日本の会計・人事を変える。”もっとやさしく””もっと便利に”企業のバックオフィスを最適化。

小規模企業が無理なく運用できるシンプルな報酬制度について考える(前編)

小規模企業が無理なく運用できるシンプルな報酬制度について考える(前編)

 アクタスHRコンサルティング株式会社

小規模企業が無理なく運用できるシンプルな報酬制度について考える(前編)

昨今の賃上げトレンドやジョブ型の潮流を受けて、報酬水準の適正化に関する相談や新規引き合いが弊社でも増えつつあります。
「一律ベアはむしろ簡単だが、問題はどうやって限られた原資を配るかだ」
これは、先日コンサルティングの現場で、上場企業子会社の人事管掌役員が呟いていた一言です。このような類の悩みは、今や規模を問わず共有の課題と言ってよいでしょう。

これまで属人的に給与を決定していた小規模企業の中には、自社なりに賃金テーブルを整備して報酬の適正化を図ろうと、試みている事例も見受けられます。そういった「それなりの賃金制度が存在する」お客様からご相談を受けて、報酬分析を実施しているところをみると、次のような傾向が散見されます。

  1. メンテナンス放置による外部報酬水準との乖離
  2. 人件費制約から生じる人事評価の歪み(無理な下方修正)
  3. 制度外の属人的(特権的)処遇の未解消

いかがでしょうか。もしかすると、このコラムをご覧いただいている方の中にも、思い当たる節があるかもしれません。ここで申し上げたいのは、賃金制度においても、自社のリソースとノウハウで維持・管理できる仕組みとなっている必要がある、という点です。きちんと運用できないことをやろうとした結果、上記のような事象に陥っていることが実に多いのです。

これは、特に小規模企業が、「世間一般的な人事制度」のフレームワークをそのまま自社に導入しようとしたときに起こりやすいと感じます。逆にいえば、小規模企業に適する賃金制度の要件というのは、1)メンテナンスが楽で、2)人件費コントロールが容易で、3)移行もシンプルでハマりやすい、という3つの要素が極めて重要と言えます。

我々コンサルタントとしても、お客様の運用面での力量を深く考えずに、背伸びした設計を誘導してしまうリスクが常にあり、この点は誰しもが自省しなければならないところです。次回以降の後編のコラムでは、上記1)~3)に対する具体的な処方箋について、実務的な観点から考察してみたいと思います。

 

<著者>
アクタスHRコンサルティング株式会社
シニアマネジャー
宮川 淳 みやかわ あつし

【プロフィール】
人事制度設計から、労務監査等の人事コンサルティングをメインに活動。制度設計だけでなく、実務に根ざした現場レベルでの運用アドバイスを行っている。

【企業URL】https://actus-hrc.jp/

資料ダウンロード

関連記事