トレンド情報 2024.08.21 (UPDATE:2025.03.20)
スーパーストリーム
ERPとは、企業のさまざまな資源を一元管理して、業務の効率化や情報の一元化を図るためのシステムのことです。多くの企業では、業務の効率化を図るために、クラウドERPの導入が進められています。
クラウドERPは、インターネットを通じて利用できるため、場所を選ばずにアクセスできる利便性が大きな魅力です。また、リアルタイムでデータを共有できるため、部門間の連携もスムーズに行えます。
しかし、クラウドERPにはさまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。
また、自社に適したクラウドERPを選ぶためには、導入コストやセキュリティ機能、サポート体制など、さまざまな要素を慎重に検討することも重要です。
そこで今回は、クラウドERPの種類とメリットとデメリット、選ぶ際のポイントを解説します。これからクラウドERPの導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
クラウドERPとは、企業の経営資源を一元管理するためのシステムで、インターネットを介したクラウド環境で提供されるため、導入コストが低く、柔軟性が高いのが特徴です。
クラウドERPとオンプレミス型ERPの主な違いを以下の表にまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
項目 |
クラウドERP |
オンプレミス型ERP |
初期コスト |
低い |
高い |
運用コスト |
高い |
低い |
導入期間 |
短い |
長い |
カスタマイズ性 |
低い |
高い |
アクセシビリティ |
高い(どこからでもアクセス可能) |
低い(主にオフィス内での利用) |
保守・運用負担 |
小さい(ベンダーが担当) |
大きい(自社で対応) |
スケーラビリティ |
高い |
低い |
セキュリティ管理 |
ベンダーが担当 |
自社で対応 |
システム更新 |
自動(ベンダーが実施) |
手動(自社で対応) |
データ保管場所 |
クラウド上 |
自社サーバー |
上記のように、従来のオンプレミス型ERPは、自社内にサーバーやソフトウェアを設置する必要があり、初期費用やメンテナンスコストが高額でした。しかし、クラウドERPはインターネットを通じて提供されるため、初期費用を抑え、メンテナンスもベンダーに任せることができます。
クラウドERPの主な特徴には、以下のようなものが挙げられます。
特徴 |
説明 |
アクセシビリティ |
インターネット接続とブラウザがあれば、場所を問わずシステムにアクセス可能 |
コスト効率 |
初期投資を抑えられ、利用量に応じた料金体系が一般的 |
迅速な導入 |
オンプレミス型と比べて、導入や更新が迅速に行える |
スケーラビリティ |
企業の成長に合わせて、柔軟にリソースを拡張可能 |
自動更新 |
サービス提供者によって最新の状態に保たれ、ユーザーの負担が軽減される |
データの一元管理 |
リアルタイムでデータにアクセスし、分析可能で迅速な意思決定を支援 |
高い可用性 |
クラウドサービス提供者による安定した稼働率と障害時のバックアップ体制 |
運用保守の簡素化 |
ベンダーによる運用管理や保守作業により、自社の負担が軽減される |
上記のように、クラウドERPを導入することで、企業はリアルタイムでデータを共有し、どこからでもアクセスが可能となります。これにより、在宅勤務やテレワークが普及している現代のビジネス環境において、迅速な意思決定も可能です。
クラウドERPは、コスト削減と柔軟性の向上を実現するために、現代の企業にとって非常に有用なシステムといえるでしょう。
クラウドERPには主に次の3つの導入形態があります。
以下で、それぞれの特徴とメリットを解説します。
パブリッククラウドERPは、コスト効率が高く、スケーラビリティに優れています。なぜなら、複数の企業が同じインフラを共有するため、初期費用が低く、必要に応じてリソースを柔軟に増減できるからです。
例えば、キヤノンITソリューションズの「SuperStream-NX Cloud」などのサービスを利用することで、企業は大規模なインフラ投資を避けつつ、必要なときにリソースを追加できます。
このように、パブリッククラウドERPは、大手企業はもちろん、中小企業やスタートアップにとっても理想的な選択肢といえるでしょう。
プライベートクラウドERPは、高いセキュリティとカスタマイズ性を提供します。なぜなら、プライベートクラウドERPでは専用のクラウド環境を利用するため、企業のニーズに合わせた高度なセキュリティ対策やカスタマイズが可能だからです。
例えば、金融機関や医療機関など、機密性の高いデータを扱う企業は、プライベートクラウドERPを利用することで、データの安全性を確保しつつ、業務に最適化されたシステムを構築できます。
このように、プライベートクラウドERPは、セキュリティやカスタマイズが重要な企業に適したシステムといえるでしょう。
ハイブリッドクラウドERPは、柔軟性とリスク分散のバランスが取れたソリューションです。なぜなら、ハイブリッドクラウドERPではパブリッククラウドとプライベートクラウドの両方を組み合わせて利用することで、それぞれのメリットを最大限に活かしつつ、デメリットを補完できるからです。
例えば、機密性の高いデータはプライベートクラウドで管理し、一般的な業務データはパブリッククラウドで処理することで、コストを抑えつつ高いセキュリティを確保できます。 このように、ハイブリッドクラウドERPは、多様なニーズを持つ企業に適した選択肢といえるでしょう。
クラウドERPの活用は、主に次の3つの種類に分類されます。
それぞれの特徴を以下で比較します。
種類 |
統合型クラウドERP |
業務特化型クラウドERP |
業界特化型クラウドERP |
対象範囲 |
企業の全業務領域 |
特定の業務機能 |
特定の業界や業種 |
主な特徴 |
一元管理、包括的 |
柔軟性、カスタマイズ性 |
業界固有のニーズに対応 |
適している企業 |
大企業、多角経営企業 |
中小企業、特定業務改善企業 |
特定業界の企業 |
導入の容易さ |
比較的複雑 |
比較的容易 |
業界知識があれば容易 |
コスト |
高額 |
中程度 |
業界により変動 |
統合型クラウドERPは、企業の全業務領域を一つのパッケージで統合的に管理するシステムです。
このタイプは、複数の部門や子会社、事業部門を持つ大企業に適しています。
全社的なデータの一元管理と業務の標準化が可能ですが、導入には時間とコストがかかる場合があります。
業務特化型クラウドERP(コンポーネント型ERPとも呼ばれる)は、必要な機能(コンポーネント)のみを選択して導入できるシステムです。
中小企業や特定の業務改善を目指す企業に適しており、柔軟性が高く、必要な機能だけを効率的に導入できます。
関連記事:クラウド会計システムの種類と機能、メリット・デメリットや導入ポイントを解説
業界特化型クラウドERPは、特定の業界や業種に必要な機能があらかじめ実装されたERPシステムです。
例えば、製造業、小売業、サービス業など、業界特有の業務プロセスや規制に対応した機能を備えています。
業界固有のニーズに合わせた最適化が可能で、導入後の調整が比較的少なくて済むのが特徴です。
これらのクラウドERPタイプは、企業の規模、業種、ニーズに応じて選択することが重要です。適切なタイプを選ぶことで、業務効率の向上、コスト削減、競争力の強化などの効果が期待できます。
次にクラウドERPのメリットとデメリットについて説明します。
クラウドERPのメリットは次の4つです。
それぞれ解説します。
クラウドERPは、初期費用を抑えつつ迅速に導入できる点が大きなメリットです。
クラウドERPでは、インフラの調達やサーバーの設置が不要で、インターネット接続とPCがあれば利用開始できます。これにより、従来のオンプレミス型ERPと比べて、導入コストの大幅な削減が可能です。
例えば、中小企業がクラウドERPを導入する場合には、初期費用が数十万円程度に抑えられ、短期間でシステムを稼働させることができるでしょう。
このように、クラウドERPは、コストを抑えたい企業にとって理想的な選択肢となります。
クラウドERPは、インターネット環境さえあればどこからでもアクセス可能です。
クラウドERPではインターネットを通じてサービスが提供されるため、場所やデバイスを問わず利用できます。これにより、リモートワークや外出先からの業務が容易となります。
例えば、営業担当者が外出先で顧客との商談中に在庫状況をリアルタイムで確認し、その場で受注処理を行うことも可能です
このように、クラウドERPは柔軟な働き方をサポートし、業務効率の向上に寄与します。
クラウドERPは、システムの運用と管理をベンダーに一任できるため、企業の負担が軽減されます。
クラウドERPではベンダーがシステムのメンテナンスやアップデートを行うため、企業はこれらの業務から解放されます。これにより、ITリソースを他の重要な業務に集中させることが可能です。
例えば、システムのバージョンアップやセキュリティ対策をベンダーが自動的に行うため、企業は常に最新のシステムを利用できるメリットがあります。
このように、クラウドERPは運用管理の手間を省き、結果として業務効率の向上やコストの削減にも寄与するでしょう。
クラウドERPは、ビジネスの成長に合わせて柔軟に拡張でき、スケーラビリティが高いのが特徴です。
クラウドERPでは、必要に応じてリソースを追加したり、性能を向上させたりすることが容易にできます。これにより、ビジネスの成長や変化に対して迅速に対応できるでしょう。
例えば、急激なユーザー増加に対応するためにサーバーリソースを増やす「スケールアウト」や、既存のサーバーの性能を向上させる「スケールアップ」を迅速に行うことも可能です。
このように、クラウドERPは長期的なビジネスの成長を支える強力なツールとなります。
クラウドERPのデメリットは次の3つです。
それぞれ解説します。
クラウドERPはデータをインターネット上に保存するため、セキュリティリスクが伴います。特に、ハッキングや不正アクセスのリスクが懸念されます。
多くのクラウドサービスプロバイダーは高度なセキュリティ対策を講じていますが、それでも完全にリスクを排除することはできません。
そこで企業では、プロバイダーのセキュリティ対策を確認し、必要に応じて追加のセキュリティ対策を講じることが重要です。
クラウドERPは、一般的にオンプレミス型ERPと比べてカスタマイズの自由度が低いのが特徴です。なぜなら、クラウドERPは標準化されたテンプレートを使用することが多く、企業の特定のニーズに合わせた細かいカスタマイズが難しい場合があるからです。
ただし、最近ではカスタマイズ可能なクラウドERPも増えてきており、ベンダーによっては柔軟な対応が可能なシステムもあります。
クラウドERPはインターネットを介して利用するため、インターネット環境が整っていない場所では利用が難しくなります。また、インターネット接続が不安定な場合、システムのパフォーマンスが低下し、業務に支障をきたす可能性があります。
そこで、企業では、安定したインターネット環境を確保することが重要になります。
クラウドERPの導入を検討する際は、これらのメリットとデメリットを踏まえて、自社のニーズに最適なソリューションを選ぶことが大切です。
クラウドERPを導入する主な目的としては、次の3つが挙げられます。
それぞれ解説します。
クラウドERPは、業務の効率化を図るために導入されます。具体的には、各部門の業務プロセスを統合して自動化することで、手作業や重複作業を削減します。
例えば、在庫管理や受注処理が自動化されることで、手動入力の手間が省け、人的ミスが減少します。
これにより、業務のスピードが向上し、従業員はより重要な業務に集中できるようになるでしょう。
クラウドERPは、データの一元管理を実現します。企業全体のデータを一つのシステムで管理することで、情報の共有とアクセスが容易になります。
例えば、販売データや在庫データ、財務データを一元管理することで、リアルタイムで正確な仕入れに関する情報を入手することが可能です。
これにより、経営判断の迅速化と正確性が向上し、部門間の連携もスムーズになります。
クラウドERPは、コストの削減にも効果的です。具体的には、業務プロセスの効率化や自動化により、運用コストや人件費の削減が可能です。
例えば、手作業によるデータ入力や紙ベースの管理が不要になることで、時間とコストを節約できます。
このように、クラウドERPの導入によって企業全体の運営コストが削減され、利益率の向上に期待ができるでしょう。
クラウドERPの役割としては、主に次の3つが挙げられます。
それぞれ解説します。
クラウドERPは、企業のあらゆるリソース(ヒト、モノ、カネ)を一元管理し、効率的に活用することを可能にします。これにより、業務プロセスの最適化が図られ、無駄を削減できます。
例えば、在庫管理や生産計画がリアルタイムで更新されるため、過剰在庫や欠品を防げるようになり、コストの削減につながるでしょう。
クラウドERPは、データをリアルタイムで収集・分析し、経営層に提供します。これにより、経営の「見える化」が実現し、迅速かつ正確な意思決定が可能となります。
例えば、売上データや在庫状況を即座に把握できるため、市場の変化にも迅速に対応できるようになるでしょう。
クラウドERPは、企業の内部統制を強化し、法令遵守を支援します。データの一元管理により、アクセス権限の管理が容易となり、不正行為の防止やデータの改ざん防止に効果的です。また、法規制の変更にも迅速に対応できるため、常に最新のコンプライアンス基準を満たすことができます。
このように、クラウドERPの導入は、企業の競争力を高め、効率的な経営を実現するための重要なステップといえるでしょう。
クラウドERPを導入する際の選び方のポイントには、主に次の7つが挙げられます。
それぞれ解説します。
クラウドERPを導入する際は、自社の業務ニーズに合った機能を持つERPを選ぶことが重要です。なぜなら、ERPは企業の業務を効率化するためのシステムであり、必要な機能が揃っていなければ効果を発揮しないからです。
例えば製造業の場合には、生産管理機能が充実しているERPが必要となります。一方、サービス業であれば、顧客管理機能が重要となります。
このように、自社の業務プロセスをしっかりと把握し、それに合った機能を持つERPを選びましょう。
クラウドERPを導入する際は、ERPシステムの柔軟性と拡張性を確認することが重要です。 なぜなら、企業の成長や変化に対応できるシステムでなければ、将来的に再度システムを変更する必要が出てくるからです。
例えば、クラウドERPの中には、モジュールを追加することで機能を拡張できるものがあります。これにより、企業の成長に合わせてシステムを拡張することが可能です。
このように、将来的な拡張性を考慮して、柔軟なシステムを選びましょう。
クラウドERPを導入する際は、他のシステムとの連携がスムーズに行えるかを確認することが重要です。なぜなら、ERPは他の業務システムと連携することで、データの一元管理や業務の効率化を実現できるからです。
例えば、会計システムやCRMシステムと連携できるERPを選ぶことで、データの入力作業を削減し、業務効率を向上させることができます。
このように、クラウドERPを導入する際は、他のシステムとの連携性を重視して選びましょう。
クラウドERPを導入する際は、使いやすいインターフェースを持つERPを選ぶことが重要です。なぜなら、使いにくいシステムは従業員の負担を増やし、導入する効果を低減させるからです。
例えば、直感的な操作が可能なインターフェースを持つERPを導入すれば、従業員のトレーニング時間を短縮でき、早く業務に活用できるでしょう。
このように、使いやすさを重視して、従業員がスムーズに利用できるシステムを選びましょう。
クラウドERPを導入する際は、データ保護やセキュリティ対策がしっかりしているERPを選ぶことが重要です。なぜなら、ERPでは企業の重要なデータを扱うため、セキュリティ対策が不十分なシステムはリスクが高くなるからです。
例えば、データ暗号化や多要素認証を導入しているERPは、データの安全性が高くなります。
このように、クラウドERPを導入する際は、セキュリティ対策が充実しているシステムを選びましょう。
クラウドERPを導入する際は、充実したカスタマーサポートを提供しているERPを選ぶことが重要です。なぜなら、システム導入後のサポートが不十分だと、トラブル発生時に迅速な対応ができないからです。
例えば、専任のサポート担当者がいるERPベンダーを選ぶことで、システムに問題が生じた場合のリスクを最小限にできるでしょう。
このように、クラウドERPを導入する際は、カスタマーサポートの充実度を確認して選びましょう。
クラウドERPを導入する際は、適正な予算内で導入できるERPを選ぶことが重要です。なぜなら、高額なシステムは導入コストがかかりすぎて、予算を圧迫する可能性があるからです。
例えば、初期費用が低く、月額料金で利用できるクラウドERPは、コスト管理がしやすいでしょう。
このように、クラウドERPを導入する際は、予算内で納まるかを確認し、コスト管理も徹底しましょう。
このように、ERPを導入することで、自社のさまざまな業務効率を大幅に改善できる可能性があります。
ただし、ERPにはさまざまな機能や種類があるため、自社に合ったシステムを選んで導入することが重要です。
そこでおすすめしたいのが、キヤノンITソリューションズの「SuperStream-NX」です。
「SuperStream-NX」は、クラウド会計システムとして多くの企業に選ばれています。
高度な機能と操作性を備え、コスト削減や保守・管理業務の負担軽減が可能です。さらに、高いセキュリティと可用性を提供し、ビジネスの成長に応じた柔軟な拡張性も魅力です。
AI-OCRを活用した業務の自動化と効率化も実現しており、手作業によるミスを減少させ、業務効率を大幅に向上させることが可能です。
これらの理由から、「SuperStream-NX」は非常に優れた選択肢となります。
下記のページでは、「経営基盤ソリューション SuperStream-NX」の詳しい内容を解説しています。登録なしでご覧いただけますので、この機会にぜひご参照ください。
クラウドERPを活用して、自社業務のDXを進めたいとお考えの方は、オンラインでお気軽に資料請求してみてください。
また、自社に必要なシステムの種類や選び方がわからない場合は、いつでもキヤノンITソリューションズにご相談ください。貴社に適したソリューションを提供いたします。
国内1万社以上が導入する「SuperStream-NX」。下記の動画では、クラウド活用、システム連携、法改正対応の3つのポイントを解説しています。ぜひご視聴ください。