税務会計業務のポイント 2024.05.14 (UPDATE:2024.10.24)
アクタス税理士法人
不動産登記につきましては、令和3年に不動産登記法の改正が行われ、令和6年4月1日以降は、不動産の相続登記が義務化されることになりました。また、令和8年4月1日以降は、登記名義人の住所変更登記も義務化されることになります。
国交省調査によると全国の土地の約1/4が所有者不明土地と言われており、それは、相続登記がされていないこと、所有者の住所変更登記がされていないことが要因となっています。所有者不明土地が増えると、土地が管理されないため、周辺の環境の悪化につながったり、所有者を探すのに時間がかかるため、公共事業の阻害となったり様々な問題が生じます。これらの問題を解消するために今回の改正が行われました。
令和6年4月1日以降、相続により不動産を取得した相続人はその取得を知った日から3年以内に相続登記をしなければなりません。正当な理由なく相続登記をしない場合には10万円以下の過料が科される場合があります。また、相続登記の義務化は、令和6年4月1日以前に相続により取得した不動産についても対象となります。3 年間の猶予期間があり、令和9年3月31日までに相続登記を行う必要があります。
なお、早期に遺産分割協議がまとまらないなど、すぐに登記が出来ない場合には相続人であることを証明す
ることで登記官が職権で登記をする相続人申告登記という手続が新設されました。
現行の不動産登記法では、全国の不動産から被相続人の不動産を網羅的に把握することはできないため、相続登記が見逃される可能性があります。そこで令和8年2月2日から登記された不動産の一覧の請求が可能になります。なおプライバシー等に配慮し、請求の範囲は、①登記名義人が自らの不動産一覧を請求した場合、②相続人等が被相続人に係る不動産の一覧を請求した場合、に限定されています。
相続登記を行う場合には、不動産の価額(固定資産税評価額)に0.4%の登録免許税がかかりますが、以下
に該当する場合には登録免許税が免除されます。いずれも適用期限は令和7年3月31日までです。
相続により土地を取得した人が相続登記をしないで死亡した場合には、その亡くなった人の相続登記につ
いては登録免許税が免除されます。
不動産の価額が100万円以下の土地を相続した場合には登録免許税が免除されます。
令和8年4月1日以降、住所等に変更があった場合には、変更日から2年以内に住所変更登記をしなければなりません。正当な理由なく相続登記をしない場合には5万円以下の過料が科される場合があります。また、住所変更登記の義務化は、令和8年4月1日以前の住所等変更についても変更登記義務化の対象となります。2年間の猶予期間があり令和10年3月31日までに住所変更登記を行う必要があります。
アクタス税理士法人
東京と大阪を中心に計4拠点をもつアクタスグループの一員。 アクタス社会保険労務士法人、アクタスHRコンサルティング、アクタスITソリューションズと連携し、 中小ベンチャー企業から上場企業まで、顧客のニーズに合わせて、税務会計、人事労務、システム導入支援の各サービスを提供しています。