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ジョブ型人事制度とメンバーシップ型の違いや導入方法、メリット・デメリットを解説

ジョブ型人事制度とメンバーシップ型の違いや導入方法、メリット・デメリットを解説

 スーパーストリーム

人事制度とは、企業が従業員の能力や業績を評価し、報酬やキャリアを決める仕組みのことです。人事制度にはさまざまなタイプがありますが、代表的なものにジョブ型とメンバーシップ型があります。

ジョブ型人事制度とは、従業員の職務内容や役割に応じて、報酬やキャリアを決める人事制度です。ジョブ型人事制度では、従業員は自分の専門性やスキルを高めることに重点を置きます。一方、メンバーシップ型人事制度とは、従業員の在籍年数や年齢、役職に応じて、報酬やキャリアを決める人事制度です。メンバーシップ型人事制度では、従業員は組織の一員としての貢献や忠誠心を重視します。

そこで今回は、ジョブ型人事制度とメンバーシップ型人事制度との違いや、導入方法のポイント、メリット・デメリットを解説します。人材の雇用方針や人事制度の改革をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

ジョブ型人事制度とは?メンバーシップ型人事制度との違いも解説

ジョブ型人事制度とは、企業が用意した職務内容(=ジョブ)に対し、必要とする能力や経験がある人を雇用し、役割や仕事内容を決定する人事の手法です。

一方、メンバーシップ型人事制度とは、日本企業で多く行われてきた新卒一括採用に代表される人事制度で、その従業員が行う職務内容が決まっていない段階で採用を行い、実際の仕事を通じてスキルアップをしていくものです。

ジョブ型人事制度とメンバーシップ型人事制度の違い

ジョブ型人事制度とメンバーシップ型人事制度の違いを、以下の表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

 

ジョブ型人事制度の特徴

メンバーシップ型人事制度の特徴

仕事の割り当て方

仕事に対して人を割り当てる

人に対して仕事を割り当てる

仕事の範囲の決め方

ジョブディスクリプションに準じる

仕事範囲があいまいになりがち

賃金の決め方

賃金は職務に応じる

賃金は年齢や勤続年数などに応じて上昇

人材育成の考え方

育成は職務に応じた社内教育・主体的な学び

育成は年次を考慮した社内教育

昇進の仕方

昇進は実績による

昇進は年齢や勤続年数などに応じて上昇

転勤や異動

転勤・異動は基本的になし

転勤・異動は定期異動中心

人材の流動性

市場への人材の流動性は高い

市場への人材の流動性は低い

雇用の保障

雇用保障は弱い

雇用保障は強い

上記のようなジョブ型人事制度は、働き方の多様化やグローバル化、競争力の激化などの社会環境の変化に対応するために、近年注目されている人事制度です。

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ジョブ型人事制度の導入が増えている背景

ジョブ型人事制度とは、企業が人材を採用する際に、従業員に対して職務内容を明確に定義して雇用契約を結び、労働時間ではなく職務や役割で評価する制度です。

この人事制度は、欧米諸国で広く普及している制度ですが、日本では近年注目されるようになりました。

ジョブ型人事制度の導入が増える背景

ジョブ型人事制度の導入が増えている背景には、以下のような要因が考えられます。

従来の日本型雇用システム(メンバーシップ型)では競争力を維持できないから

メンバーシップ型は、まず採用し、ジョブローテーションなどで配置転換をしながら、それぞれに合う仕事を見つけていく考え方ですが、少子高齢化や安定的高成長の終焉により、経営環境が大きく変化しました。

そのため、人材の流動性や多様性、市場価値に応じた報酬などを重視するジョブ型に転換する必要があると考えられています。

経団連が日本型の雇用システムを見直すべきと提言したこと

2019年、経団連の中西宏明会長が「1つの会社でキャリアを積んでいく日本型の雇用を見直すべき」と提言しました。さらに2020年度の「経営労働政策特別委員会報告」では、ジョブ型雇用について踏み込んだ方針をまとめ「導入・活用の検討が必要」とも報告しています。

このことから、社会的に日本型雇用の見直しをすすめていくべき潮流がうかがえます。

コロナ禍によるはたらき方の多様化やDXの加速の影響

新型コロナウイルスの感染拡大によってはたらき方が急激に変化し、リモートワークや成果主義が主流となりました。また、ITの進歩による人材獲得競争の激化や、グローバル化に対応するための人材育成の必要性も高まっています。

これらの変化に対応するためには、はたらく時間や場所にとらわれず、より個人の役割が明確であるジョブ型にスポットが当てられるようになったのです。

ジョブ型人事制度のメリットとデメリット

ジョブ型人事制度のメリットとデメリットは、企業側と従業員側の視点で異なるため、以下の表にまとめてみました。ぜひ参考にしてください。

ジョブ型人事制度の企業側のメリットとデメリット

メリット

デメリット

  • 即戦力の人材を採用しやすい
  • 業務の効率化や人件費の削減ができる
  • リモートワークの勤務体制に合っている
  • 人材雇用が難しい
  • 柔軟な配置転換ができない
  • スキルが広範囲にわたるゼネラリストが育ちにくい

ジョブ型人事制度の従業員側のメリットとデメリット

メリット

デメリット

  • 勤続年数・年齢に縛られない給与設定ができる
  • 専門性を高められる
  • 市場への人材の流動性が高い
  • 職務変更の困難さ
  • スキルアップは当人に委ねられる
  • 雇用保障が弱い

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ジョブ型人事制度の導入方法と手順

ジョブ型人事制度の導入には、以下のステップを踏むのが効果的です。

  1. 適用範囲を決める
  2. 職務の洗い出し
  3. 職務の評価
  4. 等級分け
  5. 賃金の決定
  6. 定期的な見直しとフィードバック

それぞれ解説します。

1.適用範囲を決める 

メンバーシップ型人事制度をジョブ型人事制度へいきなり切り替えるのは非常に困難なため、部署や職種などの一部分に適用範囲を決めて部分的に変更していくのが一般的です。

適用範囲を決める際には、以下のようなポイントに注意する必要があります。

  • 経営戦略や組織のビジョンに沿った職務を優先的に選ぶこと
  • 職務の内容や目標が明確に定義できる職務を選ぶこと
  • 市場価値や競争力の高い職務を選ぶこと
  • 従業員のニーズや意向を考慮すること

2.職務の洗い出し 

次に、職務記述書(ジョブディスクリプション)を作成し、職務を洗い出します。

職務記述書には、以下のような項目を記載します。

  • 職務の名称
  • 職務の目的や役割
  • 職務の内容や範囲
  • 職務に必要なスキルや経験、資格など
  • 職務の評価基準や目標
  • 職務の報酬や待遇

3.職務の評価 

職務記述書が作成できたら、次に職務の評価を行います。

職務の評価とは、職務の重要度や難易度、責任の大きさなどを客観的に測定することです。職務の評価には、以下のような方法があります。

職務等級法

職務等級法とは、職務の内容や責任、スキルなどを複数の項目で評価し、それぞれに点数をつけて合計する方法です

職務比較法

職務比較法とは、職務同士を比較して、どちらが重要かを判断する方法です。

職務要因法

職務要因法とは、職務に関係する要因(知識、技能、労働条件など)を定め、それぞれに重み付けをして評価する方法です。

4.等級分け 

職務の評価ができたら、次に職務の等級分けを行います。

等級分けとは、職務の評価に基づいて、職務をいくつかのグループに分類することです。

等級分けには、以下のようなメリットがあります。

  • 職務の内容や責任、スキルなどを明確にすることができること
  • 職務に応じた報酬や待遇を決めることができること
  • 職務のキャリアパスを設定することができること

5.賃金の決定 

等級分けができたら、次に賃金の決定を行います。

賃金の決定とは、職務の等級に応じて、基本給や手当、賞与などの報酬を決めることです。賃金の決定には、以下のようなポイントに注意する必要があります。

  • 市場価値や競争力に応じた賃金を設定すること
  • 職務の成果や貢献度に応じた賃金を設定すること
  • 職務の等級間の賃金格差を適切に設定すること
  • 従業員のモチベーションや満足度を高める賃金を設定すること

6.定期的な見直しとフィードバック 

賃金の決定ができたら、次に定期的な見直しとフィードバックを行います。

定期的な見直しとは、職務の内容や評価、等級、賃金などを定期的に見直し、変化に対応することです。

定期的な見直しには、以下のようなメリットがあります。

  • 職務の内容や評価、等級、賃金などを最新の状況に合わせることができる
  • 職務の内容や評価、等級、賃金などに対する従業員の理解や納得を高めることができる
  • 職務の内容や評価、等級、賃金などに対する不満や不公平感を減らすことができる

フィードバックとは、職務の成果や貢献度、スキルや経験などに対して、上司や同僚からの評価や意見を伝えることです。

フィードバックには、以下のようなメリットがあります。

  • 従業員の自己評価や自己認識を高めることができる
  • 従業員のモチベーションや自信を高めることができる
  • 従業員の成長や改善を促すことができる

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ジョブ型人事制度のまとめ

このように、ジョブ型人事制度には、企業の競争力を高めたり、即戦力となる人材を獲得することで、既存社員のスキルや知識を高める効果にも期待ができるでしょう。

ただし、従来のメンバーシップ型の人事制度とは異なり、従業員一人ひとりのスキルや貢献度によって評価や報酬決定を行う必要があるため、人事部門への負担が増すという懸念があるのも事実です。

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ジョブ型人事制度では、企業内外の人材の流動性や多様性を重視し、最適な人材を配置することが求められます。

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テレワークやリモートワークにも対応できる

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ジョブ型人事制度では、従業員の働き方や勤務地に柔軟に対応し、成果主義や自律性を重視することが求められます。

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