人事労務お役立ち情報 2022.04.01 (UPDATE:2024.11.21)
アクタス社会保険労務士法人
在職中の年金受給の在り方の見直しについて
2020年5月に成立した年金制度改正法により、
年末年始手当を支給する場合の社会保険の取扱いは?
会社で所定休日としている年末年始の3日間に勤務をした場合に、
1日あたり定額の年末年始手当を支給することになりました。
社会保険の取扱いで注意すべきことがあれば教えてください。
社会保険においては、労働者が労働の対償として受けるもののうち、
支給回数が年4回以上のものは「報酬」、年3回以下のものは「賞与」として取り扱われます。
今回の年末年始手当は、年3回以下の支給のものとなるため、
「賞与」の扱いとなり、賞与支払届の提出が必要となります。
仮に、新たに設定する「年末年始手当」を、
年4回以上の支給実績がある「その他手当」などに含めて支給する場合でも、
諸規程または賃金台帳などにより各手当の内容が分けて記載されていれば、
客観的に区分できるものとして、同性質の手当ごとに取り扱う必要があります。
そのため、この場合も「年末年始手当」分は「賞与」の扱いとなります。
以上が今回の年末年始手当の取扱いとなりますが、
年4回以上の支給をする手当を新たに設定するケースについて補足します。
年4回以上の支給をする手当については 「報酬」の扱いとなりますが、
その手当の支払いを行う対象期間によって、さらに下記2つに分けられます。
(1)支払の対象期間が1ヶ月の場合 :「通常の報酬」
(2)支払の対象期間が1ヶ月超の場合:「賞与にかかる報酬」
「通常の報酬」は、毎月の給与等で支給されるもので、算定基礎届の対象となります。
「賞与にかかる報酬」は、毎月支給のない「通常の報酬」以外のもの(=賞与)で、
「7月1日前1年間の賞与合計額÷12」を「通常の報酬」に上乗せをして、算定基礎届の対象とします。
例えば、四半期ごとの業績に応じた手当を3か月に1度支給する場合は、
「賞与にかかる報酬」に該当しますので、算定基礎届の対象として含め、忘れないよう注意が必要です。
このように、新たに設定する手当が「賞与」と「報酬」のどちらに該当するか、
また「報酬」の場合でも「通常の報酬」と「賞与にかかる報酬」のどちらかで、届出の方法が異なります。
手当の定義を明確にして、適正な取扱いができるようにしましょう。
<日本年金機構ホームページ>
「『健康保険法及び厚生年金保険法における賞与に係る報酬の取扱いについて』の一部改正について」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2018/20181023.files/01.pdf
アクタス社会保険労務士法人
スタッフ約200名、東京と大阪に計4拠点をもつアクタスグループの一員。 アクタス税理士法人、アクタスHRコンサルティング、アクタスITソリューションズと連携し、 中小ベンチャー企業から上場企業まで、顧客のニーズに合わせて、人事労務、税務会計、システム導入支援の各サービスを提供しています。
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