管理部の実務課題解決コラム 2022.01.12 (UPDATE:2024.11.22)
株式会社アクリア
株式会社アクリア、コンサルタントの伊藤です。
今回は、「売掛金の残高管理に関する留意点」について取り上げていきます。
売掛金の残高管理を取り上げた理由ですが、売掛金の残高管理を徹底することは、
請求漏れ、回収遅れ及び回収漏れを抑止し、延いては会社の資金繰りを安定させることができると考えられるからです。
所謂、「勘定合って銭足らず」では企業経営に大きな問題が生じるため、売掛金の残高管理は重要な業務の一つなのです。
売掛金とは、顧客との契約から生じた債権その他の通常の取引に基づいて発生した営業上の未収金を言います。
そのため、売掛金残高とは未だ回収されていない売掛金となります。
また、未回収の債権には「未収入金」という勘定科目もありますが、営業活動で生じた債権は「売掛金」であり、
資産の譲渡など営業活動以外で生じた債権は「未収入金」となります。
(1) 顧客マスタ登録に関する留意点
(2) 入金処理に関する留意点
(3) 滞留売掛金に対する会計処理の留意点
顧客マスタとは、取引先に関する基本情報であり、顧客名、住所、電話番号、担当者、締め日、入金サイトなどが記載されます。例えば、誤った締め日が登録されてしまうと、請求書の発行遅れに繋がり、売掛金の回収に必要以上の時間がかかってしまう事もあります。また、誤った入金サイトが登録されてしまうと、催促が遅れ最悪の場合、売掛金の回収ができなくなることもあり得ます。
このような問題を回避するためにも、顧客マスタの正確な登録は、非常に重要な業務と言えます。
なお、一般的にERP(Enterprise Resources Planning)を導入している企業であれば、顧客マスタはシステム統一のマスタとなりますが、基幹システムと会計システムが別々のシステムで運用されているケース等は、メインマスタをどこに設定するか、サブマスタが保有するマスタの範囲等の定義づけが重要になります。
また、オペレーションに際してもメインマスタとサブマスタが自動連係しない場合には、両者の整合性を定期的にチェックする統制が必要となります。この辺りは個々の会社の方針や使用するシステムで大きく異なることから、今回は割愛させて頂きます。
与信管理を徹底していても、取引先の倒産や経営状況の悪化により売掛金の回収ができなくなるケースもあります。
その際の対応についてご説明いたします。
入金期日を経過しているにも関わらず、取引先からの入金が確認できず、社内において回収が難しいと判断した場合は貸倒引当金または貸倒損失の計上について、検討が必要となります。
なお、貸倒引当金と貸倒損失は似て非なるものですので、以下で両者の相違を示しておきます。
以上が売掛金残高を管理する際の留意点となります。
株式会社アクリアでは、経理・財務部全般にわたるフォローから、業務単位や人単位に絞った専門的業務まで、
必要な単位で必要な実務支援をすることが可能です。日常業務についてお困りの場合は、ぜひ一度ご相談ください。
株式会社アクリア
株式会社アクリア 上場会社に特化した会計コンサルティングファーム。
2011年7月設立。公認会計士25名、公認会計士協会準会員13名、税理士10名(うち、公認会計士同時登録6名)が在籍(非常勤含む)。 代表取締役:川崎勝之(公認会計士/税理士) 平石智紀(公認会計士/税理士)
東京都渋谷区代々木3-23-4 VORT西新宿Ⅱ 2階
http://www.accrea.co.jp
(事業内容)
決算・日常業務改善支援、管理体制構築支援、買収後のPMI業務、IPOアドバイザリーサービス、適時開示サポートサービス M&Aアドバイザリーサービス(財務デューデリジェンス,企業価値評価,ディール実行支援)、教育・研修事業 各種税務サービス(税務顧問、税務コンサルティング等)、経理業務効率化・体制整備サポートサービス、事業承継サポートサービス