トレンド情報 2023.12.29 (UPDATE:2025.03.15)
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2024年1月に改正される電子帳簿保存法では、スキャナ保存の要件が緩和される予定です。スキャナ保存とは、紙の領収書や請求書などの帳簿書類をスキャナで読み取り、電子データとして保存することができるという法律です。
スキャナ保存には、紙の書類の保管スペースや管理コストを削減できることや、電子データとして保存することで、検索や分析が容易になり、経営効率の向上につながるといったメリットがあります。
しかし、スキャナ保存には、データの保存方法や期間などの保存要件があるため、注意が必要です。
そこで今回は、2024年1月改正の電子帳簿保存法のスキャナ保存要件とメリットを詳しく解説します。企業の会計や経理業務に携わる方は、ぜひ参考にしてください。
電子帳簿保存法のスキャナ保存とは、国税関係書類を紙で保存する代わりに、スキャナで読み取って電磁的記録により保存する制度です。
スキャナ保存の対象となる書類は、消費税法や所得税法などの国税法に基づいて作成又は受領した書類で、帳簿や証憑として必要なものです。
スキャナ保存を行う場合には、スキャナの種類や性能に関する要件を満たす必要があります。
具体的な要件は、以下のようなものです。
スキャナ保存の制度や要件についての詳しい内容は国税庁のホームページやパンフレットをご参照ください。
電子帳簿保存法は、2024年1月1日に改正され、利用しやすくなります。
今回の改正の主なポイントは、以下のとおりです。
2024年1月1日の改正では、税務署長の事前承認制度が廃止されます。
これまでは、スキャナ保存を利用するために、3か月前までに申請書類を提出して承認を受ける必要がありました。しかし、今回の法改正により、この承認を受ける必要がなくなります。
2024年1月1日の改正では、スキャナ保存のための要件が緩和されます。
具体的な緩和要件は、タイムスタンプ要件の緩和です。これまでは、書類の受領者が受領後3営業日以内にスキャナで読み取り、タイムスタンプを付与する必要がありました。しかし、今回の改正後は、受領後最長2か月+7営業日以内にスキャナで読み取り、タイムスタンプを付与すれば良いことになります。
2024年1月1日の改正では、検索要件が緩和されます。
検索用の記録項目として、取引年月日、取引金額、取引先のほか、勘定科目など書類の種類に応じた主要項目を設定する必要がありました。しかし、今回の改正後は、取引年月日その他の日付、取引金額及び取引先に限定されます。
2024年1月1日の改正では、これまで必要とされていた、国税関係書類をスキャナで読み取った際の解像度・階調・大きさに関する情報の保存要件が廃止されます。
なお、改正の適用時期は、2024年1月1日以降にスキャナ保存が行われる国税関係書類について適用されます。もし、改正前の要件に従ってスキャナ保存を行っている場合は、そのまま継続して利用することが可能です。
2024年1月1日のスキャナ保存制度の改正により、スキャナ保存の手続きや管理が簡素化され、経理の効率化やコスト削減につながると考えられます。一方で、スキャナ保存の対象となる書類は、決算関係書類を除く国税関係書類に限られているため、電子帳簿等保存や電子取引との整合性や一元管理にも注意が必要です。
スキャナ保存制度を導入する際には、自社の経理業務やシステムに合わせて、適切な方法を選択することが重要です。
スキャナ保存を利用することで、紙の書類の保管スペースや保管期間、保管方法などに関する制約がなくなります。また、紙の書類の紛失や破損のリスクも低減できるでしょう。
例えば、ある企業では、スキャナ保存を導入することで、紙の書類の保管にかかっていた年間約30万円のコストを削減できたという事例があります。
スキャナ保存を利用することで、国税関係書類を電子データとして一元的に管理できます。これにより、必要な書類を素早く検索したり、書類の内容を分析したりすることが可能です。
例えば、ある建設会社では、スキャナ保存を導入することで、書類の検索時間を約90%短縮できたという事例があります。また、書類の内容を分析することで、収支や財務状況などの経営情報を把握しやすくなり、経営判断の精度やスピードを向上させることも可能です。
スキャナ保存を行う場合には、原則として税務署長への届出は不要です。
ただし、過去分の重要書類をスキャナ保存する場合には、税務署長への届出が必要です。この場合の届出書の様式は、国税庁のホームページで確認できます。
スキャナ保存を行う場合には、国税関係書類の入力方式として、以下の3種類のいずれかを選択する必要があります。
国税関係書類の受領等後、速やかにスキャナで読み取り、タイムスタンプを付与します。速やかにとは、おおむね7営業日以内とされています。
国税関係書類の受領等後、その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかにスキャナで読み取り、タイムスタンプを付与します。
通常の期間とは、例えば月次決算の場合は翌月末までとされています。
国税関係書類の受領等後、適時スキャナで読み取り、タイムスタンプを付与します。
適時とは、例えば日次処理の場合は当日中とされています。
スキャナ保存を行う場合には、電磁的記録の保存媒体として、以下のいずれかを使用する必要があります。
保存媒体には、以下の要件を満たすものを使用する必要があります。
スキャナ保存を行う場合には、電磁的記録の保存期間として、以下のいずれかを選択する必要があります。
国税関係書類の受領等後、7年間電磁的記録を保存すること。この場合、紙の書類はスキャナで読み取った後、即時に破棄してもよいことになっています。
国税関係書類の受領等後、1年間電磁的記録を保存すること。この場合、紙の書類はスキャナで読み取った後、1年間保管する必要があります。
スキャナ保存を行う場合には、電磁的記録の訂正や削除の履歴を確保する必要があります。これは、電磁的記録の信頼性や正確性を担保するためです。
また、訂正や削除の履歴を確保する方法としては、以下のようなものがあります。
電子帳簿保存法のスキャナ保存とは、紙の書類をスキャナで読み取って電子データとして保存することですが、下記で解説する一定の要件を満たさなければなりません。
そこで、スキャナ保存に関する注意点を解説します。
スキャナ保存を行う場合でも、消費税の仕入税額控除を受けるためには、原則として紙の請求書や領収書を受領する必要があります。
ただし、電子的に発行された請求書や領収書(電子請求書)を受領した場合には、一定の要件を満たせば、スキャナ保存した電子請求書を仕入帳に代えて保存することが可能です。
電子請求書の要件としては、以下のようなものがあります。
電子請求書をスキャナ保存する場合には、以下のような方法があります。
いずれの方法を選択する場合でも、電子請求書の真実性や可視性を担保するために、スキャナ保存の要件を満たす必要があります。
スキャナ保存の対象となるのは、国税関係書類のうち、決算関係書類を除くものです。
決算関係書類とは、以下のようなものです。
これらの書類やデータは、紙のまま保存するか、電子帳簿保存等の方法で保存する必要があります。
スキャナ保存には、以下のようなリスクがあります。
これらのリスクを防ぐためには、以下のような対策が必要です。
2024年1月1日改正の電子帳簿保存法のスキャナ保存に対応するために、スーパーストリームのクラウド会計システムでは「証憑管理e文書対応オプション」を提供しています。
このオプションを利用することで、以下のメリットがあります。
以上のことから、スーパーストリームのクラウド会計システムで、2024年1月1日改正の電子帳簿保存法のスキャナ保存を行うことで、以下の効果が期待できます。
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