トレンド情報 2022.07.06 (UPDATE:2024.11.20)
スーパーストリーム
国税庁は令和4年4月に「インボイス制度Q&A」を更新。37の問いの改訂と5つの問いが追加されました。
本資料に掲載されている質問は全部で101個。
インボイス制度に関して寄せられた質問や疑問点をまとめ、解説している資料です。
本記事では、改訂と追加された内容を中心に、「インボイス制度Q&A」でチェックすべきポイントをわかりやすく解説します。
令和4年4月に改訂された「インボイス制度Q&A」の質問項目をまとめました。
登録手続きの方法や期間といった基本的な制度の内容や、
適格請求書の記載事項や要件に関する質問など、37の項目が改訂されています。
Ⅲ 適格請求書発行事業者の義務等 |
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4 適格請求書の記載事項 |
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問56 |
外貨建取引における適格請求書の記載事項 |
問58 |
端数値引きがある場合の適格請求書の記載 |
問63 |
登録日である令和5年10月1日をまたぐ請求書の記載事項 |
Ⅴ 適格請求書等保存方式の下での税額計算 |
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問93 |
仕入明細書を受領した場合における売上税額の積上げ計算 |
問101 |
免税事業者からの課税仕入れに係る経過措置を適用する場合の税額計算 |
免税事業者が、令和5年10月1日の属する課税期間中に適格請求書発行事業者の登録を受けた場合は、
登録を受けた日から適格請求書発行事業者となることができる経過措置が設けられていますが、
経過措置の適用期間が延長され、令和11年9月30日までの日の属する課税期間までは、
登録を受けた日から適格請求書発行事業者となることができることとされました。
従来は、課税期間の途中からの登録はできないとされていた期間についても、課税期間の途中から登録が可能になったことになります。
なお、経過措置の適用を受けて適格請求書発行事業者となった場合、
原則として、登録を受けた日から2年を経過する日の属する課税期間の末日までは、免税事業者となることはできません。
また、経過措置の適用を受けた場合、延長された期間においても登録を受けた日の属する課税期間中に
「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出することにより、その課税期間から簡易課税制度を適用することができます。
手書きの領収書も、適格請求書として必要な事項が記載されていれば、
適格請求書に該当し、仕入税額控除が認められます。
なお、必要事項は以下のとおりです。
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 課税資産の譲渡等を行った年月日
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
(課税資産の譲渡等が軽減対象資産の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象資産の譲渡等である旨)
④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適用税率
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
小規模飲食店などの領収書は手書きで発行されることがありますが、
必要事項の記載がなければ仕入税額控除が認められません。注意しましょう。
適格請求書発行事業者以外の事業者からの課税仕入れに関する経過措置(80%控除又は50%控除)の適用については、
売手から「書類」で交付された区分記載請求書の保存が要件とされていましたが、
区分記載請求書に係る電磁的記録の提供を受け、これを保存した場合についても、書類を保存した場合と同様に、
経過措置の適用を受けることができることになりました。
インボイス制度の導入にあたっては、事前準備が大切です。
適切に対応していないと、自社だけでなく取引先に影響を与えることも考えられ、信用問題になる可能性もあります。
Q&Aを参照しながら、トラブルにならないよう、十分に知識を深めるとよいでしょう。
インボイス制度の導入まで1年半を切りました(2022年6月現在)。
事業者の登録受付も開始されており、制度開始までに残された時間はいよいよ短くなりました。
この制度は、難解で複雑であり、各事業者の処理負担もかなり増えることが予想されます。
そのため、制度開始前に自社と取引先の状況を把握し、事前に対応を進めることで、混乱を防ぐことができるでしょう。
確認のために「インボイス制度Q&A」が役立ちますので、目を通しながら、少しずつ準備を進めましょう。
なお、各税理士事務所は制度導入のために準備を進めています。
税理士と顧問契約をしている場合は、疑問に対して回答を示してくれるはずです。
わからない点については、気軽に質問してみましょう。
【公認会計士プロフィール】
石動 龍(いしどう・りゅう)
青森県八戸市在住。石動総合会計法務事務所代表。
ドラゴンラーメン店主。
公認会計士、税理士、司法書士、行政書士。
読売新聞社記者などを経て、働きながら独学で司法書士試験、公認会計士試験に合格。
2020年に地元でドラゴンラーメンを開業し、店主として自ら店にも立つ。
ワイン専門店vin+共同オーナー、十和田子ども食堂ボランティアとしても活動している。
趣味はブラジリアン柔術(黒帯)と煮干しラーメンの研究。
著書に『会計の基本と儲け方はラーメン屋が教えてくれる』『公認会計士試験 社会人が独学合格する方法』『司法書士試験 独学で働きながら合格する方法』がある。
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