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リ・スキリングに関する情報開示は、どのように行うべきか?

リ・スキリングに関する情報開示は、どのように行うべきか?

 深瀬勝範(ふかせ かつのり)

 リ・スキリングに取り組む企業が増えています。
 リ・スキリングは、従業員のスキルやモチベーションを高めて業績向上に結び付くだけではなく、それに関する情報開示を行うことにより、「新たな投資の呼び込み」や「求人力強化」という効果を生み出すこともできます。
今回のコラムは、リ・スキリングに関する情報開示の進め方について解説します。

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情報開示の相手は「投資家」や「就職活動中の学生等」

 リ・スキリングに関する情報開示の相手は、主に「投資家」と「就職活動中の学生等」です。
 投資家は、投資先を決めるうえで、「どのような人材を育てようとしているのか」「教育訓練に十分な時間とコストをかけているか」等について情報を収集し、それを判断基準の一つとしています。スキルが高い人材がいる企業、教育訓練が十分に行われている企業について、投資家は積極的に投資を行います。リ・スキリングに関する情報を開示することは、投資家からの理解と支持を得て、新たな投資を呼び込むことにつながるのです。
 一方、就職活動中の学生等は、様々な企業について「どのようなスキルを持つ人材が求められているのか」「人材育成に積極的に取り組んでいるか」等の情報を収集し、それを参考にして就職先を決定します。(逆に、学生等は、これらの情報を入手できない企業について「ブラック企業のおそれあり」と疑念を持ち、就職を見送ります。)ですから、企業は、リ・スキリングに関する情報を就職活動中の学生等に開示し、人材育成への取組みをアピールすることによって、求人力を強化することができます。

リ・スキリングに関して、情報開示するべき項目とは

 リ・スキリングに関して、情報開示するべき項目としては、次のものが挙げられます。

1.教育訓練の受講時間、先進技術に関する研修の内容及び参加者数

 教育訓練とは、社内外で実施される集合研修、オンライン研修、通信教育等の、いわゆる「OFF-JT」を指します。情報を開示するときには、「従業員1人当たりの年間研修受講時間(=従業員が1年間に研修を受講した時間の合計÷従業員数)」等の指標にすると分かりやすいです。
 AIやデータ・サイエンス等の先進技術に関する教育訓練を実施した場合は、その内容及び参加者数を社外に公表すると、「技術革新に積極的な企業」として、投資家や学生等からの支持を得ることができます。

2.教育訓練等に支出した費用

 企業の人材育成への取組み度合いを示す指標で、一般的には、「OFF-JT及び自己啓発支援に対して会社が支出した費用の従業員1人当たりの平均額(年額)」が使われます。厚生労働省「能力開発基本調査」によれば、OFF-JTに支出した費用の労働者一人当たり平均額(2020年度実績)は1.2万円、自己啓発支援に支出した費用の労働者一人当たり平均額(同)は0.3万円となっています。

3.公的資格保有者数、従業員1人あたり資格保有数

 国家資格や公的な検定試験の合格者数等は、リ・スキリングの進捗状況を示す指標となります。とくに建設業や情報通信業等では、顧客からの信頼を得るうえでも「どのような公的資格の保有者が何人在籍しているのか」という情報を積極的に開示することが必要です。また企業は、この情報を通じて、職務遂行において必要となる知識・技術を労働者や学生に示せますので、適性のある人材を採用したり、人材育成を効率的に行ったりするうえでも効果があります。

これらの中から、自社に適した項目を選定して、次に示す方法で情報開示を進めていくと良いでしょう。

情報開示は、「自社のホームページ」または「しょくばらぼ」への情報の記載により行う

 リ・スキリングに関する情報開示は、投資家や就職活動中の学生等に伝わりやすい方法で行うべきです。
具体的に言えば、「自社のホームページ」や「(厚生労働省が運営する職場情報総合サイト)『しょくばらぼ』」に前述した項目を掲載するなどの方法により行います。
 求人力強化という目的に照らし合わせると、就活中の学生等が自分に適した職場を探す際に利用している「しょくばらぼ」への情報掲載が最も効果的な方法と考えられます。中小企業の場合は、リ・スキリングへの取組みに関する情報を「しょくばらぼ」の「研修制度」や「自由記述欄」に掲載することにより、「人材育成に熱心な企業」というイメージを学生等に与えることができますので、入社希望者数を増やすことができます。

 リ・スキリングは、単なる人材育成施策ではなく、それに関する情報を開示することによって、投資呼び込みや求人力強化等の面で大きな効果を生み出す施策となります。リ・スキリングに取り組んでいる経営者や人事関係者は、今回のコラムを参考にして、それに関する情報開示も進めていってください。

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