人事労務お役立ち情報 2023.09.04 (UPDATE:2024.11.19)
アクタス社会保険労務士法人
2024年4月から、労働条件明示のルールが改正されます。労働基準法施行規則第5条第1項に規定されている「労働契約の締結・更新時に使用者が労働者に明示すべき事項」に、新たに4つの項目が追加されますのでご紹介いたします。
有期労働契約の締結と契約更新のタイミングごとに、更新上限(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容の明示が必要となります。なお、最初の契約締結後に新たに更新上限を設ける、または短縮する場合は、新設・短縮をする前に説明を行う必要があります。
有期契約労働者の※「無期転換申込権」が発生する更新のタイミングごとに、無期転換を申し込むことができる旨(無期転換申込機会)の明示が必要となります。
有期契約労働者が無期転換の申込をした場合の無期転換後の労働条件を明示することが必要となります。特に労働条件の決定に当たり、他の通常の労働者(正社員や無期雇用フルタイム労働者など)とのバランスを考慮した業務内容・責任の程度・異動の有無などについて、労使間での誤解が生じないよう有期労働者に説明するよう努めなければなりません。
※「無期転換申込権」・・・労働契約法18条1項において定められた、同一使用者との間で2以上の有期労働契約が通算5年を超えて更新された際、労働者からの申し出により期間の定めのない労働契約に転換できる権利
明示事項の追加に伴い、労働条件通知書の整備が必要になりますので、改正に先んじて今のうちに準備を進めておきましょう。
<厚生労働省>
リーフレット「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」
モデル労働条件通知書の改正イメージ
労災保険の受任者払い制度について
当社の従業員が業務中に怪我をし、1ヶ月以上休むこととなりました。
労災保険の休業補償給付の申請を行いますが、支給決定まで1ヶ月程度かかると聞いています。
その間収入がなくなってしまうので、従業員の生活を保障するために利用できる制度はありますか?
労災保険の受任者払い制度を活用してみてはいかがでしょうか。
労災保険の休業補償給付は労働者に直接支払われるものですが、受任者払い制度は、会社が従業員に対して休業補償給付相当を立て替え払いし、後日労災保険から支給される休業補償給付を会社の口座へ振り込んでもらうことができる制度です。
休業補償給付の支給決定まで収入がなくなってしまうことを防ぐことができ、従業員の生活を保障することができます。
受任者払い制度を利用する際は、被災労働者より休業補償給付の受領を会社へ委任する内容の委任状を記入してもらい、休業補償給付支給請求書様式第8号と合わせて労働基準監督署に提出する必要があります。
委任状の書式は各都道府県によって異なりますので、管轄の労働基準監督署へ確認の上、届出を進めましょう。
アクタス社会保険労務士法人
スタッフ約200名、東京と大阪に計4拠点をもつアクタスグループの一員。 アクタス税理士法人、アクタスHRコンサルティング、アクタスITソリューションズと連携し、 中小ベンチャー企業から上場企業まで、顧客のニーズに合わせて、人事労務、税務会計、システム導入支援の各サービスを提供しています。
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