トレンド情報 2024.02.21 (UPDATE:2025.03.15)
スーパーストリーム
ERPと基幹システムは、共に企業の業務を効率化するためのシステムですが、その目的や役割、導入メリットには大きな違いがあります。
ERPとは、企業の資源を最適に計画・管理するためのシステムです。ERPの導入により、業務の効率化、コスト削減、情報の正確性・透明性の向上、意思決定のスピードアップなどのメリットが期待できます。
一方、基幹システムとは、企業の基幹となる業務を支えるシステムです。基幹システムの導入により、業種や業態に応じた業務の最適化、競争力の強化、顧客満足度の向上などのメリットが期待できます。
ERPと基幹システムの違いを知ることで、自社に最適なシステムを選択することが可能です。
そこで今回は、ERPと基幹システムの目的や役割、導入メリットの違いをわかりやすく比較して解説します。これからERPや基幹システムの導入をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
ERPとは、Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略で、企業が持つ資金や人材、設備、資材、情報など様々な資源を統合的に管理・配分し、業務の効率化や経営の全体最適を目指す手法です。
一般的には、そのために導入・利用される業務横断型の業務ソフトウェアパッケージ(ERPパッケージ)のことも指します。
次に、ERPの主な機能と種類について解説します。
ERPは、人事・給与管理、販売管理、生産管理、購買管理、会計管理、営業管理など、企業を構成するさまざまな部門や業務に対応したシステムが、共通のデータベースや基盤システムのもとに統合された大規模なソフトウェアです。
ERPを全社的に導入することにより、部門間の即時の情報共有や密な連携が可能となります。
ERPの種類は、システムをどこに構築するか、どのように作るかの違いで分類されるのが一般的です。
システムをどこに構築するかの違いでは、インターネット上にシステムを構築し、ユーザーがそこにアクセスするクラウド型と、自社のサーバー上にシステムを構築して利用するオンプレミス型があります。
どのように作るかの違いでは、必要であろう機能があらかじめパッケージングされたERPパッケージと、ゼロからすべてを作る受託開発型のフルスクラッチ型があります。
以下では、ERPを導入するメリットとデメリットを比較します。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
業務プロセスの統合 | 全社的な業務プロセスを統合し、データの一元管理が可能。部門間の連携がスムーズになり、業務効率が向上します。 | システムの導入には時間とコストがかかり、業務プロセスの見直しが必要となる場合があります。 |
データのリアルタイム管理 | リアルタイムでデータを管理・共有することで、迅速な意思決定が可能。経営者や管理者は常に最新の情報を把握できます。 | 大量のデータを扱うため、システムの性能やセキュリティに対する要求が高まります。 |
コスト削減 | 重複作業の削減や効率的な資源配分により、運用コストが削減されます。 | 初期導入費用が高額になることが多く、ROIを見込むには時間がかかることがあります。 |
顧客サービスの向上 | 顧客情報の統合管理により、迅速かつ的確な対応が可能。顧客満足度が向上し、リピーターの増加が期待できます。 | システムの複雑さから、スタッフのトレーニングが必要。初期段階での運用に課題が生じることがあります。 |
スケーラビリティ | 企業の成長に合わせてシステムを拡張・調整可能。新しい業務プロセスやシステムとの連携も容易です。 | システムの拡張やカスタマイズには専門的な知識が必要で、追加のコストが発生する可能性があります。 |
レポート作成と分析 | 豊富な分析ツールやレポート作成機能により、経営戦略の立案や業務改善が迅速に行えます。 | システムの操作が複雑で、ユーザーが完全に使いこなすまでに時間がかかることがあります。 |
基幹システムとは、企業の経営に必要不可欠な業務をコンピュータで管理するシステムのことです。
基幹システムは、企業の業種や規模によって異なりますが、一般的に以下のような種類と機能があります。
生産管理システムは、製造業での生産計画や進捗管理を効率化するためのシステムです。資材の調達、生産スケジュールの調整、品質管理などを一元管理し、生産効率の向上を図ります。これにより、納期遵守や生産コストの削減が可能となります。
販売管理システムは、販売業務全般をサポートするシステムです。受注管理、販売計画、顧客管理、請求書発行などを自動化し、業務効率を向上させます。これにより、売上の把握や顧客対応の迅速化を図ります。
購買管理システムは、資材や部品の調達を効率化するためのシステムです。発注管理、在庫管理、納期管理などを一元管理し、調達コストの削減や在庫の適正化を実現します。これにより、無駄な在庫を減らし、購買活動を最適化します。
在庫管理システムは、商品の在庫状況をリアルタイムで把握するためのシステムです。入出庫管理、棚卸管理、在庫予測などを行い、在庫の適正化を図ります。これにより、在庫切れや過剰在庫を防ぎ、効率的な在庫管理を実現します。
会計システムは、企業の財務管理を支援するシステムです。帳簿記入、経費管理、決算処理、財務報告などを自動化し、正確な財務データの管理を実現します。これにより、経理業務の効率化と財務状況の透明性が向上します。
人事給与システムは、社員の人事情報や給与計算を管理するためのシステムです。人事データの一元管理、給与計算の自動化、福利厚生の管理などを行い、人事業務の効率化を図ります。これにより、給与計算ミスの防止や迅速な人事対応が可能となります。
労務管理システムは、労働時間の管理や労務環境の整備を支援するシステムです。勤怠管理、残業管理、休暇管理、労働法令の遵守などを行い、労務管理の効率化と適正化を実現します。これにより、労務トラブルの防止や社員の働きやすい環境作りに貢献します。
以下では、基幹システムのメリットとデメリットを比較します。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
業務の効率化 | 特定の業務プロセスを自動化し、業務の効率化を図ることができます。手作業の削減やエラーの低減が期待されます。 | 各システムが独立しているため、データの統合が難しく、全社的な視点での管理が困難です。 |
コストの削減 | 重複作業の削減や業務プロセスの最適化により、運用コストを削減できます。特定の業務に特化したシステム導入でコスト効率が高まります。 | 初期導入費用やシステムのメンテナンスコストがかかる場合があります。また、導入には時間がかかることがあります。 |
業務の専門性向上 | 専門業務に特化したシステムにより、業務の専門性が向上し、担当者のスキルアップが期待されます。 | システムの複雑さから、専門知識が必要とされるため、スタッフのトレーニングが必要になります。 |
データの正確性向上 | 自動化されたシステムにより、データ入力ミスが減少し、データの正確性が向上します。 | 各システム間でデータの共有が不十分な場合、情報の整合性が失われるリスクがあります。 |
迅速な業務対応 | 業務プロセスの自動化により、迅速な対応が可能となり、顧客サービスの向上が期待されます。 | システムの導入初期においては、スタッフが新しいシステムに慣れるまで時間がかかることがあります。 |
柔軟なシステム構築 | 業務のニーズに合わせてカスタマイズが可能であり、柔軟なシステム構築ができます。 | カスタマイズには追加のコストや時間がかかる場合があり、システムの複雑さが増します。 |
以下では、ERPと基幹システムの目的と役割(最適化の範囲の違い)を比較して解説します。
項目 | ERP | 基幹システム |
---|---|---|
定義 | 全社的資源計画(Enterprise Resource Planning)システムであり、企業全体の業務プロセスを統合管理するためのシステム | 特定の業務(生産管理、販売管理、在庫管理など)を支援する個別システム |
目的 | 企業全体の資源を効率的に管理し、業務の最適化と統合を図ること | 特定業務の効率化と管理を行うこと |
機能 | 財務会計、人事管理、在庫管理、販売管理、生産管理など多岐にわたる機能を持つ | 生産管理、販売管理、在庫管理など、特定の業務に焦点を当てた機能を持つ |
導入範囲 | 全社的に導入され、複数の部門や業務プロセスを統合管理する | 個別の部門や業務プロセスに導入される |
データの統合 | 全社的なデータ統合を実現し、リアルタイムでの情報共有が可能 | 部門ごとのデータ管理が中心で、統合性は低い |
導入コスト | 高額であり、導入に時間とコストがかかることが多い | 比較的低コストで導入が可能 |
メリット | 業務プロセスの統合、データの一元管理、意思決定の迅速化 | 特定業務の効率化、運用コストの削減、部門ごとの最適化 |
デメリット | 導入コストが高い、導入・運用に専門知識が必要 | データの分断化、全社的な統合が難しい |
ERPは、人やモノ、お金など経営に欠かせない企業資源の管理を効率化するために、すべての基幹業務を一つのシステムで統合し、企業全体のデータの一元管理と、リアルタイムで強力なデータ連携を目的に導入するシステムです。
ERPでは、統合されたデータベースをひとつのシステムで管理・共有できるため、部門間の情報の即時共有や密な連携が可能となり、全社的な業務の自動化・効率化・最適化が可能となります。
一方、基幹システムは、会計、人事、販売、生産など、企業の主要な業務を種類ごとに分けて、それぞれの業務の効率化を目的に導入するシステムです。
基幹システムは、各業務ごとに独立したシステムとして機能し、部門内の業務最適化を図ります。また、部門間のデータのやり取りや連携には、手作業やカスタムメイドのインターフェースが必要となる場合があります。
ERPは、全社的な業務最適化を目指すシステムです。一方、基幹システムは、部門ごとの業務最適化を目指すシステムです。
基幹システムがそれぞれが担当する情報の管理に特化しているのに対し、ERPは異なる業務データを統合し一元管理ができるため、情報資産の集約・活用や効果的な内部統制が可能となります。
このように、基幹システムは、それぞれが担当する情報の管理に特化しています。一方、ERPは、異なる業務データを統合し一元管理ができるため、情報資産の集約・活用や効果的な内部統制が可能です。
ERPと基幹システムを選ぶ際は、次の3つのポイントに留意しましょう。
企業の規模とニーズは、ERPや基幹システムの選択において最も重要な要素の一つです。
大企業では、複数の部門や業務プロセスを統合するERPが適していることが多いです。一方、中小企業では、特定の業務を効率化するために基幹システムが効果的と言えるでしょう。
企業の成長段階や特定の業務ニーズに応じて、柔軟に対応できるシステムを選択することが重要です。
業界特有の要件もシステム選択において重要な要素です。例えば、製造業では生産管理や在庫管理が重要視される一方、サービス業では顧客管理やプロジェクト管理が重要です。
業界固有のニーズを満たすために、特定の業界に特化した機能を持つシステムを選択することが求められます。業界のニーズに対応できるシステムを導入することで、業務効率が大幅に向上します。
将来の成長と拡張性も考慮すべきポイントです。企業が成長し、業務が拡大するにつれて、システムも柔軟に対応できることが求められます。
ERPはスケーラビリティが高く、企業の成長に応じた機能拡張が容易です。一方、基幹システムは特定の業務に特化しているため、必要に応じて追加のシステムを導入することで、拡張性を持たせることが可能です。
将来のビジョンを見据えたシステム選択が重要となります。
上記のように、ERPと基幹システムはそれぞれにメリットとデメリットがあるため、自社の業務の特性や目的に合わせて適切なシステムを選択することが重要です。
そこで以下では、Webインターフェースによって提供されるSuperStream-NXを導入した企業の事例をいくつか紹介します。
株式会社ムラサキホールディングスでは、SuperStream-NXの人事管理と給与管理システムを導入したことで、シンプルな運用ながらクラウド移行で基盤運用の負担軽減を可能にし、約2,000名の人事情報の管理と給与の自動計算を実現しました。
日清紡ホールディングス株式会社では、SuperStream-NXの統合会計・システム連携ツール・手形管理システムを導入したことで、直観的に使いやすいシステムに合わせて業務を見直し、アドオン開発を最小限化しました。また、若手社員の力で経理業務のDX を推進しています。
※SuperStream-NXの業種・企業別の導入事例をこちらでご参照いただけます。ぜひ参考にしてください。
ERPと基幹システムの選び方には、以下のようなポイントがあります。
上記を鑑みたうえで、Webインターフェースによって提供されるSuperStream-NXがおすすめです。SuperStream-NXは、ERPの一種で、大手企業向けの統合基幹業務システムです。 SuperStream-NXの特徴には、以下のようなものがあります。
以上の理由から、SuperStream-NXをおすすめします。
「SuperStream-NX」は、クラウド会計システムとして多くの企業に選ばれています。
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国内1万社以上が導入する「SuperStream-NX」。下記の動画では、クラウド活用、システム連携、法改正対応の3つのポイントを解説しています。ぜひご視聴ください。