すること

電子インボイスを導入する際は、取引相手との連携を確認する必要があります。そこで、取引相手が電子インボイスに対応しているかどうか、また、どのような形式や方法でやり取りするかを事前に確認しましょう。

取引相手との連携を確認することで、以下のメリットがあります。

業務効率化と人為的ミスの防止 

取引相手との連携を確認することで、電子インボイスの作成・交付・保存がスムーズに行えます。

また、データの自動取得や入力ができるため、業務効率化と人為的ミスの防止にも期待ができます。

データ改ざんの防止 

取引相手との連携を確認することで、電子インボイスの信頼性を高めることができます。

電子インボイスには、電子署名や適格請求書発行事業者情報を付与することで、データ改ざんを防止できます。

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電子(デジタル)インボイスに対応したクラウド会計システムの選び方

クラウド会計システムとは、インターネット上で仕訳から決算書作成までを実施できるシステムです。

電子(デジタル)インボイスに対応したクラウド会計システムの選び方については、以下のポイントに注意が必要です。

自社の規模にあっているかどうか 

クラウド会計システムには、個人事業主やフリーランス向けと中規模以上の法人向けに大別されます。自社の規模にあっているシステムを選ぶことで、必要な機能や料金プランに合わせた利用ができます。

既存のツールと連携できるかどうか 

クラウド会計システムは、給与計算システムや経費精算システム、POSシステム、決済ツールなどの多数のツールと連携が容易にできる製品もあります。

そこで、既存のツールとの連携ができるかどうかを確認することで、バックオフィス業務のさらなる効率化が可能です。

経理の知識がどの程度必要か

クラウド会計システムは、自動仕訳や勘定科目の提案機能などをもつ製品も多く存在します。そのため、専門知識がなくても簡単に経理業務を進められるものがほとんどです。

そこで、経理担当者のもつ知識やスキルはもちろん、業務に割けるリソースも考慮し、どこまで自動化できると便利なのか事前に洗い出しておくことが大切です。

電子(デジタル)インボイスのまとめ

このように、電子インボイスとは、紙の請求書や領収書などを電子化したもので、消費税の仕入税額控除のために必要な適格請求書として認められるものです。

電子インボイスの導入には、以下のようなメリットがあります。

  • 紙の請求書や領収書の発行・保管・管理のコストや手間を削減できる
  • 電子データとして取引情報をやりとりできるので、入力ミスや紛失のリスクを低減できる
  • 取引先との情報共有や連携がスムーズになり、業務効率や精度を向上できる
  • 環境負荷を軽減できる

上記を実現するためには、クラウド型の会計・人事給与システム「SuperStream-NX」がおすすめです。

「SuperStream-NX」は、キヤノンITソリューションズが提供する経営基盤ソリューションで、会計・人事給与分野に特化したシステムです。

電子インボイスの導入に際して、「SuperStream-NX」をおすすめする理由には、以下のようなものがあります。

  • 売手側と買手側の両方の機能を標準で備えており、インボイスの発行・受領・保存・管理が一元的にできる
  • インボイスに記載されている消費税額を既存の業務を変更せずに入力できる支援機能がある
  • 免税事業者との取引における仕入税額控除への対応が可能
  • 国税庁の適格請求書発行事業者公表システムと連携して、取引先が適格請求書発行事業者であるかの確認ができる
  • 電子帳簿保存法の要件に従って、インボイスを電子文書として保存できる
  • 電子インボイス推進協議会(EIPA)に参加しており、最新の情報をキャッチアップできる

以上のように「SuperStream-NX」は、電子インボイスの導入に必要な機能やサポートを充実させており、経理担当者の業務負荷軽減や業務効率化を実現します。

そこで、自社に必要なシステムについてのお悩みや質問がある方は、いつでもお気軽にキヤノンITソリューションズにご相談ください。貴社に適したソリューションを提供いたします。

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