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給与前払いサービスの仕組みとは?メリットや導入時の注意点を解説

給与前払いサービスの仕組みとは?メリットや導入時の注意点を解説

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給与前払いサービスとは、従業員が希望するタイミングで給与を受け取れるサービスです。給与前払いサービスを利用することで、従業員は給与日前に給与を受け取ることができるため、従業員エンゲージメントの向上に貢献すると考えられています。

ただし、企業が給与資金の準備や支払い業務を個別に行う必要があるため、担当者の負担が増える課題が生じます。そこで、給与前払いサービスを導入して、支払い業務を自動化するのがおすすめです。

給与前払いサービスには、資金をあらかじめ準備しておくタイプと、サービス会社が立替払いするタイプがあります。いずれもメリット・デメリットがあるため、慎重に選ぶことが大切です。

そこで今回は、給与前払いサービスの仕組みやメリット、導入時の注意点を解説します。これから給与の前払いを導入しようとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。

給与の前払いサービスとは?

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給与前払いサービスとは、規定の給与の支払日を待たずに、従業員が希望するタイミングで前払いする際に利用できるサービスの総称です。

従業員の給与を支払うタイミングは企業によって異なりますが、翌月の25日や月末に一括して支払うのが一般的です。しかし、冠婚葬祭や突発的な出費などにより、従業員に急にお金が必要となるケースもあるでしょう。

このような有事に備え、正社員に会社のお金を一時的に貸し付ける「従業員貸付制度または社内貸付制度」を設けている企業もあります。ただし、従業員貸付制度を利用できるのは正規雇用された正社員のみであることや、比較的低いものの金利が発生するといった経理上の煩わしい手続きや作業を伴います。

このような課題を解消するために活用されるのが、給与前払いシステムです。また、給与前払いシステムの導入する際には、給与管理システムとの併用が欠かせません。

そこで以下では、給与前払いシステムと給与管理システムについて、詳しく解説します。

給与前払いサービス2種類と特徴

給与前払いシステムは、主に「自社払いタイプ」と「立替払いタイプ」の2種類があるため、それぞれ解説します。

自社払いタイプ

自社払いタイプとは、従業員に前払いする資金(お金)を自社で用意するタイプのサービスです。

自社払いタイプのサービスには、自社の口座から従業員の口座へ前払い給与を振り込む作業を代行するサービスや、前払い給与の資金をサービスに預託した上で従業員が自らATMなどで引き出せるようにするサービスがあります。

立替払いタイプ

一方、立替払いタイプは、企業が前払いする資金を用意する必要がなく、サービス会社が一時的に支払う給与を立て替えるサービスです。

立替払いタイプのサービスでは、企業が給与支払日の前に現金を準備する必要がないため、キャッシュフローを圧迫しないのが特徴です。また、正規の給与支払日に立て替えられた前払い給与の精算ができるため、企業に負担が少ないというメリットがあります。

ただし、給与前払いサービスを利用することにより、企業があらかじめサービス料を支払う必要があったり、従業員の給与から決まった額の手数料が差し引かれたりします。特に立替払いサービスを利用する場合は、自社払いタイプと比較して、手数料が高い可能性があるため注意が必要です。

いずれの場合でも、給与前払いサービスを利用する前に、企業と従業員の双方が給与前払いサービスの詳しい内容を理解しておくことが大切です。「手数料が要るとは知らなかった」や「手数料が思っていたよりも高かった」など、利用後のトラブルが起きないように、しっかりとサービス内容を確認しておきましょう。

企業が給与前払いサービスを利用するメリット

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給与の前払いシステムを採用することで、従業員だけでなく、企業にもいくつかのメリットがあると考えられます。

そこで次に、企業が給与前払いサービスを利用する主なメリットを2つ紹介します。

従業員エンゲージメントの向上に繋がる

給与前払いシステムを導入することで、従業員エンゲージメントの向上に繋がります。

従業員エンゲージメントとは「従業員が自発的に企業に貢献する意欲」という意味で、給与を規定よりも先に受け取ることで企業への満足度が増し、企業への忠誠心の向上に期待ができるでしょう

社外へアピールできる

給与の前払いサービスを実施することで、従業員を大切にしている企業という良いイメージを社外のステークホルダーへ印象付けられる可能性があります。

従業員を大切にするというイメージは、企業価値の向上やブランド強化に良い影響を与えるため、中長期的な視点から企業の信頼度や株価の上昇などに期待できるでしょう。

給与前払いサービスを導入する際に注意すべきポイント

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それでは次に、給与前払いサービスを導入する際に注意すべきポイントを解説します。

給与前払いサービスを利用する前に以下を確認することで、サービスと自社システムのミスマッチや、不要なトラブルの回避に繋がるため、ぜひ参考にしてください。

自社の経理や給与案件に合ったシステムを導入する

給与前払いサービスを導入する際は、まず自社で運用している既存の管理システムとの連携が可能かどうかを確認する必要があります。また、管理システムの導入がまだの場合は、給与前払いサービスの導入と並行してクラウド管理システムの導入をおすすめします。

給与の前払いを行う場合は、勤怠データの管理が不可欠です。そのため、クラウド管理システムの勤怠や給与に関する管理データと給与前払いシステムとの連携がスムーズにできるのが理想的です。

もちろん、手書きのアナログデータやエクセルなどを利用した勤怠データから給与前払いシステムへデータを移行することも可能ですが、入力ミスや時間、コストがかかるなどのリスクが生じます。そこで、もしこれから給与前払いサービスの利用をお考えの方は、まずクラウド管理システムの構築と運用から始めてみてはいかがでしょうか。クラウド管理システムの詳しい内容は、いつでもスーパーストリームにご相談ください。貴社に最適なソリューションを提供いたします。

労働法の遵守とサービス会社の法律違がないか

給与前払いサービスを利用する際は、サービス会社への手数料が発生します。特に立替払いタイプのサービスを利用する場合には、2つの法律に違反していないかどうかを確認する必要があります。

1つは、労働基準法に違反している可能性がないかを注意しなければなりません。立替払いサービスでは、一般的に給与の数%の手数料がかかりますが、この手数料を従業員の給与から天引きすることは労働基準法第24条の賃金支払の五原則のうちの「全額払い」と「直接払い」の原則に抵触する可能性があります。もし賃金支払いの5原則に違反した場合は、労働基準法24条違反として最高30万円以下の罰金刑が科される可能性があるため、十分な注意が必要です。

そして、給与前払いサービスの利用で考えられるもう1つの法律違反が、貸金業法違反です。給与の立て替えを行うサービス会社は、企業が支払うべき給与を立て替えという名目で実質「貸し付けている状態」です。そして立て替えた金額に応じて手数料を徴収するため、サービス会社は「貸金業者」として貸金業登録する必要があります。

もしこのような違法業者を利用した場合には、法外な手数料や解約時の違約金を設定しているケースがあるため、絶対に契約しないようにしましょう。また、立替払いサービスを利用する際は、貸金業登録の有無を確認することはもちろん、契約内容もしっかりと精査することが大切です。

主要取引銀行がサービスに対応できるかどうか

企業を運営する上で、主要な取引銀行を給与の振り込み先として利用しているはず。そこで、主要取引銀行が給与前払いサービスに対応できるかどうかを確認する必要があります。

特に近年はネット銀行など、各種手数料が安い銀行を主要な取引先として活用しているスタートアップやベンチャー企業が多い傾向にあります、そのため、給与前払いサービスを提供している会社では、企業の給与の振込先となっている普通銀行と連携していない場合もあります。

また、前払いされた給与を引き出す際に、コンビニなどのATMからの引き出しが可能かどうかを確認しておくことも大切です。最近は銀行の支店やATMが減少傾向にあるため、従業員の利便性を考えると、コンビニのATMを利用できるサービスを利用する方が従業員からの評価が高まるでしょう。

給与前払いサービスを利用すると、どうしてもサービス会社主導となるため、できれば自社対応がしやすい自社システムで管理するのがおすすめです。自社で管理すれば、前述した法律違反への心配もないため安心です。

サービスの手数料や運用コストが適正かどうか

給与前払いサービスを利用する際は、必ず手数料や運用コストが適正かを確認しましょう。この際に、手数料率だけでなく、年率換算で貸金法の年率上限を超えていないかどうかを確認することが重要です。

例えば、手数料6%の給与前払いサービスを契約し、従業員が給与の前払いを申請し、通常の給料日の10日前に20万円を受け取ったとします。そして契約書の通りに給与額の6%の手数料を支払った場合、実は支払った手数料の金額を年利換算すると200%を超え、完全に貸金法の上限利率である18%を超えることになります。これは当然ながら法律違反となり、給与前払いサービスを提供する会社が貸金法違反の処罰対象となるのです。

このように、給与前払いサービスの手数料は一見すると合法・違法がわかりにくいため、十分に精査する必要があります。また、会社側が負担しなければならない手数料を考えると、クラウド会計システムや人事労務管理システムを導入してできる限り給与管理の業務を効率化した上で、自社対応するのがおすすめです。

給与前払いサービスのまとめ

本記事で解説したように、給与前払いサービスの導入は、従業員エンゲージメントを高める上でも効果的な施策の1つと言えるでしょう。また、煩雑な経理業務に悩まされている企業にとっては、社外の給与前払いサービス会社を利用することで手間を省けるかもしれません。

ただし、社外のサービス会社を利用する場合は、貸金業登録の有無や金利について十分に精査する必要があります。また、高い手数料を支払って給与前払いサービスを利用しても、自社の経理や人事管理業務の効率化には繋がりません。

そこで、従業員エンゲージメントの向上や業務の効率化を目指すなら、まずは社内の業務を根本から見直し、DX化するのがおすすめです。社内の業務にクラウド会計システムを導入すれば、各部門の業務効率を大幅に改善でき、給与の前払いも自社で管理できるようになるでしょう。

もし「社内業務のDXに取り組みたいけど、どのようにすれば良いか分からない」とお悩みの方は、お気軽にスーパーストリームにご相談ください。貴社に最適なソリューションを提供いたします。

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