公認会計士 中田清穂の会計放談~RPA編~ 2019.10.01 (UPDATE:2020.12.21)
中田 清穂(なかた せいほ)
RPAを導入する場合、RPAのしくみを使って「誰がロボを作るのか」。
これには大きく分けて二通りがあります。
このケースでは、社内のシステム部門や業務改革推進本部、グループ内のIT関連子会社、あるいは、外部のコンサルティング会社やシステムインテグレータ会社などが、ロボを作ります。
(1)の「経理部門などの業務担当者が自分でロボを作るケース」では、ロボオペレータやWinActorなどの、いわゆる「簡易版RPA」が使われることが多いようです。
その理由は、複雑な作業のロボ化でなければ、プログラミングの経験や知識が必要なくてもロボが作れることと、それ故、研修に多くの時間をかける必要がないからです。
また、「本格RPA」と比較するとコストが安いので、経理部門の決裁だけで採用するRPAを決定して、自動化を進められることもあるようです。
また、UiPathなどの「本格ロボ」の研修を受けて、業務担当者が自分でロボを作成している企業もあるようです。
その場合でも、当初は「簡易RPA」を導入して、業務担当者が自分でロボを作る経験を積んで、次のステップで「本格RPA」でもロボが作れるようになることで、スムーズに「本格RPA」の導入ができるようにしている企業もあります。
経理部門などの業務担当者が自分でロボを作るので、プログラミングの経験や知識があまり豊富ではないことが多いので、作るロボも単純で短いステップの作業を対象にして成功することが多いようです。
(2)の「業務担当者以外がロボを作るケース」では、以下のような「本格RPA」が使われることが多いようです。
この場合、比較的コストの高いRPAを採用したり、業務担当者以外がロボを作成したりするために、(1)よりは、全体的にコストがかかります。 それでもこのケースにする理由としては、「働き方改革」などの「錦の御旗」が掲げられて、多少のコストがかかっても、経理部門などの業務部門にもRPAが導入されやすくなっているということがあるようです。
このケースでは、業務担当者以外がロボを作るので、業務の内容を、システム部門や業務改革推進本部などの「自分以外の人」に伝えなければなりません。
伝える方法としては、
この二つのやり方がほとんどだと思います。
しかし最近、三つ目のやり方として、
このやり方は、全社的に展開されるRPAが、会社の方針として「本格RPA」にすることがすでに決定されているけれども、業務担当者が自分で「本格RPA」を使ってロボを作ることができないという課題を解決するためにあみだされたようです。
システム部門などが「本格RPA」を使ってロボを作るので、非常に複雑な作業も自動化することができているようです。
中田 清穂(なかた せいほ)
1985年青山監査法人入所。8年間監査部門に在籍後、PWCにて 連結会計システムの開発・導入および経理業務改革コンサルティングに従事。1997年株式会社ディーバ設立。2005年同社退社後、有限会社ナレッジネットワークにて、実務目線のコンサルティング活動をスタートし、会計基準の実務的な理解を進めるセミナーを中心に活動。 IFRS解説に定評があり、セミナー講演実績多数。