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人的資本投資とは?投資すべき理由とメリット、具体例や注意点を解説

人的資本投資とは?投資すべき理由とメリット、具体例や注意点を解説

 スーパーストリーム

企業の成長と競争力を維持するためには、人的資本への投資が欠かせません。人的資本投資とは、従業員のスキルや知識、健康などに対する投資を指し、これにより企業全体の生産性や業績が向上するという考え方です。これには、研修や教育プログラムの実施、健康管理の充実などが具体例として挙げられます。

しかし、人的資本投資にはコストが伴うため、短期的な利益を追求する企業にとっては負担となるケースもあります。しかし、長期的な視点で見れば、従業員のモチベーション向上や離職率の低下など、多くのメリットが期待できる重要な施策です。

そこで今回は、人的資本投資の目的と役割、投資すべき理由とメリット、具体例や注意点などを徹底解説します。人的資本投資について理解を深める必要のある経営者の方や、管理職の方も、ぜひ参考にしてください。

人的資本投資とは?人的資本に投資すべき理由6つも解説

人的資本投資とは、従業員を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すために行う投資のことです。具体的には、従業員のスキルや知識を向上させるための研修や教育、福利厚生の充実などが含まれます。

人的資本に投資すべき理由6つ

人的資本に投資すべき理由としては、次の6つが挙げられます。

  1. 生産性を向上させるため
  2. 優秀な人材を確保するため
  3. 企業価値を向上させるため
  4. 社員エンゲージメントを向上させるため
  5. イノベーションを促進するため
  6. 社会的信頼を獲得するため

それぞれ解説します。

1. 生産性を向上させるため

人的資本に投資することで、生産性を向上させることができます。なぜなら、従業員のスキルや知識を向上させることで業務効率が上がり、より高い成果を出すことができるからです。

例えば、ITスキルのトレーニングを受けた従業員は、新しいソフトウェアを効果的に活用して業務プロセスを自動化することで、作業時間を短縮し、ミスを減らすことができます。 このように、人的資本への投資は生産性の向上に直結する重要な取り組みです。

2. 優秀な人材を確保するため

人的資本に投資することで、優秀な人材を確保することができます。なぜなら、企業が人的資本に投資して従業員の成長を支援することで、求職者からの注目が高まり、優秀な人材が集まりやすくなるからです。 

例えば、従業員のキャリアアップやキャリアパスをサポートするプログラムを導入することで求職者からの注目が高まり、質の高い母集団を形成することができるでしょう。 

このように、人的資本投資は優秀な人材の確保に寄与する重要な取り組みです。

3. 企業価値を向上させるため

人的資本に投資することで、企業価値を向上させることができます。なぜなら、企業が人的資本に投資して高いスキルを持つ従業員が増えることで、企業の競争力が強化され、市場での評価が高まるからです。

例えば、イノベーションを推進するための研修を受けた従業員が新しい製品やサービスを開発することで、企業のブランド価値を高めることが可能です。 

このように、人的資本投資は企業価値の向上にも貢献する取り組みです。

4. 社員エンゲージメントを向上させるため

人的資本に投資することで、社員エンゲージメントを向上させることができます。なぜなら、企業が従業員のスキルやキャリア開発を支援することで、従業員は自分が企業にとって重要な存在であると感じ、仕事に対するモチベーションが高められるからです。

例えば、定期的なトレーニングやキャリアカウンセリングを提供することで、従業員は自分の成長を実感し、企業に対する忠誠心が強まります。 

このように、人的資本投資は、社員エンゲージメントの向上に寄与する重要な取り組みです。

5.イノベーションを促進するため

人的資本に投資することで、イノベーションを促進することができます。なぜなら、新しい知識やスキルを持つ従業員が増えることで、企業内での創造的なアイデアや新しいアプローチが生まれやすくなるからです。

例えば、従業員が最新の技術やトレンドに関する研修を受けることで、新しい製品やサービスの開発が促進され、企業の競争力が強化されます。 

このように、人的資本への投資は、イノベーションの促進に貢献する重要な取り組みです。

6. 社会的信頼を獲得するため

人的資本に投資することで、社会的信頼を獲得することができます。なぜなら、企業が従業員の成長と福祉に投資することで社会からの評価が高まり、企業のブランドイメージが向上するからです。

例えば、企業が従業員の健康や福利厚生に力を入れることで、社会的に責任ある企業として認識され、顧客や投資家からの信頼が高まります。

このように、人的資本投資は、社会的信頼の獲得に寄与する重要な取り組みです。

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人的資本投資で期待できるメリット(効果)3つ

人的資本投資で期待できるメリット(効果)には、上記以外に次の3つが挙げられます。

  1. 離職率が低下する
  2. 企業の競争力を強化する
  3. 財務的な利益が向上する

それぞれ解説します。

1. 離職率が低下する

人的資本への投資は離職率の低下に寄与します。なぜなら、企業が従業員の成長を支援することで、従業員の満足度や忠誠心が高まるからです。

例えば、キャリア開発プログラムやメンターシップ制度を導入することで、従業員は自分の成長を実感し、長期的に企業に貢献しようとする意欲が高まります。

その結果、離職率の低下に繋がります。

2. 企業の競争力を強化する

人的資本への投資は、企業の競争力を強化します。なぜなら、高いスキルを持つ従業員が増えることで企業の競争力が強化され、市場での評価が高まるからです。 

例えば、イノベーションを推進するための研修を受けた従業員が新しい製品やサービスを開発することで、企業のブランド価値を高めることができます。 

このように、人的資本への投資は、企業の競争力強化にも貢献します。

3. 財務的な利益が向上する

人的資本への投資は、財務的な利益をもたらします。なぜなら、生産性の向上や離職率の低下、イノベーションの促進により、企業の収益性が向上するからです。

例えば、従業員のスキル向上によって業務効率が上がり、コスト削減を実現し、結果として企業の利益が増加します。 

このように、人的資本への投資は、財務的な利益にも直結します。

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人的資本投資の具体例5つ

以下では、人的資本投資の具体例を5つ紹介します。

  1. 教育・研修制度の充実
  2. ワークライフバランスの整備
  3. 給与や福利厚生の充実
  4. HRテクノロジーの導入
  5. セルフキャリアドック制度の導入

それぞれ解説します。

1.教育や研修制度の充実

人的資本投資では、教育や研修制度を充実させることが重要です。これにより、従業員のスキルアップを図り、企業全体の競争力を高めることができます。 

例えばある企業では、新入社員向けの集中研修プログラムを導入し、業務に必要なスキルを短期間で習得させることで、即戦力として活躍できるようにしました。 

教育や研修制度の充実は、従業員の成長を促し、企業の持続的な発展を支える有効な取り組みとなります。

2.ワークライフバランスの整備

人的資本投資では、ワークライフバランスを整備することも重要です。これにより、従業員の満足度と生産性が向上し、長期的な雇用関係を築くことができます。 

例えばある企業では、フレックスタイム制度やリモートワークを導入することで、従業員が柔軟に働ける環境を提供し、仕事と生活のバランスを取りやすくしました。 

このようなワークライフバランスの整備は、従業員の幸福度を高め、企業の魅力を向上させる取り組みといえるでしょう。

3.給与や福利厚生の充実

人的資本投資では、給与や福利厚生を充実させることが重要です。これにより、従業員のモチベーションを高め、優秀な人材の確保と定着を促進できます。

例えばある企業では、競合他社よりも魅力的な給与体系や、健康保険、退職金制度などの充実した福利厚生を提供することで、従業員の安心感と満足度を向上させました。 

このような給与や福利厚生の充実は、従業員の働きがいを高め、企業の成長を支えるための有効な取り組みです。

4.HR(Human Resource)テクノロジーの導入

人的資本投資では、HRテクノロジー(人事関連業務を効率的かつ高度に行うことを目的としたデジタル技術)を導入することが重要です。これにより、人事管理の効率化と従業員のパフォーマンス向上を図ることができます。 

例えばある企業では、タレントマネジメントシステムを導入して従業員のスキルやキャリアパスを一元管理することで、適切な人材配置とキャリア開発を支援することに成功しました。 

このように、HRテクノロジーの導入は、データに基づく人事戦略を実現し、企業の競争力を強化する役割を果たします。

5.セルフ・キャリアドック制度の導入

人的資本投資では、セルフ・キャリアドック制度を導入することが重要です。

セルフ・キャリアドックとは、企業がその人材育成ビジョン・方針に基づき、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、体系的・定期的に従業員の支援を実施し、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する総合的な取組み、また、そのための企業内の「仕組み」のことです。※1

これにより、従業員が自分のキャリアを自己管理し、主体的に成長することができます。 

例えばある企業では、定期的なキャリアカウンセリングやキャリアプランニングのサポートを提供することで、従業員が自分のキャリア目標を明確にし、達成に向けた具体的な行動を取れるようにしました。

このように、セルフ・キャリアドック制度の導入は、従業員のキャリア意識を高め、企業の成長を促進します。

※1引用: 厚生労働省 セルフ・キャリアドックの定義より

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人的資本投資を行う際の注意点5つ

人的資本投資を行う際は、以下の点に注意しましょう。

  1. ビジョンを明確にして共有すること
  2. 経営戦略と人事戦略を連動させること
  3. 具体的な指標(KPIとKGI)を設定すること
  4. 実践と検証の結果を可視化すること
  5. 人的資本の情報開示を行うこと

それぞれ解説します。

1. ビジョンを明確にして共有すること

人的資本投資を行う際は、ビジョンを明確にし、全従業員と共有することが重要です。 これにより、全員が同じ目標に向かって努力し、一体感を持って働くことができます。 

例えばある企業では、「持続可能な社会の実現」をビジョンに掲げ、それを全従業員に共有することで、環境に配慮した業務プロセスの改善が進みました。

このように、明確なビジョンの共有は組織全体の方向性を一致させ、効果的な人的資本投資の実現を可能にします。

2. 経営戦略と人事戦略を連動させること

人的資本投資を行う際は、経営戦略と人事戦略を連動させることが必要です。これにより、人的資本投資が企業の成長に直結し、効果的なリソース配分が可能となります。

例えばある企業では、新市場開拓を目指すためのスキルを持つ人材を育成するための研修プログラムを導入し、実際に市場開拓に成功しました。 

このように、経営戦略と人事戦略の連動は、企業の目標達成に向けた効果的な人的資本投資の実現を可能にします。

3. 具体的な指標(KPIとKGI)を設定すること

人的資本投資を行う際は、具体的な指標(KPIとKGI)を設定することが重要です。これにより、投資の効果を定量的に評価し、改善点を見つけやすくなります。 

例えばある企業では、従業員のスキル向上を目的とした研修プログラムの効果を測るために研修後の業績向上率をKPIとして設定し、高い効果を上げることに成功しました。 

具体的な指標の設定は、人的資本投資の成果を明確にし、継続的な改善を促します。

4. 実践と検証の結果を可視化すること

人的資本投資を行う際は、実践と検証の結果を可視化することが重要です。これにより、投資の進捗状況や成果を全員が把握でき、透明性が高まります。 

例えばある企業では、定期的な報告会を開催し、人的資本投資の進捗状況を共有することで全員が現状を理解し、次のステップを考えることができました。 

このように、結果の可視化は、組織全体の理解と協力を得るために不可欠な要素です。

5. 人的資本の情報開示を行うこと

人的資本投資を行う際は、人的資本に関する情報を適切に開示することが重要です。これにより、ステークホルダーからの信頼を得ることができ、企業の透明性が向上します。 

例えばある企業では、年次報告書に人的資本投資の詳細を記載したことで、外部の投資家や取引先などに対しても、企業活動の透明性を確保することに成功しました。 

このように、情報開示は企業の信頼性を高め、持続的な成長を支える基盤となる重要な要素となります。

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