トレンド情報 2024.05.16 (UPDATE:2025.05.20)
スーパーストリーム
法定福利費と福利厚生費は、企業が適切に管理すべきコストのひとつです。しかし、これらの費用の違いや計算方法については、経営者の方をはじめ、従業員の方々も詳しく理解していないケースが多いのではないでしょうか。
法定福利費は、企業が法律に基づいて支払う必要がある費用であり、福利厚生費は企業が従業員のモチベーション向上や健康維持を目的として自発的に支払う費用です。また、これらの費用の種類や計算方法を理解することは、企業の適正な経営に不可欠です。
そこで今回は、法定福利費と福利厚生費の違いや費用の種類、計算方法などを徹底解説します。企業の経営者の方はもちろん、経理を担当する方も、ぜひ参考にしてください。
法定福利費とは、企業が従業員を雇用する際に法律で負担を義務付けられている費用です。
主な費用としては、健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料、雇用保険料、労災保険料、子ども・子育て拠出金など、社会保険料および労働保険料が含まれます。
これらは健康保険法や厚生年金保険法、労働基準法など複数の法律に基づき、企業が従業員の社会保障を支えるために負担するものです。
法定福利費は、人件費全体の15%~20%を占めることもあり、企業経営にとって大きな固定費となります。
社会保険料率の上昇や制度改正によって企業の負担額は年々増加傾向にあり、営業利益の圧迫や採用計画、設備投資など経営判断にも影響を与える要素です。
特に中小企業では、法定福利費の負担が経営を圧迫する要因となることも少なくありません。
従業員にとって法定福利費は、健康保険や年金、雇用保険、労災保険などの社会保障制度の基盤となる費用です。これにより、病気やけが、失業、老後などさまざまなリスクに対して経済的な備えが確保され、安心して働ける環境が実現します。
また、企業が法定福利費を適切に管理・負担することで、従業員の生活安定や雇用の定着率向上にもつながります。
法定福利費は単なるコストではなく、企業の社会的責任(CSR)の一環として、従業員の生活を支える重要な役割を担っています。そのため、適切な法定福利費の管理と運用は、優秀な人材の確保や企業の持続的成長にも直結します。
今後はデジタル化や制度改正への対応が求められるため、より効率的で正確な管理が重要です。
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法定福利費と福利厚生費の違いは、法律による義務性の有無と費用の目的・範囲にあります。
法定福利費は、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料など、法律で企業に負担が義務付けられている社会保険料・労働保険料を指します。
これらは、健康保険法や厚生年金保険法、雇用保険法などの法令に基づき、従業員を雇用するすべての企業が必ず負担しなければならない費用です。
会計上は「法定福利費」として独立した勘定科目で計上されます。
福利厚生費は、企業が従業員の健康維持やモチベーション向上などを目的に任意で支出する費用です。具体例として、住宅手当、通勤手当、慶弔見舞金、社員旅行、社宅の提供、食事補助、レクリエーション費用などが挙げられます。
これらは法律で義務付けられているものではなく、企業の方針や制度によって自由に設けられる費用です。
会計上は「福利厚生費」として計上されます。
項目 |
法定福利費 |
福利厚生費 |
法的義務 |
法律で企業に負担が義務付けられている |
企業が任意で支出する |
主な内容 |
社会保険料・労働保険料(健康保険、厚生年金、雇用保険等) |
住宅手当、通勤手当、慶弔見舞金、社員旅行など |
会計処理 |
「法定福利費」勘定科目で計上する |
「福利厚生費」勘定科目で計上する |
費用の目的 |
社会保障制度の維持、従業員の生活安定 |
従業員満足度向上、働きやすい環境づくり |
法定福利費は「必ず支払うべきコスト」、福利厚生費は「企業が独自に設ける従業員サービス」と覚えると分かりやすいでしょう。
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法定福利費とは、企業が従業員に対して法律に基づいて提供する福利厚生の費用で、主に以下の6つの社会保険料が含まれます。以下では、法定福利費の種類と計算方法を解説します。
健康保険料は従業員やその扶養家族の医療費を支援するための保険で、従業員の給与に基づいて算出され、企業と従業員で折半します。
計算式は以下の通りです。
なお、健康保険料率は、各都道府県ごとに異なります。詳しくは、全国健康保険協会のWebページをご参照ください。
厚生年金保険料は、従業員の老後の年金を支えるための保険です。厚生年金保険料も給与に基づいて算出され、企業と従業員で折半します。
計算式は以下の通りです。
なお、令和6年度の厚生年金保険料率は18.3%です。
介護保険料は、40歳以上の従業員が介護サービスを受ける際に利用する保険で、健康保険料と同様に給与に基づいて算出され、企業と従業員で折半します。
計算式は以下の通りです。
なお、令和6年度の介護保険料率は1.60%です。
子ども・子育て拠出金とは、子育て支援のための費用を負担するお金で、厚生年金に加入する企業が負担します。
計算式は以下の通りです。
なお、令和6年度の子ども・子育て拠出金率は0.36%です。
雇用保険料は、従業員が失業した際に給付を受けるための保険で、企業と従業員で異なる割合で負担します。
計算式は以下の通りです。
なお、令和6年度の雇用保険料率は1.55%で、事業者負担割合は標準報酬月額の0.95%(従業員は0.6%)を負担します。
労災保険料は勤務中や通勤途中の事故や病気に対する保険で、企業が全額負担し、全従業員の年度内の賃金総額に基づいて算出します。
計算式は以下の通りです。
なお、労災保険料率は職種ごとに異なるため、厚生労働省の労災保険率表からご自身の職種をご確認ください。
また、これらの保険料率は定期的に見直されるため、最新の情報を確認することが重要です。また、具体的な計算には、従業員の標準報酬月額や賞与額などのデータが必要となります。
企業はこれらの情報を基に、法定福利費を正確に計算し、適切に管理する必要があります。そこで、クラウドシステムを活用することで、計算の正確性を高めることが可能です。
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法定福利費の計算には、クラウドシステムの活用がおすすめです。そこで以下では、効果的なクラウドシステムの導入手順と活用方法を解説します。
法定福利費の計算機能を持つクラウドシステムを選定します。システムが自動で最新の保険料率を更新し、計算を行えるかどうかを確認しましょう。
従業員の基本情報(年齢、給与額、家族構成など)をシステムに入力します。これにより、各種社会保険料の正確な計算が可能になります。
システムが提供する保険料率を確認し、最新のものに更新されているかをチェックします。必要に応じて手動で更新することも可能です。
入力された情報に基づいて、法定福利費の計算を実行します。システムは自動で標準報酬月額や賞与額に基づいた保険料を計算し、企業負担分と従業員負担分を区分して表示します。
計算結果を確認し、予算計画やコスト管理に役立てます。また、従業員ごとの保険料負担額を確認し、給与明細に反映させることができます。
法定福利費に関するレポートを生成し、経営陣や部門に提供します。これにより、経営の意思決定に役立つ情報を提供することができます。
クラウドシステムは、法定福利費に関するデータを税務申告用のフォーマットで出力する機能を持っている場合があります。これにより、税務申告の効率化が図れます。
法改正や保険料率の変更に対応するため、システムのアップデートを定期的に行い、常に最新の状態を保ちます。なお、クラウドシステムでは法改正に応じたアップデートが自動化されているツールが多いため、安心です。
このように、適切なクラウドシステムを活用することで、法定福利費の計算を正確かつ効率的に行うことができ、経営資源の最適化に貢献します。また、リアルタイムでの経費管理や、経営の可視化にも役立ちます。
法定福利費や福利厚生費の管理に「SuperStream-NX」がおすすめな理由は以下の通りです。
SuperStream-NXは、健康保険や厚生年金、雇用保険などの法定福利費や、住宅手当・社員旅行などの福利厚生費を、最新の法令・保険料率に基づき自動で計算・管理できます。
従業員情報や給与データをもとに、企業負担分と従業員負担分を正確に区分し、ミスなく集計できるため、経理担当者の負担軽減と業務効率化に大きく貢献します。
法定福利費や社会保険料率は毎年見直されますが、SuperStream-NXはクラウドシステムのため、法改正や料率変更にも自動アップデートで対応可能です。常に最新の状態で計算・管理できるため、法令遵守とリスク低減が図れます。
法定福利費・福利厚生費のデータをリアルタイムで集計し、部門別・社員別・プロジェクト別など多角的なレポートを自動生成できます。これにより、経営陣への迅速な報告や予算管理、コスト分析が容易になり、経営判断の質が向上します。
SuperStream-NXは給与管理や人事管理システムと連携し、社員情報や雇用形態の変更、給与体系の複雑化にも柔軟に対応できます。年末調整や社会保険手続き、扶養控除申告書の作成も一元管理でき、グループ会社や拠点ごとの一括管理も可能です。
クラウドサービスとして提供されているため、セキュリティ対策やバックアップも万全。場所や端末を問わずアクセスでき、テレワークや多拠点展開にも最適です。
これらの特徴により、「SuperStream-NX」は、適切な法定福利費の管理を実現し、企業価値向上に貢献するための効果的なソリューションです。
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