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特別会計と一般会計の違いと国や地方公共団体におすすめの会計システムを解説

特別会計と一般会計の違いと国や地方公共団体におすすめの会計システムを解説

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一般会計と特別会計は、国や地方公共団体が採用する、2種類の会計区分のことです。

一般会計とは、国や地方公共団体の基本的な収入と支出を管理する会計で、特別会計とは、特定の目的や事業に関する収入と支出を管理する会計です。

例えば、国の特別会計には、社会保障関係費特別会計や道路整備特別会計などがあり、地方公共団体の特別会計には、水道事業特別会計や公共施設管理特別会計などがあります。

この記事では、一般会計と特別会計の違いやメリット・デメリット、そして国や地方公共団体が、より効率的かつ透明性の高い会計管理を行うために必要な会計システムについて解説します。公的機関で会計に携わる方は、ぜひ参考にしてください。

一般会計と特別会計とは?その違いを比較

一般会計とは、国や地方公共団体が一般的な収入と支出を管理するために行う会計のことです。税金や国債などの歳入をもとに、教育や福祉などの基本的な行政サービスを提供するための歳出を経理します。一般会計は、予算の用途に縛りがないため、柔軟に対応できるのが特徴です。

一方、特別会計とは、国や地方公共団体が特定の事業や資金の運用状況を明確にするために一般会計とは別に設ける会計のことです。法律や条例によって作られ、特定の財源から得た歳入を特定の目的に充てるための歳出を経理します。特別会計は、予算の用途が限定されており、柔軟な対応ができないという特徴があります。

一例として、国の特別会計には、外国為替資金特別会計や年金特別会計、東日本大震災復興特別会計などがあります。これらは、それぞれ為替介入や年金支払い、復興事業などに関する収入と支出を個別に管理するものです。

下記の表は、一般会計と特別会計の違いをまとめたものです。

 

一般会計

特別会計

管理の目的

国の施策を網羅して通観する

特定の事業や資金運用を明確化する

管理の原則

単一会計主義

区分経理主義

収入・支出の範囲

一般的なもの

特別なもの

収入・支出の内容

税金や公債など

保険料や交付金など

設置・配置の基準

財政法第3条

財政法第4条

 

特別会計が必要な理由とメリット

特別会計とは、国の会計のうち、特定の事業や資金の収支や運用状況を明確にするために、一般会計とは別に設けられた会計のことです。

特別会計を設ける理由は、以下のようなメリットがあるからです。

  1. 特定の事業や資金の収入と支出を、一般会計と区分して経理することで、事業の効率性や費用対効果を評価しやすくなるから
  2. 特定の財源から得た収入を特定の目的に充てることで、財政規律を保ちやすくなるから
  3. 特別会計ごとに財務諸表を作成することで、財政状態や経営状況を透明化しやすくなるから

例えば、年金特別会計では、年金保険料や年金特例国債などの収入をもとに、年金給付や年金債務の返済などの支出を行っています。このように、年金事業に関する収支や資金運用の状況を明確に把握することが可能です。

また、国債整理基金特別会計では、国債や他の特別会計からの借入金などの債務を一括管理し、償還や利子の支払いを行っています。

このように、国の債務状況を整理することが可能となります。

特別会計のデメリット

特別会計のデメリットとしては、特別会計が増えすぎると、一般会計との関係が複雑化してしまい、財政全体の把握が困難になることが挙げられます。これにより、予算編成や決算審査などの効果的な管理が妨げられる可能性があるからです。

また、特別会計が一般会計から独立して運営されると、柔軟な資金配分ができなくなることもデメリットです。これにより、予想外の事態に対応できなかったり、資金の有効活用ができなかったりする可能性があります。

特別会計が特定の事業や目的に固定されてしまうと、社会的ニーズや環境変化に応じた事業内容の見直しができなくなります。これにより、事業の妥当性や必要性が低下したり、無駄な支出が発生したりする可能性があることもデメリットです。

特別会計の改革と現状

特別会計は、その数が多くなりすぎたり、剰余金や積立金が多額に蓄積されたりするなどの問題が過去に何度も指摘されてきました。

そのため、政府は特別会計の整理・統廃合や財源の見直し、剰余金や積立金の有効活用などの改革を進めています。

まずは「行政改革の重要方針」及び「行政改革推進法」に基づき、平成22年度から令和2年度までに、国の特別会計を約半数(平成22年度末時点で77個から令和2年度末時点で38個)に整理・統廃合しました。そして「特別会計に関する法律」に基づき、令和3年度から令和5年度までに、国の特別会計をさらに約半数(令和2年度末時点で38個から令和5年度末時点で19個)に整理・統廃合する予定です。

このように、政府が特別会計の財源を見直し、一般会計への移行や税制上の優遇措置の廃止などを行っています。例えば、食料安定供給特別会計では、食料・農業・農村振興税を廃止しました。

また、特別会計の剰余金や積立金を有効活用し、一般会計への移行や歳出削減などを行っています。例えば、年金特別会計では、剰余金を一般会計へ移行し、社会保障費等の財源として活用するといった施策を実施しているところです。

国や地方公共団体の一般会計と特別会計に必要な会計システムの機能

一般会計と特別会計は、国や地方公共団体が行う会計の種類です。

一般会計は、基本的な行政サービスに関する収入と支出を経理する会計であり、特別会計は、特定の事業や資金運用に関する収入と支出を一般会計と区分して経理する会計です。

そこで、一般会計と特別会計に必要な会計システムの機能としては、以下のようなものが挙げられます。

予算編成・執行・管理・決算の機能

国や地方公共団体が予算を策定し、実施し、監視し、精算するために必要な機能です。

予算の内容や実績を正確に記録し、分析し、報告できます。

財務会計・財務報告の機能

国や地方公共団体が財産や債務の状況を把握し、財務状況を公表するために必要な機能です。

財産や債務の増減や残高を適切に計測し、貸借対照表や損益計算書などの財務書類を作成できます。

税務管理の機能

国や地方公共団体が税金や公債などの収入を徴収し、管理するために必要な機能です。

税金や公債の種類や額を確認し、納付期限や滞納状況を把握し、督促や催告などの処理を行うことができます。

資金管理・資金調達の機能

国や地方公共団体が資金の流れを管理し、必要な資金を調達するために必要な機能です。

資金の収支や残高を追跡し、予算執行に応じて資金の移動や振替を行うことができます。また、国債や借入金などの資金調達方法を選択し、利率や返済条件などを決定し、契約や発行などの手続きを行うことも可能です。

内部統制・監査・評価の機能

国や地方公共団体が会計業務を適正に実施し、効果的に運営するために必要な機能です。

会計業務に関する規則や手順を設定し、遵守状況を監視し、不正やミスを防止または発見できます。また、会計業務の成果や問題点を評価し、改善策を提案することも可能です。

国や地方公共団体が会計システムを導入する際に重視すべきポイント

国や地方公共団体の一般会計と特別会計に対応できる会計システムを導入する際に重視すべきポイントは、以下のようなものが挙げられます。

一般会計と特別会計の区分や連携を正確に反映できること

国や地方公共団体の会計は、一般会計と特別会計に区分されていますが、各団体の会計区分は一様ではないため、会計システムは各団体の特性に合わせて柔軟に対応できることが必要です。

また、一般会計と特別会計の間には予算や資金の移動や振替などの連携がありますが、会計システムはこれらの処理を正しく記録し、管理し、報告できる必要があります。

予算・決算・財務書類の作成や公開を効率化できること

国や地方公共団体の会計は、予算・決算・財務書類の作成や公開に多くの時間と労力を要しますが、会計システムはこれらの業務を効率化できることが必要です。

例えば、予算・決算・財務書類の作成には、一般行政部門の会計を普通会計として整理し、その他の会計(公営事業会計)と区分することが必要ですが、会計システムがこの整理作業を自動化できることが望まれます。

また、予算・決算・財務書類の公開には、インターネット等により国民に情報を提供することが必要ですが、会計システムはこの情報提供作業を簡便化できることが望ましいです。

内部統制・監査・評価の強化や改善を支援できること

国や地方公共団体の会計は、内部統制・監査・評価の強化や改善に取り組むことが必要ですが、会計システムはこれらの活動を支援できることが必要です。

例えば、内部統制には、規則や手順の設定や遵守状況の監視などが必要ですが、会計システムはこれらの作業を補助できることが望ましいです。

また、監査・評価には、成果や問題点の把握や改善策の提案などが必要ですが、会計システムはこれらの作業を容易にできることが望まれます。

国や地方公共団体の特別会計と一般会計のまとめ

このように、国や地方公共団体で採用される会計区分には、特別会計と一般会計の2種類があり、一般企業とは異なった考え方で経理されます。

また、国や地方公共団体は公金を扱う組織であるため、安全なセキュリティシステムを搭載したクラウド会計システムの導入が必須となります。

国や地方公共団体の一般会計や特別会計にクラウド会計システムを導入する際に、疑問や質問があれば、お気軽にスーパーストリームへご相談ください。最適なソリューションを迅速に提供いたします。

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